みろくの森 築水池


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■逍遥のBコース■

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弥勒の森は、弥勒山などの山地と、もうひとつ築水池を中心とした丘陵地から成り立っています。

築水池は、弥勒山の麓にある人工の池で、
大正12年に下流の耕地を潤わすために、難工事を経て完成した砂防堰堤によるものです。

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池には弥勒山周辺からの水が集まりますが、岩から染み出る湧水が所々に小さな湿原を造り出しています。
途中、ツバキやコブシなどを楽しみながら歩いていると、湿原が現れます。
いつつかの小さな湿原が連続して
春から秋にかけてさまざまな植物が自生して、目を楽しませてくれます。(「小湿原 参照」)

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築水池を回るコースは、基本的には狭く、人ひとりが通れるほどの道が続きます。
そこが、このコースが魅力的なところです。
夕方にここを通ると、人に会うことはほとんどありません。
ゆっくりと、歩くにはもってこいのコースとなります。 



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湿原以外で、一番の見ものは、シデコブシです。
日本の固有種であり、
愛知県、岐阜県、三重県の一部に分布する「周伊勢湾要素(東海丘陵要素植物群)」だそうだ。
第三紀鮮新世、つまり500万年前〜250万年前にあった東海湖の沿岸地帯と、シデコブシの分布域がほぼ−致しているそうです。
東海湖というのは、現在の伊勢湾が養老山地や春日井あたりまで湖だった時代で、その当時の湖岸部あたりに今でも自生しているということを意味しています。
実に興味深い!! この“一致”に感動を覚えるのは私だけでしょうか。

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モクレン科でありますので、コブシの仲間ではありますが、その四手(シデ)に似た様、大ぶりな白い柔らかい花弁、なんともこ味わい深い形をしております。
日本では県によっては絶滅危惧種で、自然保護が進められております。


シデコブシ以外にももちろん、たくさんの動植物を楽しみことができます。
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一周は約30分程度で回れ、Aコースほど展望には恵まれませんが、”森”を歩いている 感じ。
木立の間から築水池や大谷山を垣間見ながら、池に注ぐせせらぎを聴きながら、森を歩く。
季節を感じながら、五感で森を体感する。

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楽しかったあの日、苦しかったあの日、いろんなことを思い出しながら歩きます。
明るく楽しく元気な明日を思いながら歩きます。

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そんな考え事をしながら… 高低差がそうないので、はあはあ疲れることもなく、
四季折々の自然を身体いっぱいに感じながら歩くことが出来るコースです。

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ほそぼそと続く一本道が、右に左に上に下に、ゆっくりと… 良い感じ。

大きくゆっくりと息を吸って、はいて、自然の中で自分の存在を確認します。
自分の存在を確認したら・・・再びゆっくり物事を考え物思いに耽る。

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なにか迷いごとなどあったら、この築水池を歩こうっと、決めているのです。
なにか解決策が見つかるわけではありません。“自然の中で思う”ことが大事なのです。

もう、この地に住んで、かれこれ20年間以上、思惑の道です。







2013年5月18日<記>  2017年7月17日<改>




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