サクラの解説と人の関心
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■森林インストラクター会“愛”イベント「サクラの魅力再発見」東山植物園■
2019年4月6日(土)、森林インストラクター会“愛”主催の恒例「サクラの魅力再発見」でした。
今年は2年目、第三班で8人のお客様に、はじめてメインスピーカになりました。
天気は快晴、気温21度、ソメイヨシノが満開です!
例えば、ソメイヨシノ説明・・・
「時代は江戸末期、染井村の植木屋が園芸種として売り出した、最初の名前は吉野桜・・・当時、桜といえば山桜の吉野が有名だったから名前を借りたってわけだ」落語のような出だしです。
「園芸種だったので、クローンで増えている。 桜は自家不和合性といって、自分と同じ遺伝子を持つものとは授精しない仕組みをもっているからです」
「クローンは遺伝子の多様性に繋がらず、子孫の存続と考えて、他家受粉を採用する植物は結構ある。植物戦略の一つ」なんて説明をしていきます。
「母は伊豆や大島にあるオオシマザクラ、海沿いにあって耐潮性があって大柄、父親はエドヒガン、淡紅色で長寿。 その中間になってます。残念なのはエドヒガンの長寿は遺伝しなかった…」なんて続く。
それにしても、ソメイヨシノやオオシマザクラ系のサトザクラは見事な満開で、たくさんの人がいらして、立ち止まって説明するのがやりかたが苦労しました。
もともと、話好きなので、どうしても解説が長くなりがち、意識して短く説明しようとするが、うまく伝わっていない気がする。
話す立ち位置、お客の知りたいとか興味のあるポイントを外すと視線が泳ぐのが分かる…どうやってそれを捉えるか難しいものだと改めて思った。
なにが知りたいですかって聞く?それとも、話しながら探っていくのか、経験がその解を導くのか… 初めて会う人のNEEDSをどうやって把握するのか
悩もう! 悩むぞ!
そんな中、興味深い花を見つけた。
アマギヨシノ=天城吉野という桜、
母がエドヒガン、父がオオシマザクラ
ソメイヨシノの起源を研究する中で、偶然にできて品種らしい。父親と母親がテレコ。「吉野」の名前が付いた。
まっしろな大きな花弁で遠くからも目立つ、樹を埋め尽くすように咲く、
なんだか、存在感が光った。
最後は参加者の方々に、アンケートを書いてもらい。 桜餅で締めくくりです。
サクラは野生種が9種+1、2018年クマノザクラが発見されて、10種+1、交配と園芸種が進み、今や800種もあるそうだ。
そんな身近な桜が故に、解説は難しく、果てしない…
森林インストラクターという果て無い道に通じるような、そんな気がする。
ちなみに、桜餅の葉っぱはオオシマザクラ、毛がないので食べやすくクラマリンという香りの成分があり
…あぁ切りがない。
2019年4月6日 [記]
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