山から望めば「時間」が見える
現在地:空と雲と山歩き>山で思うこと>「時間」が見える
2016年12月、新車を買ったので長野県中川村の陣馬形山へ。
いつみても、中央アルプスと伊那谷に壮大な風景が私を迎えてくれる。
その景色は、南北に広がる。
明るい谷と呼ぶにはあまりに広い伊那谷とそこから急にそそり立つ60Kmにも及ぶ中央アルプスのコントラスト。
200万年前に日本列島が大陸から離れ、形成されていく過程でできたこの山と谷、地質学的には西と東から引っ張られて、伊那谷が落ち込んだことによる地溝と地塁ということになる。
その後、万年単位で何回かの氷河期(直近は2万年前)で山は削られ、山脈に谷を造り、土砂を運び、伊那谷に流れ込み扇状地を造る。
すべての川は本流の天竜川に流れ込み、大河となり太平洋へ流れ込む。
山を削る水の勢いは強く、扇状地をも削り、田切という深い谷を伊那谷の中に形成する。おそらく百年単位の造形物。
万年、千年、百年・・・人ひとりなど到底及ばない遥かな時間
地形や地質を見るということは、過去の時間を見ることに等しいことに気がついた。
山からの景観とは・・・なにげに使う「壮大」という言葉は、空間の広がりだけでなく、時間の積み重ねが見えるということに気が付いた。
このお気に入りの山頂で、「風景」と「時間」、一見関係なく見えるこの言葉が繋がった。
2016年12月31日 [記]
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