六甲山系 東おたふく山【697m】

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六甲山系の東おたふく山。帰省がてら歩いた。
ここも40年前、高校のワンダーフォーゲル時代に歩いた山。
地図を眺めながら、最高峰へ向かう手もあるが、この六甲には珍しくなだらかなこの山も懐かしくなり、この山を選んだ。

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コースは、JR甲南山手駅から甲南女子大学を横目に、魚山道(ととみやみち)を辿り、
六甲の岩の殿堂ロックガーデンをかすって、山頂に至る。
下りは、東おたふく山登山口バス停からバスに乗って芦屋に戻るコース。
六甲は実は植林帯がすくなく、自然林が多い。
駅からのアプローチも可能なので、最初は住宅街を歩くことも多いが、
自然林の中を歩きながら、南側の神戸や瀬戸内海を見下ろしながら歩くコースが多い。

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住宅街を少し歩くと、魚屋道(ととやみち)に入る。
この道は、江戸初期から神戸の灘と有馬温泉を繋ぐ東六甲の古い道。
瀬戸内でとれた新鮮な魚を有馬の湯治客へ届けたそうだ。
それなりに険しいが…
基本谷沿いの道だが、昨日の台風19号の為が道が荒れている。
プラス標識上も難路とあるので、尾根筋の道へ少しだけルート変更。

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尾根にあがると、国土交通省「グリーンベルト整備事業」のエリア。
土砂災害の視点から、種々の樹木がバランスよく生えている環境を整備している。今時の事業だ。
その地にあった樹種を選んだり、地域活動と連携したり、街に近いが故に官民一体となっているよう。

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なかなか良い雰囲気の森が出来つつある…!?
水源涵養林とか防災林とか言わずに、ある程度人の手が入った適度に“自然な”森づくり。
西日本であり、海に近いこともあり、植生も尾張とは微妙に違う。

白灰色というか白に近い樹皮は、ヤマモモ:ブナ科…自宅にも植わっているがもっと灰色で幹もこんなに力強くない(笑)
元気だここのは!
黒っぽいのは、アベマキ:ブナ科コナラ属・・・きっとクヌギ(:ブナ科コナラ属)も混ざっている。
下から眺めるとコルク質の幹が特徴的。
これでもかってぐらいのコルク質で、元気だ!? (笑)
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昨日の東日本及び北日本に甚大な被害を出した台風19号の余波か、このコースにも落葉枝葉がたくさん。
ドングリはおそらくクヌギ…アベマキとクヌギはめちゃくちゃ似ているがアベマキはやや丸みを帯びて裏がより白いはず。
これはクヌギかなア
もう一つの緑の実はクスノキ…落葉枝だったので葉っぱを千切ると独特のクスノキ科の香りがする

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道が尾根筋にはいると、花崗岩の露岩とマサ化したじゃりじゃりの道が出来くる。
六甲山は山全体がほぼ1憶年前後の3種類の花崗岩でできている。
多きな岩は風吹岩という、ロックガーデンにある展望台。ここで休憩する人は多い。
これなぞ、花崗岩の塊。
両側から圧力を受けて、地下深くにあった花崗岩が段階的に押し出され、結果隆起した山脈になった。(HPから一部拝借)
よって、断層も多い。阪神淡路大震災もこの神戸や淡路の直下の断層が動いた。

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東おたふく山が近づくと、北側に六甲の最高峰が臨める。
この日は曇りで山頂は雲が漂っていた。標高差が230mくらいのはず。
こことあの山頂との間も一旦切れ込んでおり、そこも断層。
段階的に隆起していることが良く分かる。実に興味深い風景。
ちょっとマニアックだけど…(笑)
でも、ここまで歩いても40年前のことを全く思い出さない。
この風景は印象的なのだが…当時は若すぎて興味を持たなかったに違いない。

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東おたふく山への最後の登り。
この山は花崗岩の六甲の山の中でも、非常に珍しくゆるやかな山容。
理由は、ここだけが堆積岩である砂岩や泥岩で出来ているからだ。
長らくの風化で流れて丸くなった。ここも興味深い。

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ここで、国土地理院シームレス地質図を覗く。
ピンクが花崗岩、全山が深成岩である花崗岩であることが良く分かる。
緑色は泥岩や砂岩…東おたふく山周辺は緑。
隆起したときに近いにあった花崗岩と一緒に上昇してきたに違いない。
同じように風化すると花崗岩と砂岩では、こんなに山容に違いが出る良い例だ。
やっぱり、マニアック!!

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結局、40年前のことなどまったく思い出さなかった。
でも一つだけ。すれ違った登山者に、ワンダーフォーゲル部の顧問であり地理の先生だった鈴木先生に出会った…いやいや先生はもうとっくに故人。
瓜二つだった。
それもすれ違いざまにニコッと笑ったその顔も似ている。

先生! 先生!………… …
あの落第坊主が先生に近い年になって、またこの山に来ました。
教わった地形や地質のことをわかるようになってきましたよ!
このコースのことやこの山のことは何も思い出さなったったけど、あの人のお陰で先生の事を思い出しましたよ!
山頂から神戸の街を眺めながら…一人うるうる

2019年10月14日…あの時を思い出しながら<記>

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