木曽駒ヶ岳 植生調査
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2017年7月28(金)に麓泊、29日(土)・30日(日)と木曽駒へ行きました。
でも登山ではありません。
「植生モニタリング調査」という初挑戦の活動です。
所属している「NPO山の自然学クラブ」がこの木曽駒で10年以上、植生の変化を定点観測しています。
その活動に興味本位で参加したのです。
場所は山頂、中岳や島田娘周辺ですが、スタートは千畳敷、高山植物はこの千畳敷カールに多くの種類が集まっています。
私もそれなりに山を歩いてきたわけで、花や植物の名前などそれなりに知っています。
高校生はワンダーフォーゲル部で地質班でしたがそれなりに植物はわかりはじめ、
大学時代もほそぼそと歩いていました…山歴は長い(だけ)(笑)
私:これはクロユリですね。湿性の植物で、黒色は場所によって濃淡がありますよね〜(と知ったかぶり)
とあるメンバ:そうそう、両性花と雄花・雌花の2種類あって…雄蕊をみればわかるんですようね〜(なにそれ)
私:ハクサンイチゲですね〜 白山一華 〜なかなか良いネーミングですよね(知ったかぶり)
とある別のメンバー:そうですね。この白い部分は「花片」でなく「萼片」ですね。
ほら裏を見ると萼がないでしょう。植物学では萼と花は…(う〜ん、難しくて(笑))
よくよく、皆さんの職業などをお聞きすると・・・
リーダーは大学の植物学の先生、静岡県の自然保護関連の職員さん、博物館の館長さん、レンジャーなどを輩出する自然専門学校の生徒さん・・・
これ以上の「知ったかぶり」をするのをやめて、素直な気持ちでいろいろお聞きすることにしました。(笑)
植生調査の場所はもう、山頂近くです。
私:ここまで来たから、山頂にはいくんですか? (なにげに質問)
リーダー:植生調査が目的ですから、山頂にはいきません。 (あっ、すみません。)
さて、
植生モニタリングってなにをするかというと、写真のような枠を定点に置き、されに仕切られた10cmx10cmの枠の中にどんな植物があるのかをチェックするのです。
これを高山植生のモニタリングプロジェクトGloria(Global Obuserbation Researh Initiative in Alpine Environmentes) という世界的に取り組まれている方法らしい。
調査場所は多岐にわたり、写真のような構造土をはじめ湿性地、風衝地など
たとえば、黄色の枠の中にどんな植物がいるかというと
・ヒメウスユキソウ
・ガンコウラン
・イワウメ
・ミヤマダイコンソウ
・イヌスゲ
・ヒメスゲ
この判別ができるようになるのに、素人の私など半日はかかります。
足でまといだったろうなぁ。
地面にしゃがんだりはいつくばって目をこらしてみます。腰がいたくなるのなんの。
これをあちらこちらの、いろんな条件の定点に移動しては観測するわけです。たいへんな作業です。
でも、高山生態系は人為攪乱に脆弱で温暖化の影響がもっとも出やすい生態系の一つらしい。
だからこの活動は貴重で、しかも、私のような一般人が参加できるところはそうないようです。
参加メンバーはプロと意識の高い人ばかりでした。
こんな研究者の方々のこの種の調査が、高山の自然保護や生物多様性を維持に繋がり、もしかしたら将来の温暖化予想までの道筋に繋がるのかとたいへんな感動を覚えました。
それなりの年齢になって、世界中を仕事で回りいろんな種類の方とも接し、山歩きやそれにまつわる勉強もそれなりにしてきたつもりでしたが、自分に知らない世界がまだまだあると…
こんな世界をもっとよく知ろうと、将来は知らない人々に伝えて、自然をもっと身近に感じていただく活動をしようと改めて思うのでした。
【木曽駒中岳山頂& プロフェッショナルな人々】
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