出雲大社の森

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幸い、出雲大社の傍に宿が取れた。
遥か昔、学生時代、ツーリングで立ち寄ったことがある。 今回は家族と一緒に“ちゃんと”したお参り。

早朝6時前、一人でゆっくりと歩いてみる。
GWだが、さすがに、ほんとど人が居ない。
「勢溜の大鳥居」を過ぎた処、右側に広場があり、「勢溜(せいだまり)」と呼ばれる。
明治には、参拝客目当てのお客の為に芝居小屋などで賑わった。
勢いが溜まる処・・・勢溜。
元々の植生は松林、そこを切り開いた。
ちょうど東側に弥山(標高506m)があり、朝日が斜めに差し込み、新緑が輝く。

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「下り参道」を下りきると右側に「浄(きよめ)の池」
ひょうたん型の池、外来種を排除して、ミズアオイなどの植生保護をしている。
「祓社」と共にここで心身を清めるに違いない。
青空が池に映えて美しい。

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「野見禰神社(のみのすくね)」と森
『大和国に当麻蹶速(たいまのけはや)という力の強い男がいました。
垂仁天皇は「この者に敵う男はおるか?」と家臣に尋ねられました。
すると一人の家臣が「出雲に野見宿禰という男がいる」と答え、二人による御前相撲が執り行われました。
これに野見宿禰は見事に勝ち、このことから相撲の祖となった。』<株式会社 大社大工HP>
樹木に古木はないが、この森の主な樹種である「スダジイ」を中心に、センダン、サクラなど季節の花を意識した植生となっている.
左にお社、奥に土俵が見える。
ここも神苑と呼ばれる処か、美しい。

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『八雲山を源流とする素鵞川(そががわ)にかかる「祓橋(はらえばし)」を超えると、神域の中核に入る。
神様の世界にはいるのだと意識するのもよい。』<出雲大社 JTBパブリッシング>
「松の参道」
早朝で、橋の向こうにまっすぐに進む参道にはまだ日があたっていない。
参道を東にはずれ、神苑と呼ばれるエリアから一直線に並ぶ松の並木を眺める。
神社の参道で杉並木は良く見かける、これほど立派な松並木はそうそう出会えない。海が近いのでスギが育ち難いのか!?松も耐潮性のあるクロマツ。
江戸時代初期、松前藩が寄進した。樹齢は古いもので約350年から400年もある。
環境省巨樹巨木林DBによると最大のクロマツは、幹周 4.87m、樹高 35m!

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「杵那築(きなつき)の森」
高天原の神々は、この地集まり、「天日隅宮(あめのひつみのみや)」を造営した。
神々は杵を使って地面を固めた。その時に使った道具がいまだに地中に埋まっているらしい。
「那」は多くのや美しいという意味がある。
お社はもうない。
森そのものが、神聖な場所なので、それすらいらないのかもしれない。
ここもまた、東から陽が森に差し込み、神々しくみえた。
出雲大社の森はそう深くない、樹木も巨木や神木がある訳ではないが、
人がいない、初夏の出雲大社の森。静かな朝、気持ちの良い朝、神聖な朝。

「四の鳥居」を抜けて「拝殿」、「本殿」西側、「神楽殿」を静かに訪れた。

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2024年4月30日[記]

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