読図の山歩き
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■読図とは今を見つけ未来を予測すること■
初めて、地形図の読み方を人様に教える機会だった。
場所は春日井三山、参加者は「つみき」さん「さといも」さん。お二人は全く地図が読めない。さて、どう説明しようか。
まず、植物園内の緑の相談所にて、「山と高原地図」と国土地理院の「地形図」の特徴をご説明。
地図の基本は、地形図ということで国土地理院のHPから印刷したコピーをお渡しして・・・GO!
最初の写真は、植物園の池越し見える等高線と道樹山を見ながら、地図上の自分の位置と山の方角を確認。
磁北線が7度50分西に傾いており、そこにコンパスの北を合わせて、地図上の自分の位置を正確に割り出すのがポイントだが…
これが、まず うまく説明できないんだなぁ〜 まスタートからそんなことが出来る方が無理ってもので、ゆっくりね。
等高線は1メモリ高さ10m、1?で250mを頭に入れて、谷沿いの道からGO!
まずは、体感が大事なので、少し歩いてから、谷筋から尾根への急坂を登る。
標高差30mを水平距離にして50m、tangent30°か・・・角度30度の斜面
われながら、論理的な説明だ!
が、息が切れているのでチャンと説明でない。(笑)
道樹山を越えてからは、春日井三山の稜線を歩く。
稜線(山と山を結ぶ尾根道)を地図を眺めながら、アップダウンを確認。
地形図上は等高線の幅が長くなること、それに合わせて傾斜も緩やかになることを体感。
樹木からの日差しと、冬枯れの樹木の間から見える山々の景観が気持ち良い。
地図ばかり見て、三人で話し込んでいるので、心配性のおじさんが迷っていると思ったようで「どこに向かっているの?」と親切にお声がけいただく。
普通ならたいへんありがたい声かけだが、今日は「読図の勉強会なんです〜」と返事、「それは大事だね」と臆することないおじさんの反応。
なかなかの良い感じ。おじさんありがとう。
弥勒山の直下のコルで、山頂を眺める。
等高線が7つ(=70m)、それも間隔が狭い(急斜面)であることを確認
地形図を見て、自分の行く先を予測することをご理解いただく。
とか言って、いつも歩いている最後の登りが70mもあるとは知らなんだ
急なはずだ(笑)
写真には山の高まりが樹間から確認できるが、これが夏なら葉っぱで見通せない。
地図読みには、冬枯れの山は適しているなぁと、これまた一つ良いことを覚えた。
「予想通り」喘ぎ喘ぎ登って、山頂! なんと2時間半もかかった。倍 (笑)
山頂からの展望は、高層雲が掛かっているものの、山々は良く見えた。
東側は恵那山、中央アルプスは雲の中だが、御嶽、両白山地、美濃の山々、伊吹山、鈴鹿山脈
中部のスターが勢ぞろい
驚いたのは山頂の人の多さ、ちょうと昼時ではあるが、もうたくさんの人がいた。
地元民としてはちょっとうれしいような、悲しいような
下りは林道を歩く。
等高線をゆるやかに下る。
皆さん、地図を相当眺めてくれているので、自分の現在地が分かるようになっている
その先の山道もどんな感じ(急かそうでないか、曲がっているか直進か)など先読みも出来ている。
この短時間ですばらしい上達ぶり、教える私の腕も上がってきたに違いない。
しかし、ここに意外な壁があった。
林道は尾根と谷を交互にわたるのだが、尾根と谷の違いが等高線での読み取りが難しいと言う。
「山頂を基点に、等高線が出っ張っているのが尾根、山頂に向かって等高線が食い込んでいるのが谷」な訳だが
地図と地形を見比べながら、説明するものの、うまく伝わらない
これはいかんと、とある谷で立ち止まる。
相当長い時間、谷側を眺めてもらって、「この下っている谷をよく見て、等高線を頭の中で描いてみてください…ほらほら…」
お二人とも「んっ・・・・・・・・」・・・「そろそろ等高線が見えて来ませんか?」「・・・・・・・・・」
あまりの静かな間(ま)と山の静けさが合いまって、三人同時に爆笑。
なんとか、最後は「等高線が見えてきた(ような気がする)」と言っていただけて、一安心。
尾根と谷の説明がこんなに難しいとは・・・まだまだ修行が足りない。
今時、スマホのGPSで現在地が分かり地図アプリもあるので、読図がどこまで役に立つかは不明だが、
地図を読む力をつけるとGPSが狂っても自分で判断ができる、自分の先の地形がどうなっていてどんな道になるのか自分で分かる。
スマホの地図でも、読図ができればそれが出来る。紙の方が分かり易いけど・・・
「自分の立ち位置がわかれば、先の道を見通せる」なんて、おっさんの人生訓の様に、何回もいっているので、きっとドヤ顔になっていただろう(笑)
皆様最後のコメントは「地図を見て立体が想像できるようになりたい」とご興味を持ってもらった。
地図が読めるようになると、山歩きの楽しみが一つ増えるわけでもある。
植物園でお別れしてから、コンパスを購入なさたようだ、望外の喜び。
2020年1月25日 [記] 2月1日[改]
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