摺古木山 登山コース鳥瞰 |
|
|
大平宿から東沢林道を北上して、約30分強で林道終点。
その登山道から最初の20分はササバラの登りだが、あとは等高線をゆるやかに登る。周回ルートを選択でき、今回は左回りルートとする。
|
大平宿 |
|
|
木曽谷と伊那谷を結ぶ大平街道の峠の宿場。
江戸時代はたいへん栄えたそうだ。
この中央アルプスを横断するこの山道、昔の人は歩いたなんて信じられない。
いまは廃村だが、民家は借りることができ、ここに前泊して登山する人もいるとか。
ちょっとひらけたなかなかいい感じの所です。
|
東沢林道その1 |
|
|
大平宿からは更に中央アルプス最深部へ入るべく東沢林道を北上します。
この林道は未舗装で、がたがたでやっかいです。
雨や嵐の後はよく道路状況の確認が必要でしょう。
車は4WDでないとえらいです。
いまにも崩落しそうな崖を数箇所通らねばなりません。
|
東沢林道その2 |
|
|
花崗岩質なのでしょう、本当に崩落が続きます。
石が道路中央をふさいでいる場所もあり、車底だけでなく、車横への注意も必要です。
本当に雨や嵐や地震の後は気をつけるべきでしょう。
|
摺古木山 登山口 |
|
|
やっと登山口に到着します。
あとで振り返れば、この林道が登山道より危険で緊張しました。
ここは標高1700m、既に中央アルプスの真っ只中です。
|
スズラン |
|
|
スズランです。
今年は花の勉強をしたいますが、天然のスズランは初めて見ます。
ユリ科、4〜6月に山地草原に咲く花だそうだ。
ユリ科の花は下向きで写真が撮りにくい。
|
スズランその2 |
|
|
このスズラン、登山口の小屋の足元に咲いていました。
時間は朝の7時半頃、雨があがった直後。
みずに濡れたこの小さな花、たいへん愛くるしい。
万人に愛されるもの分かる気がします。
|
取り付きの登山道 |
|
|
取り付きから下地が笹、樹木はシラビソやモミです。
亜高山帯の雰囲気が漂います。
元気なおばさん達と挨拶をしました、これからアルプス南部を縦走するとのこと。
小屋泊で南駒ヶ岳までいくそうな、本当にお元気です。
|
なだらかな山腹を巻く道 |
|
|
摺古木山の南の風穴山の山腹を巻くように登山道が続きます。
天候が急速に回復に向っているので、時折左(西)側が開けます。
垣間見える山の斜面も高山の雰囲気が漂います。
|
足元には多種多様な野草が |
|
|
この深山には多種多様な植物が足元にあります。
なにげなくかがんでみても、あたらしい芽吹きで、いろんな葉っぱがあります。
シダ類、ユキザサ、マイズルソウ、ある程度わかるようになったので葉っぱを見るだけでうれしくなります。
ギザキザの変わった葉っぱは、「カニコウモリ」と思われます。
夏に花咲くそうでたいへんたくさんありました。
|
イワカガミ群落 |
|
|
このあたりの6月はイワカガミの最盛期です。
岩鏡(いわかがみ)、岩に生えることが多く、葉っぱに艶があることからこの名前があるそうで、雨に濡れるとますますそんな感じがします。
路傍にはほんとうにたくさん咲いていました。
|
マイズルソウ |
|
|
マイズルソウ、舞鶴草、うまく表現したものです。
ユリ科のこの花はたいへん小さくてたくさんあります。
先日の大日ガ岳では、蕾しかありませんでしたが、今日は咲き始めていました。
白い花火のようにパッと咲いた感じです。
イワカガミ同様、足の踏み場もないほど、この小さな葉っぱが広がります。
|
山は更に深く深遠に |
|
|
早朝ということもあり、山陰にはいると幻幽な雰囲気が漂います。
そう距離的には進んでいないが、深く分け入っていく感じがします。
|
キバナノコマノツメ |
|
|
キバナノコマノツメ、和名が黄花の駒の爪、スミレ科。
北半球の亜高山帯、高山や深山にはえるスミレです。
花の形から「駒」を冠しているのではなく、葉の形が馬蹄形であることが由来らしい。
花は1cm程度と小さく、6〜7月ごろが開花時期だそうだ。
スミレは種類が多く、本当にこれかどうかは分からないが、この山で見かけたレポートがネット上で紹介されていたから、確率は高いでしょう。
|
ツマドリソウ |
|
|
今日のお気に入りの花、ツマドリソウ(多分)。
サクラソウ科で高山の草地や針葉樹林にはえる小型の多年草。
花びらの端(つま)先が赤みがありことによるそうな。
そんなことは写真を撮るまで全く気がつかず、写真をみて気に入った花です。
|
古株、巨岩を乗り越えて |
|
|
大きな古株を乗り越え、花崗岩の山なのでしょう、ところどころで巨石が露出した場所を通りすぎます。
|
ゴゼンタチバナ |
|
|
ゴゼンタチバナ、御前橘。
ミズキ科、亜高山や針葉樹林に自生し、白山の最高峰“御前”で発見され、赤い実のなる“タチバナ”が由来だそうだ。
イワカガミやマイズルソウと環境が似ているそうで、同様の場所でよく見かけるそうだ。
|
風穴を超えて |
|
|
風穴山の山麓を巻き、風穴のある岩に到達します。
|
山頂への周回コース分岐 |
|
|
風穴を過ぎるとすぐ、山頂への周回コースの分岐です。
今回は天候の回復時間を稼ぐため、すこしでも時間の稼げる左側を取ります。
|
いくつも沢を越える |
|
|
いくつかの沢を越えます。
少しだけですが、沢登りをする箇所もあります。
早朝まで雨が残っていた為か、水流に勢いがあります。
|
天然自然園 |
|
|
少し登るとうわさの天然自然園です。
笹と低木とシャクナゲが適度に配置されさながら庭園です。
|
シャクナゲ群落 |
|
|
お目当ての一つシャクナゲ群落です。
残念ながら、まだ花はほとんどありませんでした。
ちょっとだけ咲いていたが、迫力不足なので、写真をアップで撮ります。
雄蕊が10本なのでアズマシャクナゲと思われます。
数人の方は一眼レフを構えていましたが、期待はずれで残念そうです。
|
中央アルプス展望 |
|
|
シャクナゲは残念ですが、中央アルプスの展望地です。
眼前にこの山から北へ続く中央アルプスの南駒、空木、木曽駒と続きます。
中央アルプスの山塊をこんな真近で、しかも突然現れるので大感動です。
|
北アルプス遠望 |
|
|
北アルプスも良く見えました。
乗鞍・穂高・槍ヶ岳まだまだ雪をかぶっているのが良く分かります。
この後、すぐ雲海が覆って見えなくなりました。
一瞬の晴間を縫った写真です。
|
摺古木山を望む |
|
|
自然園から最終目的地の摺古木山がすぐです。
標高2169m、ここからはもう40mほどしか標高差がありません。
南側から雲が流れてきており、ときどく山頂を隠します。
|
山頂到着 |
|
|
山頂へ到着、北側と東側にすこしだけ展望が開けます
この写真の奥には先ほどの北アルプスが覗けます。
|
御嶽を望む |
|
|
自然園から東に少し動いたお陰で御嶽がなんとか見えます。
雲の切れ目を狙って一枚。
今日は梅雨の晴間で空気が綺麗で山も澄んで見えます。
|
南アルプス北部もなんとか |
|
|
東側は南アルプスです。
こちらは雲海との上に山頂部のみ覗いています。
たぶん北岳・間ノ岳あたりでしょう。
|
南アルプス南部もなんとかなんとか |
|
|
こちらは南アルプス南部です。
荒川岳?赤石岳?あまり自信がありませんが、その方面でしょう。
雲海たなびくアルプス、もくもくした雲の感じはもう夏を感じさせます。
夏至も過ぎ、梅雨の真ん中ではありますが、もう雲上は夏本番です。
|