1128年

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1128年前 このケヤキは植えられた 

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西暦889年 平安前期 第59代宇多天皇の時代 
   歴史区分でいえば 9世紀 古代
植えたのは、菅原道真 
大宰府に左遷される901年の前 道真の絶頂期の頃
このケヤキは2本 山門の両側に植えられた  

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1128歳の巨木 
琵琶湖の北 日本海気候で豪雪地帯 風雪に耐えた歴史 異形で武骨
なにより、山門前に2本 「阿吽」の守護神 仁王様のようだ
最盛期 3院49坊を構え 
それぞれの時代を1000年以上眺めてきた

この菅山寺の森にあるこのケヤキに出会ったのが2017年5月
森を歩いていると 突然現れるこの2本 その威容に感動
1000年という とても人ではなしえない歳月を生き抜いているというだけで
樹木は人に畏敬と感動をもたらす 
新緑が美しかった

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同年の秋 11月に このケヤキの紅葉をみようと再訪
夏の強烈な台風で 「吽形」(右)のケヤキが倒壊していた 9月の出来事らしい
1128年目にして 初めて遭ったその年に 相棒が倒れた これはなにかの運命か 
「形あるもの いつか壊れる」は盛者必衰の心理だが…

倒れたケヤキで 森に光が差し込む
大自然にとって千年はほんのひと時に過ぎない 
日の光は、新たな生命をはぐくみ また千年のサイクルが始まる
そんな森や樹木 生命の生きざまを感じよ 自然の真理

「阿形」(左)は今年で1129歳になる

2018年8月25日[記]

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