ワライカワセミと短波放送
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ワライカワセミを花鳥園で見た。
看板を観なくてもわかるオーストラリアの国鳥。鳴いてもいないのに、鳴き声がどこからか・・・聞こえてくる。
なぜだなぜだっと思っていると、記憶が中学生時代にぶっ飛んだ!
そう、中学から高校時代に、聞いたRadio Austoraliaのインターバルシグナルで、このワライカワセミが笑うんだった。
時間はGMT10:00(JMT18:00)、周波数は0.798メガヘルツ、RadioAustraliaの日本語放送の時間帯。
スピーカに耳を近づけ、短波ラジオのチューナーをミリ単位で合わせてこの曲を探す。
ジャミング音の中、探し当てたワルチングマチルダ(オーストラリアの裏国歌)とこのワライカワセミの声。
おお、オーストラリアメルボルンから今日ははっきり聞こえる!
そして、聞こえた状態を受信報告書を起票する。海外用の封筒に入れて、返信用の国際切手を入れて、郵便局にもっていく。
数週間後に、この証明書(ベリカード)が送られてくる。
カンガルーだ! オーストラリアだ! と大喜び。
遥か南半球の弱い電波を受信して、異国情緒満載の二ユースを聞く。手紙をやり取りで電波だけでなく人と人が繋がる。
いただくカードは美しい!!
1970年代後半から1980年代前半、「BCL(Broad Casting Lisning」とういう海外の短波放送を楽しむという一大ブームが巻き起こった。
私も1976年〜1982年、中学二年から高校三年の思春期の真っ盛りに、これにハマった。
まだまだ海外旅行は遠い存在、欧州や米州の放送局から聞こえてくるニュースや軽いその国の話題は、自分の知らない異国の世界。
周波数を合わせても、出力が弱い局は、ジャミングとよばれる雑音の中から、探さねばならない。
大きなダイヤルを微妙に動かしながら、それを見つけ出す行為は、ワクワクとドキドキ、そう「宝さがし」だった。
各局も自局の特徴を分かり易くするために、インターバルシグナルという独特の音を数分前から発信するので、それを探すことになる。
先述のラジオオーストラリアのワルチングマチルダはどの代表格。
そうやって、シグナルとワライカワセミの声が頭の中に格納されて、ふとしたことでその引き出しが空く。花鳥園のワライカワセミのように。
機材も、ナショナル(現在のパナソニック)とソニーがどんどん新しい機種を発表した。これからまたどれもカッコ良い!!
最後はナショナルのプロシード4800だったが、これはもう受信機というよる無線機に近い。
改めて、金額を見てみるとほとんど10万円だ。高校生にこの金額は出せないし、買った覚えもないので(笑)、親が与えてくれたはず。、
親の脛を齧りまくっていたわけ。
そうやって、世界中からベリカードを集めることに夢中になった。
珍しい局を「珍局」といった。
このインドの放送局、オールインディアラジオ、インドの国営方法、英語で電波も弱く。
半信半疑でレポートを書いて、返信をもらった時はうらしかった。
ベリカードもインドらしく。
裏にはマドラス(現:チェンナイ)の寺院とある。
会社に入って何度もインドに行った。チェンナイにも行った、覚えていて訪問したら感動したことだろう。
出張時にそんな余裕はなかった。いつか機会があれば!?、ぜひ訪問したい。
電波が弱いが、よく聞いたのが南米エクアドルの首都キトからのHCJPの日本語放送。
「アンデスの声」とという。
南米のあんな遠くから、聞こえてくると思えば・・・エクアドルの首都はキトっていうのかとか、尾崎夫妻(日系人?)のエクアドルの話題が新鮮だった。
南米で一番初めて興味を持った国。ここは行ったことがないが、いつかは行きたいなア。
良く聖書を読んだりしていた。プロテスタントのプロパガンダでもあったことは後でわかるが、それもまた文化の勉強。
ここのカードは一番多く持っている。
ヨーロッパでは英国のBBCをよく聞いた。
たしか、インターバルシグナルはビックベンだった。
べリガードは「糸紬」、裏には詳しい説明。中世の経済を支えて羊毛産業。
記念カードをくれた時もある「チャールズ皇太子とダイアナ嬢」の婚約記念。
どれも英国の歴史や文化、世相が良く分かる。
当時はもちろん、そんなに深く考えないが、今思えばそんな情報がちょっとづつ脳内に蓄積され、知識が深まっていったに違いない。
カラフルな同心円を描いているのは、ドイツケルンの放送局のドイチェべレ。
巨石遺跡とヤシの木は、グアム島のKTWR。建物(ジョンFケネディ美術館)とスズカケノキは、ワシントンDCのVoce Of Amerika!
“異国情緒たっぷりの封筒”に海外の切手が貼ってある、そんな返信をもらって中に入っているベリカードを眺める楽しさは、至福の時だった。
特に社会主義の国の中国は朝鮮民主主義共和国はサービスが良く。切り絵や特には宣伝用の冊子なども送ってくれる。
北京放送のカードは、風景がが多く。どれもこれも美しい。近いので電波も安定しており、聞き取り易い。
大学入学と共に時を同じくしてこの一大ブームも終わっていく。 ただ、今でもベリカードや切手を大事に保管したファイルが手元にある。
大学での専門は中国語を選び、留学生友の会に入り、海外で事業を展開する会社に入り・・・その放送局のある国や都市を実際に出張で訪問した。
今思えば、そんなマニアックな趣味が今の自分の基礎にあるのかも知れない。
ワライカワセミを見て、鳴き声を思い出し、それがインターバルシグナルだと気が付く・・・古い引き出し、ホコリを被った引き出しからいろんなものが出てくる。
突然にそんな青春時代を連想をしながら一人で、ワライカワセミの前でほくそ笑んでいた。妻が横で笑っていた。
2020年3月5日 [記]
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