寧比曽(ねびそ)岳 段戸裏谷

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7月に北側の大多賀峠からの最短ルートで歩いた際に、南東側の段戸裏谷からのルートもあると聞いた。
このコース、距離にして往復12km、ちょっと距離は長いが、累積標高差は560mほど。
行程のほどんどは東海自然歩道なので、危険個所はなく、標高もスタート地点が900mを超えているので、酷暑の下界と比較すれば心地よい。
途中の植林地帯を除けば、スタートの段戸裏谷の森、神越峠から山頂までのねびそ岳の森ともに素敵な森だった。
山仲間を誘って、歩いた。

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スタートの段戸裏谷(別名:きららの森)は、愛知県では最大級の原生林の森。
ブナやモミ、ツガの原生林が広がり、200年以上の巨木が林立する。
その幹の太さや高さに圧倒されながら、森を歩く。
学術的にも貴重な森らしく、東海自然歩道だけでなく、散策路もたくさんある。
この森だけを目的に来ても、十分に楽しめるだろう。
落葉樹が多いので秋も良いかも。

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ブナ:ブナ目ブナ科ブナ属 北海道西部から九州の冷温帯に自生。敵湿地に林を作る。
200年は優に超えるだろう。高木すぎて葉っぱを見ることが出来ない。
周辺も高木なので、上へ上へという競争の結果!? 
幹がすっくと直立している。ベルギーでも見た"森のブナ"って感じ。
山の中でみるブナは風雪に耐え、幹や枝が曲がっている印象が強いので、こんな美しい個体に驚く。

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モミ:マツ目マツ科モミ属  本州から九州の温帯に自生、中間温帯(冷温帯と暖温帯のはざま)に多く、しばしばツガと混生する。
樹皮は灰白色で老木ほど、網目状に裂ける。
「アルプスの少女ハイジのアルムの山小屋にあるのがモミの木で、ハイジがよく"モミの木がなってる”っていってましたね〜」とモミで盛り上がろうとしたのだが、仲間の反応はなし(笑)
ツガ:マツ目マツ科ツガ属 東北南部から九州の中間温帯に自生。山地の尾根や岩場にやや普通。モミとよく混生。
樹皮はやや赤みを帯びて縦から網目状に裂ける。

この原生林の樹木は高木が多く、葉っぱが見れないので樹皮で判断するしかない。
樹皮でも見分けがつくが、葉っぱを触っていたければモミ、痛くなければツガと・・・葉っぱがないのが悲しい。

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ミズメ:ブナ目カバノキ科ミズメ属  初めて見る樹木だった。本州から九州の冷温帯に自生する落葉高木。
横向きの皮目があり、サクラに似ているらしい。これは老木で皮目では判断が難しかったが。銘版があったので間違いなし。
樹皮を傷つけると、水のように樹液が出るので漢字で「水芽」。材は良質でフローリングや敷居、漆器、靴の木型に使われるらしい(樹木ウイキペディア)
カバノキ科は冷涼な気候を好むが、この木はその中でも一番の高木になる。
覚えておこう。よい勉強になった。

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原生林の森を抜け、等高線沿いを軽くアップダウン。植林地帯が長いが・・・神越峠に到着すると谷から吹き上げる風がとても気持ち良い
ここから自然林が山頂まで続く。
この風景が本日のお気に入り。仲間と写真も撮る。神越峠の風がとても気持ち良いので、帰りにここでランチ。

ブナも巨木があるが、森で周囲に守られてないので、風雪に踏ん張る姿が良い。
なにより標高は1000mを超えているので、日差しが強くても時折吹く風が湿気がすくないさわやかな風。そんな環境も良い。

ほどなく、ねびそ岳の山頂に着く。
先日、一人で歩いた時は遠くは曇りがちだったが、この日は快晴。 三河高原の最高峰、南アルプス方面を望めば、富士山もうっすらと頭を覗かせていた。

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2023年7月30日[登山日]  8月6日[記]

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