福井総合植物園プラントピア
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2018年5月31日(金)一福井県越前町立福井総合植物園プラントピアに行ってきました。
新・分県登山ガイド福井に『「自然の地形を活かした植物園」で一見の価値あり』とあった事と翌日の越前五山の山歩き前の予習のつもりでした。
入口に「カツラ」
カツラ科カツラ属の落葉高木、ブナ林域などの冷温帯の渓流などに多く見られる樹木。
なんといっても葉っぱがハート型で一目でわかります。福井に似つかわしい。
福井をはじめ日本海側の山を歩く時にブナと共に楽しみにしてしている木でもある。
入口で300円を払って、植物館に入ります。
平成21年に天皇皇后両陛下が訪問なさった写真がど〜んとあって、
日本列島の成り立ち、福井の位置づけから始まる。こんなマクロから入るのも良い。
福井の植生分布を東西から、つまり海から高山までの分布を開設してくれてます。
これもビジュアル的にもわかりやすく、なかなか良い。
日本海側の特徴的な植生についての解説も
写真はユキツバキとヤブツバキ、降雪に耐えるためにツバキは形状まで変化させて、生き抜く方法をわかりやすく説明してくれます。
不勉強で知らなかったのが、福井を北限及び南限にしている植物が多いこと
北東限:ヤマモモ(敦賀市)・ヒメユズリハ( 〃 )・クロバイ( 〃 )・カナクギノキ( 〃 )・ヤマイバラ(三方町)・アリドオシ( 〃 )・オオバヤドリギ( 〃 )・カナメモチ(大飯町)・クロガネモチ( 〃 )・コショウノキ( 〃 )・クマミズキ(名田庄村)・
ニシノヤマクワガタ( 〃 )
南西限:オクノコウリンウメモドキ(勝山市)・アオモリトドマツ( 〃 )・イワイチョウ( 〃 )・アオジクスノキ( 〃 )・タテヤマオウギ(大野市)・ミヤマネズ( 〃 )・ウダイカンバ( 〃 )・オクチョウジザクラ(和泉村)・ハクサンシヤクナゲ( 〃 )・トウゴクミツバツツジ( 〃 )・タマアジサイ(丸岡町)・ミヤマカワラハンノキ(池田町)・オオバツツジ(今立町)
先日、名古屋三越前の街路樹が「クロガネモチ」だったが、あれは北東限ということ!
東京の三越前にはないということか・・・自生種は(笑)
本園は25Haの広大なエリアに自然の地形を活かして、植物を植えてあります。
丘陵地帯の地形で谷側には湿性植物、その周辺には水辺を好むもの。もちろん、本来この地にあるものは「自生」と分かりやすくなっている。
ちょうど、春の花が終わり初夏の花が咲き始める端境期で多くの花を見れませんでしたが、なかなか面白い。
コアジサイが可愛く咲いていました。
ツツジ園は丘陵地にあり展望台もあります。
ヤマツツジはもちろんですが、まもなくシャクナゲも咲きます。
ハクサンシャクナゲもありました。福井が南西限だとは知りませんでしたが。
湿性植物エリアには湿原もあり、今はトキソウが咲き始め。
スイレンがシーズン、トンボも飛んでいます。
全体の造りがとても自然で、というか自然の山の中…自然地形をうまく活用してるなぁ。
翌日に吉野ケ岳を歩きました。福井の山で越前五山の一つ。
そこでタツナミソウを観ました。これ、たぶんホクリクタツナミソウです。新潟以西の日本海側にのみ自生している。
“毛深で、下唇に斑点がなく”、この山で見たものはみんな唇が白かったので印象的でした。
ペロっと舌出して、バレたって感じに見えてきます(笑)
実は、この花、この植物園でも紹介されていたのです。
2005年当時の園長が研究して気が付き、学会誌に発表、新種として認められらたそう。
なにげに、すっくと咲いているこの花は、世界広しといえどもこの当たりにしか咲いていないと言われると、見る目も変わります (笑)
植物の世界ってのは、面白い・・・その地の植物園に行ってからその地の山を歩くっていう手もありだな、こんな面白い体験ができるなら
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