山座空撮

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飛行機なんて嫌いだ。
狭い処に押し込められ、散歩をする場所もなく、できるのは背伸びくらい。
その上、その座席の下はなにもなく、10,000mも先に地面がある。座席は不安定に上下左右に微妙に揺れている。運が悪いとガクンと揺れる。
とても落ち着ける場所ではない。

唯一の楽しめるは、窓からの景色だ。
その眺めは、山頂からでは見ることができない、広い視点で山を「鳥瞰」できる。
なにせ、高さは約1万メートル、見えるのは雲と空、陸は山と谷と河と平野と海だけ。

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人工物はほとんど小さくて見えない。一番高いスカイツリーでも約700m。
空からの眺めは、“万年単位で自然が作り上げた造形”をみることなのだ。

その中でも、やはり「富士山」は特別で、飛行機で静岡・山梨周辺を通過するとたいてい見ることが出来る。
雪を被った独特の山頂部、秀麗な山裾、完全なる独立峰。火山としては若年が故、綺麗な成層火山。
標高も3,766mなので、普通の雲では太刀打ちできない。
飛行機のアナウンスで、「富士山が良く見えております」なんて丁寧な説明がある。

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一番、好きな山が「八ヶ岳」、最後峰は赤岳2,899m。
高校時代に恩師に連れられ、初めて歩いた高峰。
標高は3,000mに満たないが、八ヶ岳連峰と言われるほどの山脈に近い広大な山域でアプローチも良い。
なんといっても、お気に入りは、この南側から眺めた優美な裾野、
飛行機からでは、その美しさが分からないのが残念。
麓から眺めたほうが良いと思わせる稀有な山、この裾野の美しさは日本一に間違いなし!
いつの日がこの山裾に住みたい!!!と思ってる。

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身近な独立峰といえば、「御嶽」
雄大な山裾、3,067mの独立峰にして活火山。
大阪の高校時代に登山計画があったが、火山の爆発によりボツになった山。
尾張に引っ越してから何度も歩いたので、愛着がある。
が、
2014年にも水蒸気爆発を起こし、山頂付近の多くの登山者の命を奪った山。
自然の美しさ、厳しさ、雄大さ、たくさんの事を教えくてる。

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欧州にいた時代、中欧から地中海に向かうとヨーロッパアルプスを縦断する。
日本列島ほどの広大な山域に4,000峰が目白押し。
アフリカ大陸がイタリア半島が欧州にぶつかった時に出来た褶曲山脈。
大陸同士が衝突する、そんな地球規模のエネルギーを感じさせる豪快さ。

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まったく土地勘なく、探し当てたのは「マッターホルン」
標高4,478m! この方向はイタリア側なのでチェルビーノ、鹿の角。
この時点では唯一知っている山、飛行コースを必死に推測して、目を凝らして探した。
そのワクワク感、数少ない知っている山を同定できた時の感動。
隣は勿論、飛行機はほぼ欧州人の機内で、一人 多少控えめに窓に張り付き、
“ヤッター! マッターホルンだ!”と童心に還って、一人で静かに喜んだ(笑)

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美しい雪と氷河…飛行機の高度から眺めていてもどこまでも続く
夕方で、傾きかけた陽が雪に反射して、美しい。
だただた、茫然といつまでも、
いつまでも続く大海原のような山波をじっと眺めていた。

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でも、
心躍るのは、日本の山。飛行機に乗ると、“周りを気にせず”はしゃいで窓側に張り付く(笑)
天気が良い日など、カメラを握りしめ、窓側にいるおっさんの姿は滑稽に違いない。
日本海を北から中部に向かい佐渡島を抜けると、北信五岳。
「妙高山」、標高2,454m、中央火口丘とカルデラを持つ成層火山。
奥には火打山が見える。

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夕日をバックに「黒姫山」、標高2,053m
写真的には今一つだが、実物はなかなか幻想的だった。
これも成層火山、日本には火山が多いことを、改めて思う。
山裾には温泉や、スキー場、恵も多い。

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北アルプス…北部は2つの脈に分かれ、
東側に白馬(しろうま)、五竜、鹿島槍。
西側(奥)には立山連峰の雄姿
南部は歩いた山も多いので、思い出深い。
北アルプス南部の核心部。
手前に常念山脈、奥に穂高槍、その更に奥は北アルプスの秘境。
冬に上空を飛ぶと、冠雪した高峰は本当に美しい。

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「槍ヶ岳」、標高3,180m。
なんと言っても、名前の通りの槍。
尖った頂、東西南北に延びる鎌尾根は目を凝らせば、一目でわかる。
あれが東鎌尾根、ということはあっちは西鎌尾根、この前は途中で断念したのはあのへんか!

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槍の南は「穂高連峰」。
最高峰は、「奥穂高岳」、標高3,190m。
日本で3番目に高い、岩の殿堂 穂高の最高峰。
氷河期に削られた涸沢カール、登山者の聖地。
上高地から歩きで6時間かけねば到達できない。
いつかの夏にテント担いでここでキャンプ、北穂を歩いた。
このどでかいカールを登って、名だたる名峰を眺めるのはやはり楽しかった。
その後、数度訪れた涸沢の紅葉も最高、日本一といっても過言ではない。
そんな思いで多きエリア。

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上高地と活火山「焼岳」。標高2,455m。
梓川は深い谷を造り、火山の爆発で堰き止めれ、大きな湖となり、こに土砂がたまり、広い平坦な谷になった。
明治時代、よくぞ奥深い山脈の中にあるこの広い谷を見つけたものと感心する。
上空から見てもこの溪谷の優美さの想像がつく。
昭和の前半までは、上高地へのルートは東からの徳本峠、
西側に釜トンネルが出来て、一気に北アルプスの登山基地となり、そして大観光地となった。
そんな歴史を思いながら、自分の思い出を辿りながら眺める。

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中部から北東へ向かえば、中部地方を横断してくれる♪
壮観は、この伊那谷と中央アルプス。
大きな伊那谷を天竜川が流れ、河岸段丘がハッキリわかる。
車でこの川を横切れば、相当の高低差で、その規模感にびっくりするほど。
左側には中央アルプス、上の方に最高峰「木曽駒ヶ岳」、標高2,956m。
宝剣岳、空木岳、南駒ヶ岳…と続く
典型的な褶曲山脈で東からのプレートの圧力で、まだじわじわと隆起している。
そんな壮大な物語、写真としても上手く撮れていてお気に入り。

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運が良ければ南アルプス、
「北岳」、標高3,192m。
日本で二番目に高い山、奥深いアプローチの長いこの山。
晩秋、標高3,000mにある肩の小屋でお世話になり、
翌朝の日の出の感動は今でも忘れない。
この写真は夏だが、冬の南アルプスの鳥瞰はさぞや美しかろう。

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福島と山形の県境にある「東吾妻連峰」、標高1,975m
尾張からはなかなか手が届かないが、このカルデラや溶岩が造った大地の風景はきっと歩けば素晴らしい所だろう。
まだ未踏峰の山にはそんな発見がある。

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東へのコースでは、冬に寒そうな中禅寺湖も見えた。
それを造った「男体山」、標高2,486m。これも未踏峰。
でも、麓の日光や真っすぐな杉並木などはっきり見えた。
この直線はある意味、人が造ったもの、こんな人工物!?は飛行機からも見える。

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なかなか飛行機は近くを通ってくれないが、
天気が良ければ、遠目に霊峰「白山」
標高2,702m。
裏山からも、条件がそろえば、この美しい山を拝める時がある。
たおやかな山頂部は美しく、(霊峰には失礼ながら)艶めかしさら憶えます。
夏に歩けば高山植物の宝庫、その美しさは一見の価値がある。
飛行機から眺めるより、八ケ岳同様に麓から私的にはボーっと眺めるのが大好きな山。

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日本海を北へ飛ぶコースでは、「鳥海山」、標高2,236m。
とても綺麗に見えた。 眼前に迫りるあまりの美しさにに感動した。
これも火山。山体崩壊を起こして、山頂部は崩れて日本海に流れ込み流山が島となっていた。
江戸時代には西の松島と呼ばれるほど。
今は、そこも陸化して、山が冠雪するする姿はその荒々しさを隠し本当に美しい。

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西の出雲へ向かう途上、南側から「大山」を眺める。
標高1,729m、鳥取県のシンボル。
学生時代に夜行列車にのって、弾丸登山!?をした思い出の山。
山頂からは日本海と弓ヶ浜の砂洲のラインが美しかった。
山体は東西約35km、南北約30km、総体積約120km3。日本列島におけるデイサイト質火山の中でも最大級の規模。(Wiki)
出雲大社の主神である大国主命(おおくにぬしのみこと)が朝鮮半島や能登から、西は三瓶山に、東はこのお山に綱をつなぎ、 島根半島を引き寄せて国土を広げたという「国引き神話」がある。
それほどにこの地域では存在感のあるお山。
雨模様で少しくすんで見えるが、「歩いた山は美しい」!! のだ!笑笑

それにしても、日本はプレートが4つも鬩ぎあい大地は隆起し陥没し、火山も多く・・・山が多い。
大きな地殻の皺「山」、雨が降って海へ斜面を流れる「川」、水がたまった「湖」、最後に流れ着く「海」

朝日が夕日が、雪が、緑が、それぞれが山や谷を厳しく美しく見せてくれる。
こんな風景に出会えるから、飛行機に乗れば、窓にへばりついて眼下を眺める。この楽しみは、いくつになっても止められない。

2013年1月27日<記>  2024年5月5日<大山 追記>

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