あいち森林インストラクター会資格 支援講座2024

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森林インストラクターという資格は受験者は2005年以前は1,000人を超えていた。合格者は200人程度なので合格率も低かった。
大局的に見れば受験者数は減少傾向にある。グラフは2014年からだが、そこから2020年までは減少傾向で、2022年までは横ばいと推移している。 横ばいはコロナ禍時期に合致するので、それが原因しているのか、全国では受験者2023年は上昇に転じている。この傾向が続くことを願っている。
愛知県に特化すると、受験者は不明だが、合格者は2022年は合格者「ゼロ」。
人工規模と恵まれた自然環境を考えれば、この数字は衝撃的な数字に思える。
全国会でなく地域会である「あいち森林インストラクター会」も危機感を持って、2023年から資格支援講座を開始した。

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2024年は講師を務めた。
資格試験は、4つのカテゴリーがあり「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全と教育」。
この中で、「森林」の一部、「森林土壌と物質循環」「森林の法令」の2つが担当となった。
講座受講者は4名、全員が今年(2024年:R7)の試験を受けるという。がんばってほしい。
この2つのパートは資格取得後も、あまり使わない分野なので復習!?がたいへんだったが、とても勉強になった。

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森林土壌の定義から始まり、研究史、調査方法、地球単位の土壌分布、日本の土壌、土壌を介した物資循環〜炭素、水、ミネラル・・・と
テキストがあるので、そこのKeyWordをピックアップしていかにそれを理解してもらうか。
過去問題の傾向を見て、その特徴も説明をしながらポイントを理解いただく。
「日本の土壌種類は8種類ある」
ポドゾル、褐色森林土・・・どんな特徴があって、これは試験に出る、過去問はここに集中しているなどと説明する。
ポドゾルと泥炭土の違いが良く分からない、どうやって説明しようか悩む。
土壌の分解度を表すに「C(炭素)/N(窒素)比」を使う。
炭素は二酸化炭素として植物が取り込み栄養とする、腐敗して微生物に分解されると二酸化炭素として大気に戻る。
窒素はアミノ酸やたんぱく質など光合成による植物の生長を促進する栄養素。
窒素は微生物を通して植物に渡されるが、分解する炭素などの栄養素が少ない(=腐敗物が少ない)と微生物も生きているので窒素が必要で、窒素不足になる。
かように、炭素と窒素のバランスの違いで分解のスピードが違うというのだが・・・これを理解して、更に説明するのは難しい!

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「森林の法令」
これは覚えてだけと言えば覚えるだけ。問題も〇×問題が多いので、対策はシンプル。
〇×を侮ってはいきない、ひっかけが良くある。
「林地開発許可制度」の適用面積は1ha以上で太陽光だけは0.5ha以上・・・そんな数字が文章の中に入っているので、この数字は覚えておく必要がある。
このパートのもう一つのポイントは法律は変化するので最新情報を把握しておくこと。
2024年度から森林環境税が1人1000円かかってくる。アンテナも常に高くする必要がある。
ここは問題予想もお伝えした。
2024年は自然公園法によって定めらる国立公園が指定されてから90年目に当たる記念年!?
『きっと「国立公園に指定された最初の3エリア」とか「国立公園が34」あることなど覚えておいた方がよいですよ〜』
さて、出るかどうか楽しみ楽しみ。

受講生4人は真剣に聞いいた。どこまでお役に立てるかはわからない。
が、事前に勉強をして資料をパワーポイントで作り、説明の練習をして、知識が増えた。そして、それなりに説明できた。
この分野の理解が深まり、試験のお役にたったならこんなにやりがいのあることはない。
なにより、
受講生でなく自分のためになった。普段あまり考えない「森林土壌」、「森林の法令」の知識は、今後の活動の間違いなく活かせる。
地形や地質はそれなりに楽しいがそれを構成する土壌が分かれば更に理解が深まる。
法令も、自然観察をする場所やガイド方法のバックグラウンドに間違いなくなる。
自分の実力が高まれば、案内する人を引き付ける確率が高くなり。
それを聞いた人が自然に興味をもってくれれば、それは長い目で見れば、森が大切にされ、そして豊かになり・・・きっと、森林インストラクターの受験者も増えるだろう。
そんなことを感じた貴重な経験だった。
2024年7月14日 [講義日]  2023年7月20日[記]

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