ヤマドリとの戯れ

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そこはいつもの山。日曜日のお昼過ぎ、いつもの登山道を逸れて初めて歩くバリエーションルートだった。明るい谷沿いの道。
大きなヤマザクラがあった。根本から主幹が分かれているがどもも太くて立派だ。もう少し歩けば里にでるそんな場所。
サクラ周辺には、なぜか常緑の若木しかなく、この季節でも地面にまで太陽の陽が差し込み明るい。
倒木に座り、水分を補給しながら風景を眺めていた。

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ヤマドリが現れる。
初めてまじかで見た。大きい! 1mは優に超える・・・ちょっとビビった。
ス〜っと伸びるかっこいい長い尾。張り詰めた赤銅色の体躯。羽の模様がウロコのように美しい。目の周辺は鮮やかに赤い。体中がテカテカしているというか脂ぎっている感じ。近くで見るとやはり怖い。
ヤマドリ・・・山鳥。留鳥。日本固有種。山地の林、草地、沢など、繁殖期は一夫多妻(最近の研究で一夫一妻とも)で非繁殖期は別々の群れで生活する。日中は林内で行動する。主に種子や葉などを採食し昆虫類も食べる(山渓 日本の野鳥)


休憩中の私の周りをうろうろ。地面や落ち葉をつつきながら私に何かを訴えているように、こちらを見る。(ように見える)
「クックッ」と優し気な鳴き声を発する。
「なんだ、吉備団子でもほしいのか」 あれはキジだな、「なにか餌が欲しいのか」と思ったがそれも違う。残念ながら、水しかない。
特に威嚇してくるわけでもない。縄張り宣言やオス同士の争い時は「ウーウ ウブブブ」と唸るらしい(山渓 日本の野鳥)。明らかに違う。 なにか言いたいのだろう? 
そもそも、こんな大きな生物を前にして、ヤマドリがビビらないのだろうか?
そうか、座っているから大きさが分からないのかと思い、ゆっくりと立ち上がる。動画の視点も変わっている。
これで、2m弱の巨人となった。しかし、ヤマドリはビビッた様子はない。
相変わらず「クックッ」と優しい声を出している。もしかしてこの巨人を雌だと思っているのか!? まさか!
繁殖期はオスは羽ばたいて「ドロ ドロロロ・・・」と低い声を出すらしい。ということは、メスとは勘違いされていない(笑)


残念ながら意思疎通が出来ない(当たり前だが)ので、下り始める。さよならヤマドリさん、楽しかったよ!
驚いたことに、下り始めると横を並走し始めた。
ちょっとまてよ! どういうこと? 
長らく付いてくるので、動画を撮り始めた。まだまだ並走したり追いかけてくる。
こちらが停まれば、ヤマドリも停まる。追い抜くことはない。
餌が欲しいにしても、時間が長すぎる。諦めるという概念はないのか?それとも時間感覚が人と鳥とでは違うのか? 人の方が持ち時間が長いはずだが?
まさかとは思うが、餌くれとかそんな低次元のレベルではなく
大地震が来るとか、宇宙人が来て地球存亡の危機だとか、そんな事を訴えようとしているのか!
こっちの思考が少しおかしくなってきたぞ。
お日様も傾きはじめ、ちょっと肌寒い。一人この山の中で野生の鳥とも戯れもそろそろ精神的に限界が来ている。
要するに・・・再びビビった。撮影を止めて走って逃げた。

ヤマドリは雄の羽色の特徴で5亜種に分類される。南へ行くほどに赤味が濃くなる。近畿以北(北緯約35度10分以北)はヤマドリ、温暖地はウスアカヤマドリ、中国四国はシコクヤマドリ、九州中南部はコシジロヤマドリらしい。
ウスアカヤマドリは養殖放鳥もされているので北海道や淡路島、佐渡にも生息しているらしい。緯度からするとこの個体はヤマドリか!? 
それにしても、美しい。誇るべき日本の固有種。
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2025年3月9日[戯れ日] 3月23日[記]

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