グリーン系ガイドのこれから
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「3,188人」…22年度までの5年間、私が山や森や植物をご案内した累計人数となる。
20〜22年度はコロナ禍でイベントと参加者も減少しているし、諸事情で出席でできなかったイベントも考慮しても、年間平均640人程度のお客様と会話することになる。
中心イベントは森林インストラクターとして所属する会にガイドとして参加した結果の数字。
ボランティアなので無償でのガイド。
ガイド形式にもいくつかのパターンがあるので、ご紹介と所感と書いておこう・・・その後に「これから」について考える。
パターン1:行政が企画するイベントの一企画として、所属会が参加するもの。
参加費は無料で、季節も良く、大きい公園でやる場合が多いので、親子連れがたくさん来られる。300人から500名程度に参加いただける。
参加者が不特定多数なので、ガイドスタイルは一人1〜2本の担当樹木を決めて、そこに張り付いてガイドをする。クイズも出す。
オープン時間は10時〜14時の4時間で500人! めちゃくくちゃ忙しい〜、昼飯を食っている暇もない。
秋の週末をゆっくり過ごそうという親子連れが圧倒的に多い。
「面白そうなことやってるな、ちょっと参加するか」というお客様が多く、植物の不思議やトリビアなどをお伝えすると「面白かった」との感想をいただける方が大半。
ご近所で散歩に来られる方は「なにげない植物のことが少し分かって、散歩が楽しくなった」という方もいてとても充実したイベントになる。
広く浅く、多くの方に植物に興味を持ってもらうにはとても良いパターン
パターン2:単独のイベント。
ガイド方法は、同様に、担当樹木に張り付いてお客様に樹木ガイドをする。クイズも出す。
この写真は、真夏の山の中、立派な川が流れている自然が豊かな公園で、大好きな公園だが、お客様の確保が難しい。
ほとんどが親子連れだが、川で遊ぶことがメインとなり、酷暑下 森の中を歩く企画への参加者はすくない。30から40人くらいだろうか・・・前の愛知県企画にひすれば1/10以下。
ガイドも担当樹木の下でお客様を待つので、時間を持て余す。
真夏という季節、対象のお客様、ガイド方法・・・なにが良いのかを考えさせられる。
真夏は避ける? 川遊び以外のお客様のあるイベントとコラボする、人数がすくなければ一緒に歩きながらガイドする・・・つまり
良い季節と客層ターゲットを明確にして、大人数の場合は樹木は張り付き、少なければ同行しながらガイドするという企画であるべき・・・単独の場合はそれが大事
あまりの酷暑でお客様が集まらず、館内放送をお借りして宣伝したこともある。これはこれで良い経験だったが・・・
パターン3:事前申込制の企画でお金も少々頂くもの。
親子連れのお客様なので、事前にチラシやHPを見て興味を持って来てくれている。
事前申し込み制なので、お客様の興味と案内者の内容が事前にある程度のマッチングが出来ている事例。
事前申込制度で人数も少ないので、ガイドスタイルは1〜2名でチームを組んで全種を一緒に歩きながらご案内する。
季節も良い。天気も良い。時々の木漏れ日を感じながら森の空気を堪能しながらガイドする。
実は、お子様にガイドするのは苦手意識があったが、好条件がそろうと、お客様の満足度だけでなく説明者側の満足度も高い。
このパターンの時は、顧客ニーズと主催者が事前にマッチしているので良い。だだし、資料や内容はそれ相応でなければならない。
パターン4:パターン1とパターン3の組み合わせ。行政主催+事前申込制の企画+クラフト工作がオプションである。
都市公園が専門の女子大学生のグループを案内するという当たり会だったこともある。
・・・ちがう、話題から逸れるので、閑話休題・・・(笑)
オプションのクラフトのメインターゲットはお子様。
大人気は、植物の種子で翼をもってグライダーにように滑空する原理を説明した上で作るグライダーっぽい紙飛行機。
子供は動くものが好きだ、事前申込+ターゲットを絞った企画があったので最強の組み合わせ。
上手に飛ばす私を「羨望の眼」で見る子供達の顔、喜々として飛行機を飛ばす顔が今でも忘れられない。 顔をボカシてあるのでそこまでわからないが・・・
但し、これを上手くこなすには、子供が喜ぶクラフト作成技術が必要
・・・あまり得意ではないので、事前に先生にならって、何回か練習する。
これは最強パターンかも、興味を持って申し込みをする方も他イベントがあるのでその日の魅力度が上がる!
パターン5:有料の公園がイベントをしている期間内に、コラボした当日募集の企画
名古屋の東山公園にサクラ園で、サクラの講座を聞いていただいた後に、桜の自然観察ガイドがセットになった恒例企画。
なにせ、サクラの季節にサクラの園の近くで受付をしているので、事前応募制ではないが、お客様のニーズと説明側の内容はだいたいマッチしている。
あいにく小雨交じりの天気で、客足も優れなかったが、入口近くで「客引き」も担当するとお客様も集まった。
これで客引きの技術も身に付いたに違いない。自分で言うものでもないが、短い時間で人の興味を引く言葉を話すのは得意!?なのだ(笑)
但し、これをこなすにはサクラの知識が必要となる。そう簡単ではない、日々の勉強と経験が大切になる。
パターン5はパターン4に近く、なかなか良いパターン
こうやって振り返ると、お客様にとっては、「季節」・「場所」・「マッチング」が大事なことが良く分かる。
ボランティアガイドの場合は、参加者も無料(あっても材料費や資料費)なので、費やした時間分の価値があれば、お客様は満足いただけるはず。
上述したボランティアガイドは、おおよそ1時間が多い。客様にいただく1時間の付加価値はどうだろう、常にそれを意識しておかねばと思う。
さて、さらにハードルが上がるのが有料ガイドとなるとどうだろう。
愛知県が主催する「有料ガイドセミナー」を受けた。 「モニターツアー」もさせていただいた、ありがたいことだ。
ボランティアとの心構えの違い、モニターツアーでのご指摘などなど、とても勉強になった。主催した愛知県さんと熱心にご指導いただいた旅行社の方々に感謝したい。
『有料ガイドにとって、一番大事なのは「知識」+「話す内容」+「伝え方」という要素と、お客様の「興味」+「知らない事」+「感動する事」という要素がマッチして
「対価に見合ったそれ以上の付加価値」を得ていただく事』が肝となる。
そして、
今までのボランティア活動で、改めて思ったのは、自分が活かせる分野(=「知識」と「話す内容」)は「山歩き」関する事だと思いが至る。
高校時代より山歩きが好きで、その延長線上に今もいる。
山にあるすべて、地形・地質・植物・動物・気象などなどは高校時代から興味も持っているし、知識がどんどん深まっている。
これを題材にして、「有料ガイド」も目指したい。
「ボランティアガイド」は続ける、不特定多数の人に自然を知ってもらう裾野を広げる、さらに興味がある人には「有料ガイド」を利用して更に理解を深めてもらう。
そんなシステムが良い。
ガイドを通じて、自然の不思議や魅力を感じていただき、関心をもっていただくようになれば、そんな人が増えていけば、人と自然との距離がもっと短くなるのでは、
それが自然との共存に繋がっていくはずだと思い始めた。
数字で考えてみよう、冒頭の1,000人/年のボランティア活動で興味をもってもらう、10%が有料ガイドを選んでいただくとすると100人が自然の事を考えて頂けるようになる。
1年で100人、10年やれば1,000人・・・ぜんぜん足りない(笑)
いやいや、一人でやろうと思うな。そんな仲間を増やしていく、1,000人の仲間を作る、そうすると1,000x100人/年x10年=1,000,000(=百万人)
ここまで増えればSNSと口コミで拡散していき、100倍にはなる、つまり1億人だ! 日本の人口に近づいたぞ(笑)
さて、まずは年間100人を目標に自分磨きとガイドをガンバロー!
2022年7月30日 [記] 2023年4月15日[改]
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