日本第二高峰 北岳
日本第二の高峰北岳。3193m。
2006年10月13日(金)。快晴。
2006年10月山歩き三昧の第三弾。
山と渓谷1月号「日本山岳百景 北岳バッドレス・山頂からの富士山」の感動。
高村薫「マークスの山」の主舞台、壮絶な最後の場、北岳山頂。
別に高いから登りたい訳ではない。
思い入れが深いのです。
想像以上の雄大な景色、自然の神々しさ。
単独行が故に、いろいろな人と出会え、話せた喜びもありました。
広河原 | |
仙流荘→北沢峠 北沢峠→広河原。 林道バスを乗り継いで到着。 関東方面からは直通バスもでているとか、登山基地のメッカ。 平日で天気が悪いこともあり、人はまばらだ。 天気は雨、明日は回復予定。 |
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広河原山荘 | |
広河原山荘 宿泊。 何年振りかの山荘泊まり。 いかにも出発拠点の山荘らしい、いい感じ。 宿泊客はたったの6人。 愛知豊田からのご夫婦(2人)、関東から2人、高松!から1人。 皆さん、山好きなので会話は弾む。 小屋のご主人曰く、「これぐらいの人数が一番、会話が弾む。」 夕食は食前酒にワイン、さすが山梨県! |
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大樺沢ルート | |
一番人気のルート、大樺沢を登る。 昨日の雨の影響か推量が多い。 ブナやシラビソの原生林を縫うように、沢を遡る。 天気は快晴、標高は1500m超。 さわやかであることこの上なし。 同宿の方々とほぼ同一行動となる。 |
マテ山への急坂 |
二俣。 登山口から約2.5H、北岳が見え始める。 碧い空と北岳、登山意欲を掻き立てられます。 ここは右まわりコースと左まわりコースとの分岐点。 高松からのおじさんは左(写真左)私(右)と豊田のご夫婦は右コースをとる。 ここから直登、500m!。 考えるだけで疲れそうなので、ゆっくり楽しんで登る。 |
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右俣直登ルート | |
2.5Hコース、標高差500m。 1時間で200mだと思えばたいしたことはない。 ご夫婦を山のよもやま話なぞしながら、ゆっくり登る。 中腹で一箇所だけ、なだらかなところで中休止。 ここまでくるとまだ最盛期には早いが、紅葉もきれい。 |
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ヘリコプター | |
二俣には立派なトイレもあった。 入ろうとすると作業員風のお兄さんが2人空を見上げている。 トイレをもう撤収作業中とのこと。 「そんな!使わせて!」ともいえずに、無常にもヘリがトイレを…。 「せめて10月いっぱいはやってくださいよ。」 |
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鳳凰三山を望む | |
登るほどにバックの鳳凰三山が形を変える。 このへんがほぼ同じ高さか。 地蔵岳(2764m)のオベリスクが良く見える。 この夏、甲斐駒付近からも良く見えた。 一度、近くで拝んでみたい。 |
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北岳肩の小屋 | |
稜線に出る。ここは景色が抜群なので昼食。 そこからは絶景を楽しみながら今日の宿泊先、肩の小屋に到着。 ここもHPをみてあこがれていた小屋だ。 古きよき時代の山小屋という感じがとても良い。 小屋のご主人はいろんな話をしていだたく。 熊の遭遇体験や雷鳥激減の理由などなど。 標高は3000m、最低気温は0度。 宿泊者は7名、毛布は使い放題。 私は毛布を10枚!も使ったので、めちゃくちゃ重い、減らすと寒い。 究極のジレンマに陥る。 |
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肩の小屋からの絶景(昼)! | |
もう景色は抜群です。 なんといっても標高は3000m、北岳の直下。 南側以外はすべて見える。 この写真は西から北側をパノラマにしてあります。 左から中央アルプス(遠景)、仙丈ケ岳、北アルプス(遠景)、甲斐駒。 やっぱり北アルプスだけに雪が、先日の北ア遭難事故に思いを馳せる。 |
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ご来光 | |
翌朝のご来光。 雲海とご来光。 ご来光。 神々しいとはこういう景色だろう。 |
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ご来光と富士 | |
雲海に浮かぶ富士、山からみるご来光。 こんな富士山は初めて見ました。 これだけでも標高1500m差を這い登ってきた価値がある。 ちょっと傾いてるが、地球の丸さではありません、私の持つ手が寒さで狂っているのです。 |
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北岳へGO | |
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小屋から北岳山頂へ寝ぼけまなこでGo。 急峻な岩峰なので、岩だらけ。 マークもわかりにくく、どこを登るのやら。 兎に角、岩というのい巨石群の間を縫うように登る。 この写真の真ん中上部に赤い点がありますが、あれは人です。 ごみではありませんよ。 小さすぎて見えない。 |
山頂です | |
山頂に到達。 3193m。 広河原からの標高差1700m。 快晴、360度の展望。 |
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山頂からの富士山 | |
山頂からの富士山。 この写真が一番、今回の中では気に入っている写真。 雲海、太陽、富士山、構図が良いのだろう。 高村薫の重厚な推理小説「マークスの山」の最後の場面。 複雑な事情のある犯人が、とある年の10月19日、雪が降り積もる北岳へ、夜中に広河原から軽装で山頂に、そこで壮絶な最後の場面を迎える。 数時間後に追ってきた刑事がみた風景。 「…雲海の上には茫々たるその山しかなく、その稜線には中腹まで登ってきた太陽の、臙脂色の光輪が広がっているだけだった。手前にもその向うにも何もない。天空に浮かぶ富士山一つの姿を、(犯人)は今、見ていた。」 読んだ人にはわかる。 |
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バッドレス | |
下りは八本歯ノコル経由で。 雄大なバッドレスをず〜と左に見ながら下山。 大岩壁、バッドレスという言葉はこのためにあるのか。 結局、広河原〜山頂〜広河原まで豊田のご夫婦とは一緒でした。 左に赤くポツンといらっしゃるのが奥様です。 最後の予定のバスに乗り遅れるというおまけ付き。 山好きな人と、同じ景色を共感して会話をする。 ご夫婦で楽しむその仲間に加えていただき、グループ行動の楽しさも味わえた山行でした。 |