風越山【1,535m】天使と天狗!?と遭遇

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長野県飯田市にある風越山、「かざこしやま」と読む。信州百名山、新・花の百名山。
標高は1,535m、登り始まは500mちょっとなので、1,000mを登ることになる。なかなかの標高差。

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尾根道をずっと歩く、つづら折り。
地元の小学生も歩くので、登山マラソンのハシリの山でもあり、道幅も広く安全対策もしっかり。
この日は、朝から山の中は霧だった。
登り始めは、植林地帯だが、自然林が目立ち始める。大きな松、そして、そよご、ツガと標高を稼ぐ毎に植生が変っていく。
それにしても霧の中、出発が7時40分だったせいもあり、先行して歩く人は誰いない。

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昨夜雪が降ったらしい、早朝も温度も低かった。
タニウツギの冬姿と思われるが、枝に霧が付いてそれが固まり、氷となり、キラキラと美しい。

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陽が射すと、樹木について氷や雪がボタボタと落ちてくる。
あぶない危ない・・・(笑)
空を見上げると、冬枯れの枝に白い花が! 
雪の花です。青空に映えて美しい。

この山は713年に開山された信仰の山。巨木と早朝の霧がそんな雰囲気を醸し出す。
朝の寒さと信仰の雰囲気で、身を引き締めながら歩く。 石仏は頻度多くあるが、それとは別に、信仰の大きさを伺うことができる対象物が時々お目見え。
標高750mに「石灯籠」、りっぱ。1040mに大木の横に「秋葉観音」、火除けの観音様。 1320mに「矢立木」、結構大きい5mはあるか、魔よけか。 。
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展望台を過ぎると、いよいよ奥宮の領域。
ここで、天狗に出会う!!? ただならぬ雰囲気、白くて長いひげ、白い杖を持って、一本歯の高下駄を履いている!
これは奥宮に使える天狗様か・・・おそるおそる声をかけると人間だった。(笑) 当たり前か。
まだまだ修行たたりないので、高下駄でお参りしているという地元の方だ。登山道の整備もされているようだ。
さて、そんな雰囲気のある山。

標高1420mに「一の鳥居」、1430mあたりに「随身門」、花崗岩の階段を上ると 1460mに「白山大宮大権現」。
室町時代の建造物で国の重要文化財。こんな高い場所に重要文化財があるなんて、それも大きくて立派。
伊那谷や飯田はきっと古くから街で、この目立った山を信仰の対象にして、手厚く敬ったことが良く分かる。
ゆっくりとこんな信仰物を見ていると、自然にとひとつひとつに参拝したくなる。
山の雰囲気は大事。
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ゆっくり歩いて3時間半で山頂へ到着。雪が10cmほどある。 
展望はないが、ブナやツガの林、その冬枯れの林間を縫って見える中央アルプスや南アルプスがみえそうでみえなさそうで、なにげに見える(笑)。
欲求不満な見え方。でも天気も良くて、誰もいない林間でこの雰囲気の良い山頂。
静かに360度森を眺めるのも気持ちよい。

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さて、
この山は展望の山。上りで寄った展望台には先客がいた。
二人の素敵な女性、ほんとうに爽やか。一人は地元、もう一人は友達らしい。
南アルプスも雲のまにまに、見え隠れ。「さっきまで見えていたんですよ〜」と
天使とまでは言わないが・・・(笑)、本当に無垢に山の展望を語る姿は純粋で心打たれる。
そんな無垢な眼差しに心打たれるのは、年をとったせいか。

山頂をちょっと下った辺りで北側に中央アルプス南部が見えたが、なにより、下りに展望台からは、期待通りの南アルプスが全部見えた!!
その展望台に数人の方が集まり、みんなひたすら展望を楽しんでいる。抜群の展望台。
彼ら彼女らも純粋に山が好きなことが分かる。
白鳳三山、塩見岳、赤石岳、聖、光・・・山頂部は雲がかかって残念だがオールスターが勢ぞろい。
純白の冠雪の連峰も神々しい。
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南アルプスの前衛の山から中央アルプスを眺めたことがあるが、その反対側から南アルプスを眺めるのは初めて。
広々とした伊那谷、前衛の大きな裾野をもった伊那山地、その奥にど〜んと南アが見える。
懐が深い、どっしりした大きな山脈であることが良く分かる。
いつか、あの峰々を歩きたい・・・そんな思いに駆られた。
2020年3月15日<記>

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