常念岳【2857m】

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2007年8月26日(日)、晴れ。
「槍と穂高を東側から見たい!」単純明快な目的から、アプローチの短い常念岳へ。
雲ひとつない山頂からは、北アルプスの険峻さや広大さを目の当たりに。
標高差1700m(累積3400m)の価値は充分にありました。

槍ガ岳を観る私 
今回の目的は「東側から槍や穂高を観ること!」だ。
盆休みに鏡池から槍ヶ岳・穂高を見たので、単純に反対側から見てみたい。
ただ、見てみたい。
一ノ沢 登山口
2005年一ノ沢林道で崖が数箇所崩落、現在整備中なので、自動車で奥まで行けません。
手前の烏川緑地で前夜泊、タクシーで登山道手前1.5Km地点まで運んでもらう。
結構、ここまでお金が掛かった。(ガス1200円+高速4750円+タクシー1200円=8350円!)
山の神
常念岳-一ノ沢ルートは、ほぼ沢沿いにゆっくり上がります。
特に大きな滝や岩場もなく、常念から稜線に達する一番障害の少ないコースです。
江戸時代から猟師や杣人がこのコースを利用した由緒正しきコースです。
それが故に、入り口にこの神様を奉る気持ちが良くわかります。
一ノ沢
基本的にはこの沢沿いで、道は分岐合流を繰り返します。
常念乗越までは、樹林帯を歩くため、夏でも朝方ならさわやかに歩けます。
飲み水も豊富で、水入らずルートとして有名のようです。
樹林帯 コメツガやシラビソが覆い、深山の雰囲気です。
130年クラスの巨木が並びます。
切り株や倒木をちょうど座れたり、ザックを載せれる位置にあったり、登山者を配慮した道で、たいへん心地よい。
丸太橋
一ノ沢にはたくさんの支流が流れ込みます。
大きな支流をわたるときは丸太橋です。
河原の花
もう盛夏が過ぎましたが、トリカブト・ヒメジシャン・ショウマ類・ミヤマシシウドなどの花々が咲いています。
この暑さと青空と、この花々、なぜそんなに一生懸命咲くのか?

オヤマリンドウ
蕾ばかりで、このリンドウはなかなか咲いていないと諦めていました。
後で調べると、めったなことでは開花しないとか!?
いったいどうやって、受粉し果実を作るのだろう。
常念乗越 胸突き八丁あたりで、常念乗越と常念岳への稜線がはるか上に見えます。
あそこまでのジグザグ登りが続きます。

一の沢を振り返る
胸突き八丁から、これまでの行程を振り返ります。
登山口は奥の奥(見えない)からずっと、この沢を登ってきたことになります。

サンカヨウの実!
急坂をあえぎあえぎ登っていると、大日岳でみたサンカヨウがたくさんありました。
その実がなっています。
今年、気に入った花のベスト5にははいるので、花を思い出しながら写真を撮りました。
名も知らぬ黄色い花
同じく、急騰でみた花です。
残念ながら、名前を調べ切れていませんが、小さいながらも形の良い花でした。
疲れた時の一服の清涼剤。

常念乗越
最後の水場を過ぎ、苦しい急坂をジグザクに登ると常念乗越にでます。
標高2466m!
ここで初めて、槍と穂高を見ることになります。
景観の見せ方としては、劇的です。
常念への急坂
ここから約1時間強をかけて、森林限界を超えた砂礫とハイ松帯を縫って登ります。
豊科や安曇野からみえるピラミッドを登りことになります。
少し苦しいですが、西側と南側に北アルプスを望みんがらの豪快な歩きです。

意外と続く山頂への道
乗越からみえる砂礫の頂きは山頂ではありません。
前常念への分岐で一端、登りは落ち着きます。
そこからまだ北へ山頂がやっと見えます。
ちょっとしたミニ縦走気分です。
トウヤクリンドウと槍ガ岳
トウヤクリンドウの季節(8〜9月)になってきたらしい。
砂礫にそれはそれはたくさん咲いていました。
槍ガ岳をバックに一枚。
弓折岳で、クロユリと穂高を失敗しているので、こんどは多少はうまきいきました。
山頂から槍・穂高を観る
山頂の2857mからはまさに、絶景です。
北アルプスの南部の山々が鳥瞰できます。 東西方向の高低や主稜線が複数あることによる奥行きの深さ。
広大に広がる険峻な岩稜と複雑に入り組む尾根と谷、たいへん感動的です。
槍ガ岳の右に先日目指した双六とその稜線も観ることができます。
穂高連峰
槍の南側には北穂や奥穂や涸沢(上部)の荒々しい姿。
上高地
前穂や明神岳の急峻な崖下に上高地や梓川を眼下にします。
上高地が険しい山地に囲まれているとが良く分かります。
改めて、1/25000地形図「穂高岳」を見るとその特異さがデータでも良く分かりました。
南側
南側には蝶が岳への稜線が続きます。
その東側からは松本方面から雲が競り上がり、雲海となっており、雲が稜線を超えては消えます。
北側
眼前に横通岳・大天井岳が大迫力で迫ります。
その奥中央はには立山!
ケルンと雲海 東側の豊科・安曇野は残念ながら雲海の下です。
ちょっと見えるのは、安曇野のシンボル「有明山」かも!
山神社
麓に山神社がありました。
隣にキャンプ場やウエストン像もありましたが、人はおらず由緒も由来もなにも書いてありません。
近くに大庄屋の山口邸があったので、そんな財力のある庄屋さんが、山を崇めて立てたのでしょう。
夕暮れの常念
ウエストンが登るときには、この庄屋の元で案内人が着いています。
このあたりは庄屋さんがよほど信仰していたのでしょう。
里から見える高山であるこの常念は、昔から信仰厚い山だったのです。
夕暮れの常念を見ながら、改めて思うのでした。

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