海藻とは何者か!?

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「海藻(かいそう)」
藻類の中で肉眼で確認できる海産物種群。潮間間から深さ数十mの生息する。
ほとんどの種は海底で根のような構造で固着、光合成で成長し、胞子や卵で増殖する。
世界には約2万種、日本には1,489種(国立科学博物館>日本の海藻)、熱帯より寒い海ほど大型が多くなる傾向にある。
植物なのに「根」がないのは、養分を土壌から取る必要がないということ
・・・光合成と海水から必要な栄養は取れるからか・・・なるほど! 興味深い。
写真は能登 内海での観察会時のもの。
浅いところからちょっと深い場所まで海藻を見ることができる豊かな海。

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「アオサ」
緑藻植物門アオサ目アオサ科アオサ属
潮の満ち引きのある浅い岩などに生殖・繁殖する。
日本沿岸の多くに生息し、緑色をした膜状で幅と長さは20cmから30cmほど。 
名前は青い「藻(くさ)」がアオサとなる。

成長が早いが故に緑潮とよばれる大量発生で漁業に悪影響を与えたり、海水中の炭素や窒素、リン、栄養塩などを効率よく吸収するため、海水の浄化に寄与している一面も持つ(Wikipedea)
みそ汁の具材、粉ものの青海苔の原材料で生活にも身近な海藻でもある。
写真は波で打ち上げられたアオサ。砂浜に打ち上げ海藻としても良く見かける。
色は緑色、それも鮮やかな緑色。クロロフィルで光合成をしているので緑色に違いない。
陸上の植物の葉っぱはほとんどが緑色、理屈はそれと同じ。

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「ウミトラノオ」
褐藻植物門ホンダワラ目ホンダワラ科
日本各地から東シナ海に広く生息、潮間下部の岩場に著しい群落をつくる。
多くは長さ数十cmだが1mになることもある。茎は短く主枝から多数の小枝が出て、線上の葉が密生している。
間に紡錘形の気泡が混ざり、成熟期には円柱状の生殖器托が出来る。(ブリタニカ国際大百科事典HP)
ご案内いただいた能登里海教育研究所の先生曰く「海藻に気泡はつきもので、茎を持ち上げて太陽の陽を受けるように全体を絶たせる機能がある」
これも、なるほど海の植物が故の生存戦略かと感心。
名前は陸上のタデ科イブキトラノオと同様に「トラの尾」からきているのだろう。

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ここで気が付いたのが、「色」
アオサは緑で、ウミトラノオは黒にみえる。後者は成長してくると褐黄になるらしい。
陸上植物はたいてい緑なのに・・・海の藻はすべてが緑とは限らない。深くなると太陽光が届かなくなるので緑でなくなるのか!?
「緑藻 褐藻 紅藻」
分類が「色」で始まる。
海が浅い場所は緑藻が多いので、海岸から見ると緑藻がたいはんを占めていると思いがちだが
海に潜れば、褐色と紅藻が圧倒的に多いことに気が付く。

アオサは緑藻、ウミトラノオは褐藻、ワカメは実は褐藻に属している。

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実に面白いので、ネットで調べてみると 太陽光と光合成色素が関係していた。
緑藻に含まれるクロロフィルはほとんどの色を吸収する。緑は分子構造が理由で全部は取り込めずに反射するので外からは「緑色」に見える。
陸上の植物や浅い海辺の海藻にも当てはまる。
少し深くなると、太陽光の波長が長い赤系統は水を通過しにくくなるらしい。
褐藻は、クコキサンチンというカロテノイドの一種も持っている。これも光合成色素。
青系を吸収して光合成をする。よって残った黄色系を反射して「褐色や黄色」に見える。
ワカメは褐藻で、熱を加えるとカロテノイドが壊れてクロロフィルが目立つようになるので、緑色のイメージがあるらしい。
紅藻はフィコエリスリン なる色素を多く持っていて、これは緑系の色を吸収できるらしい。よって残った「赤色」が見えるという仕組み。
水は赤系を吸収するといいながらも藻が生きていける水深20m辺りならまだ十分な光が届くのだろう。
ちなみに、アマモは砂地に根をはる種子植物なので藻類ではない。呼び名も海藻(かいそう)でなく海草(かいそう)と呼んで区別する。知らなかった。

青や紫など(波長が短い!?)は水の中でも直進性があるらしく、海深くまで到達するので、「海は青い、深いほど濃くなる」
・・・実に興味深い色の届き方!

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陸上の植物しか勉強してこなかったが、海の植物も知らない世界が広がっている。
海藻は陸上植物の元になった植物群。上陸してコケ類、シダ類、種子植物と変化と選択を経て今に至る。
陸上は、脱水との闘い、厳しい環境に耐える丈夫な構造、根から必要な養分を取組み全身に輸送する機能など様々な変化が必要だった。
アマモなどの海草は海に戻っていった種子植物らしい。(植物生理学会Q&A要約)

陸上の植物を知るには、海中や水中の植物のことをもっと深く知る必要があるのかも・・・と思うが海に潜って実物を見たいがその勇気はなく。
当分は海辺から時々は海藻を眺めてみることにしよう。
写真は、能登での里海勉強会に参加したメンバーから頂いた。海藻への関心もそんな向学心が強い仲間の影響だろう。
なにより、能登は風光明媚、魚介類が飛び切り旨い! 
「私も能登を応援します」宣言通り、「海藻」の勉強の切っ掛けをくれた能登に恩返しを継続したい。

2025年3月16日[記]

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