銚子ヶ峰【1,810m】
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2013年6月30日は、白山禅定道の一つ、美濃禅定道の一部である石徹白(いとしろ)道を歩いて、銚子ヶ峰を往復しました。
なにせ歴史の在る道、巨木がたくさんあり、歩いているだけで心が洗われます。
登山道からほどなく、「いとしろ大杉」という巨木があります。
樹齢1800年!!!!
国指定の特別天然記念物
832年(天長9年)に美濃から白山へ登拝するための美濃禅定道が開設され、この道はその登路上にあります。
1200年前でもまだ樹齢700年!
きっともと背が高くて、参詣者は見あげながら横をあるいたんだろうなぁ。
登山口はすでに標高が960m。雰囲気はもう高山の趣。
ブナの原生林の中、急坂の尾根に取り付きます。
いとしろ杉までは、420段、こんな石段が続く、信仰の道。
登山道は白山国立公園に属し、美濃の最深部、幽霊な雰囲気です。
千年の禅定道ですが、人の歩く道以外は、手つかずで、その自然は、巨木を育て、そこを歩く人を謙虚にさせてくれます。
特に危険な場所はなく、道も良く踏まれており、
人ひとりが通れるほどの、そんな良い感じの道。
天気が悪いせいもあり、ゆっくりゆっくり歩きます。
麓のお寺の古文書によれば、「上り千人、下り千人」とあるようですが、往年の賑わいは うそのように静かな山歩きです。
白山の開祖は泰澄
この道には泰澄のお母さまの物語があります。
白山は女人禁制の山でした。
あるとき、お母さまが大師の後を追ってこのルートから白山へ入ろうとしました。
神様はお怒りになり、雷を落としたり、大雨を降らせましたが、それでも母は歩き続けます。
「おたけり坂」あたりで、更にお怒りになり 血の雨、槍の雨を降らせました。
ここが唯一のこの道の急坂なので、ここで雨に降られると足元が滑って相当困ったはずです。
途中の岩で雨宿りをしました。
今日もこのあたりで雲の中となります。
雨よ降らないでくれとお祈り。
次々に試練を受け、ついに坂の途中で力尽きてしまいました。
泰澄大師は仕方なく、「母御石(ははごいし)」を割って母を押し込めたそうです。
母御石をすぎると、銚子ヶ峰に繋がる低木帯の見晴らしの良い稜線にでました。
でもやはり、雲の中…
登山道から約3時間、標高1810mの銚子ヶ峰です。
視界はゼロです・・・ こんな日もあります。
帰りに「白山中居神社(はくさんちゅうきょじんじゃ)」の立ち寄りました。
何気なく寄ったのですが、それはそれは立派な神社で驚きました。
創立は景行12年といいますから、美濃禅定道よりも古いのです。
泰澄も白山を開山をする前に参詣し、その後 社領を拡張したといいます。
一抱え以上ある杉並木を越え、川を渡り・・・
拝殿や本殿をみたときの神々しさに、「これはご利益があるに違いない」と思い、手ぶらを恥じて 思わず車までお賽銭を取りに戻り、
久々に真剣に真剣に参拝しました。皆が幸福に過ごせますように!
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