カザグルマという寓意
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「カザグルマ」 なんだか素敵な名だ。
キンポウゲ科センニンソウ属 の落葉性つる性多年草。
中国のテッセンが近種、シーボルトが欧州に持ち帰り園芸種となったのがクレマチス。
大きさは20cmにもなる、キンポウゲ科はモクレン科ほどでないが、古い時代のものらしい。
たしかに、大きな花、雄蕊と雌蕊と花弁の関係が古い時代の匂いがする。
環境省のレッドリストで準絶滅危惧種となっており、自生は稀のようだ。
近くの森に自生種があるという、と、やっぱり見てみたいわけです。
一回目、森を歩くが見当たらない、どんなところに生えているんだろう? 見まわしたがない…
調べてみると、5〜6月、時期はあってる、湿気のある貧栄養地の林床とある。なるほど。
二回目、思い当たる谷や湿地を歩く…見当たらない 泣)
森で大きな双眼鏡をもった日本野鳥の会の方に聞くと、あの湿原のあの橋の手前に通年は咲いているがなぁ…
あの湿原とは、すでに探した湿原ではないか! どういうことだ??
もう一度、ネットと図鑑で調べてみる… キンポウゲ科センニンソウ属 の落葉性つる性多年草…つる性植物!!??
枝先に咲く…上向き…………上向き!? いままで足下を探していた!!!!!
今まで下をみていた目線を上にあげる。
あったーーーーーーーーーーーーー
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上にあったか、つる性植物は樹木に葉柄で絡まり、上に上に、
そして、若枝の枝先で上向きに花を咲かせる。
つまり、花は自分より上にあるということ。
そう思い、樹木をみると、あるある、結構あります ♪
カザグルマ=かざるるま=風車
風を受けて回る風車、樹木の上部で風を受けてゆらゆらゆれるこの花、
なんと風流で素敵なネーミングだろう。
それにしても、先入観とはおそろしい。
自生は稀、そうは見つからない、まぁ見つからないのも仕方がないという思いこみ、
この種の大きな花は足下で開花して、虫を呼び寄せると勝手な思い違い、
やっと見つけた、この風に優雅に揺れる大輪の花を見つけてうれしいのに、今日はなにか感覚が違う。
そう。
人は、思い込みでなにか大事なものを見落としていないか??
いま、やっていること、そのなにかを成し遂げようとしているそのアプローチは正しいか !?
準備に怠りはないか!?
こんなことを考えてしまう。 一人ぽつんと夕方に立つ、この森の冷気がそうさせるのか。
人生の戒めの寓意、この森に学ぶことは多い。 考えすぎか(笑)
1019年5月12日[記]
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