明治村を歩く 明治、それは激動の時代でした。 鎖国の江戸時代、独自の高度の文化が発展。その後、大革命の明治維新を経て、“怒濤の明治”へ突入していきます。 「聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む」『易経』から出典です。 怒濤の如く入ってくる西洋文化と江戸時代からの日本の独自文化が混ざりあり、独特の文化が花開きます。 なにを捨ててなにを取り入れ、発展させてきたか… そんな、明治の建物を集めた場所が、この愛知県犬山市入鹿池に面した美しい丘陵地にある「博物館明治村」です。 昭和40年に開村されました。 昭和の高度成長期、取り壊され失われいく貴重な明治期の建物を全国から集め、野外博物館としました。 創設者は旧制第四高等学校の谷口博士と土川名古屋鉄道会長。 日本全国から移築復元した建物は60超もあります。 重要文化財と有形文化財が目白押しです。 一流の建築家を招いて造られた中央諸官庁は、本格的な洋風建築で見ごたえがります。 一般の住宅は、 木と石・煉瓦文化の混合、和館と洋館の併設、紙障子からガラスの建具など木の文化と石と煉瓦の文化とのどう融合させたか、その努力の証を見ることができます。 玄関の造りに、扉一枚に、 窓枠一つに、それぞれが個性的で時代の変遷を見ることができたいへん趣深い。 近年は明治の建物は貴重な文化遺産として、その建てられた地で復元されており、この明治村へ移築される建物は少なくなっています。 2012年10月に東京駅が大正3年当時の姿になったことが、その好事例でしょう。 昭和の高度成長期に、その価値を惜しんだ創業者の方々は、やはり「先見の明」があったということでしょう。 その建物を一か所で、鑑賞できることに感謝せねばなりません。 2015年3月18日で、開村してから早!?50年!! 阿川佐和子さんが第四代の新村長となりました。 TVで見る以上に、知的で美人で明るい。 この村長、「え?まだ行ったことないなんて、ポップじゃないね〜」ぐらいに明治村のイメージを押し上げようと企んでいるとか(村長宣言より抜粋) …楽しみです。 ちょっと停滞気味のこのお国は、明治という新進気鋭の時代をもっと振り返れねば、阿川さんではありませんが、思う次第です。 50周年では様々が行事がありますが、 その記念行事の一貫として、「坐漁荘」 の保存修理が終わり、見学できるようになっています。 当時は駿河湾を望む立地でしたが、いまは二階から入鹿池を望むことができます。 建物だけでなく、その周辺環境も考慮した配置に、明治村の思想が反映されていているようで、うれしい。 特別企画として、「名電1号形」も札幌から里帰りして展示されています。 “質量ともに優れた煉瓦と石の西洋建築の学習と実践は明治45年間で終わるのであるが、これが日本における近代建築発展の飛躍台となった。” (明治村ガイドブック) 2012年秋からこの明治村の村民となりました。それ以来、この村を歩いています。 季節に応じたイベントを楽しむのも良し。 四季折々、里山の自然に溶け込んだこの明治の建物群を歩くのも楽し。 春の桜、夏の花火、秋の紅葉、冬の雪景色・・・明治と季節のどれも絵になります。 温故知新 過去の激動の時代を振り返り、未来の自分に活かせることを探しています。 平成25年1月6日<記> 平成27年10月12日<改> |