部室

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大学という時代
大学は人生最大の自由時間・・・とよく言われる。
勉強も遊びもなんでも、一生懸命にやれば、それは将来の糧になる、と。
運よく大学に入れて、選んだサークルは留学生友の会、この大学で日本語を学び、各大学へ散らばっていく留学生と友人になるというサークル。
留学生にとって、この大学は初めて滞在する日本、我々は、最初に接する日本人学生になる。そんな活動をしているサークル。
交流という名の下に、活動方針を決める合宿、日本文化理解促進、春は桜を、夏は祭、秋は紅葉狩り、お茶会、留学生寮でダンスパーティなどたくさんの活動をやっていた。
社交的でない、私はさぼりまくっていた。

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部室は、このサークルの創始者の教授の部屋を半分以上使わせていただき、
その部屋であれこれ活動方針を議論して・・・と言いたいが、雑然として談話室になっていた。
この雑然さが、実に充実していた。 主である諸先輩は博識で、視野が広く、どんなつまらない事から高尚な事まで、真面目に議論してくれる。
集まる先輩、後輩も、様々。個性だらけ。
暇つぶしに来ているやつ、授業の予習をしているやつ、活動の企画をまじめに練っている者、
時には、語学論、政治経済、各国情勢、食を含む文化について議論したり、個性あふれる人の個性的な会話だった。
枠にとらわれない、自由があった。
今思えば、大学生活5年間、ベースはあの「部室」だった。
何かを議論するとか、深く考えるとかそんな訓練はあの時に培かわれた。社会に出てからそれは大いに役立った。
今思えば、「糧」になった。
あれから、長い歳月が過ぎ、それぞれの人生を歩んでいる先輩や後輩は世界に散らばっている。

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England,Norway,Italy,Australia,USA・・・Tokyo, Osaka, Nagoya・・・
散らばってからも、海外からの帰省組が帰ってきたり、私が出張で東京に行った際にそのエリアエリアの人は集まっては宴会をしている。
それなりの準備、場所、案内、移動・・・気持ちの準備も必要な訳で、気持ちも高揚しているので、その宴会は盛り上がる。

2020年の新型コロナウイルスの世界感染によりその環境は変わった、
海外組は帰れなくなり、出張はなくなり、世界中がほぼ同時期に人の動きが止まる。すごい時代。

なにやら思い立って、
オンライン飲み会を提案して皆が軽いノリでやった。
面と向かう諸準備がいらない、構えない気軽さ、
今まで、エリア毎に集まってはいるが、全体では初めてなので、何十年振りに合う奴らもいる、みんな口々に好きな会話をしている。
世界情勢、近所のスーパーマーケットの話題、コロナ対策・・・好き勝手(笑
みんな、やはり個性的。この感じが、なにやら懐かしい。
学生時代の人柄はそうは変わらない。年を食っているだけで、言葉への反応や興味は同じ。
この気軽さx個性の集合=部室の雰囲気そのまま
時をへて、時代はIT化が進んだが、ここは“部室”なんだということに気が付く。
そう、あの懐かしの居場所

2020年5月3日 [記]

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