蝶とは何者なのか!?

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アゲハチョウ科「ウスバアゲハチョウ」という。
6月伊吹山北尾根(標高1000m辺り)で、カッコ良く滑降して止まったところを撮影。ふらふらせずに、滑降していたので印象深い。
見た目も白と黒でシンプル、何と言ってもハネ(前翅:ぜんしと後翅:こうし)が薄くて透けて見える。
見たことのない綺麗なチョウだった。
北方系の原始的なチョウらしく、北海道では平地にいるが中部辺りだと山地にいるらしい。
昆虫の中でも、チョウは一番人気。その美しさに人は惹きつけられる。
花と同じに、蝶(チョウ)は愛でられる存在になっているのも解かる気がした。

チョウは昆虫類の分類で「チョウ目」になる。ガもチョウ目。チョウとガは生物学的には区別はないらしいが、いわゆるチョウは全体の4%しかない。280種類、土着は250種類。ガが圧倒的に多い。
“昼動いて、停まると翅(ハネ)を閉じる”がチョウの素人理解だが、例外がたくさんあって、もっとも分かり易いのが、「触角の先端が膨らんでいる」のがチョウらしい。(FIA講座「蝶と森林について」小野先生)
分類はそう多くない、「チョウ目」には「アゲハチョウ上科」と「セセリチョウ上科」、
前者には「アゲハチョウ科」「シロチョウ科」「シジミチョウ科」「タテハチョウ科」
後者には「セセリチョウ科」、全部で5科
ウスバアゲハはアゲハチョウ科・・・大型で後翅に大きな突起があるのが特徴、ウスバには突起がないけどね。 

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これも美しい!
アゲハチョウ科「ギフチョウ」:愛知春日井の里山、標高400m辺り。後翅に突起がある。
近くの里山で見ることが出来る幸せ。
昔は里山にたくさんいたらしい。吸蜜植物はカタクリやスミレ、ツツジ類。里山の荒廃、シカによる下層植物の激減などで固体数が激減している種、絶滅危惧二類。
アゲハチョウの仲間は、植物との関係も興味深い。アゲハは赤色が見える。ハチやハエは見えない。よって、ツツジなどの赤色系の植物の蜜を独占できる。
植物もそれを狙って進化しているとの説もあり、食草といい吸蜜食物といいその相関関係は実に面白い。

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アゲハチョウ科「キアゲハ」:9月 笠松山 標高1300m辺り。
これはちゃんと!? 尾状突起が付いている・・・アゲハだ。
マツムシソウ咲くお山の山頂で迅速に飛んでいた。
ここに限らすお山では結構見かける。ポピュラーな美しいアゲハチョウ。
おそらく夏型♂ ♀なら表はもっと暗色だろう。腹端部がとがっているのもオスか!?

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アゲハチョウ科「ミヤマカラスアゲハ」:夏 御泉水自然園 標高1830m。
高山植物のマルバタケブキで吸蜜している。
大型で尾状突起が目立つ、青緑色の鱗粉が広がり美しく輝く、特に夏型♀は後翅に怪しい青紫と赤斑点が美しい。

チョウが美しいのは、異性の気を引くため、チョウはオスだけでなくメスも美しい。
模様はウロコ状の鱗粉が描く点描、匂いもあって異性を誘う。午前に蜜をすって、午後には異性を探して飛び回る傾向にあるらしい。
ある種は異性の気を惹くために、ある種は自らの毒を捕食者に知らせる警告色のために、またある種は有毒種に似せて捕食者を欺くために、鮮やかな色彩に進化させたと考えられている。(「森と水の郷 秋田」HP)

停まった時に翅を閉じて裏側をみせ目立たないようにするのも、捕食者の眼をくらますためだろう。
昼に行動することのリスクを様々な方法で回避して、明るくと良く見える内に異性を探し繁殖をするという戦略。 
ただ単に、無警戒にのんびりと昼間にひらひらと飛んでいる訳ではない。
アゲハチョウの行動範囲は、「チョウ道」という特定のルートを持っているらしい。花を探し蜜を吸い、メスを探し、交尾するという行動パターンのルート。
山頂や稜線でメスを探す習性、山頂占有性という・・・なるほど。

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これは、タテハチョウ科「サカハチョウ」:タテハチョウ科、
福井と岐阜の県境、越美山地で見た。ヒヨドリバナの蜜を吸っている。
タテハチョウは翅を立てて留まるのが特徴。
表と裏のギャップが大きい種が多いらしい。
 
たぶん「ハ」の字を逆さまにした模様があるのでそう呼ばれている。ウスバアゲハもそうだが、名前の付け方がシンプル。
蝶には、季節型といって、春と夏などに2回の生まれるものもある。これは夏型で、春型は模様がもっと複雑のようだ。

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タテハチョウ科「ヒオドシチョウ」:3月、山梨の高川山山頂、標高1000m付近。
これも、裏はまるで老木のような擬態。表は、紫の縁取りに明るいオレンジと黒斑・・・越冬したのか翅はボロボロ・・・だが美しい。
越冬後は山頂や稜線でよく見かける(日本のチョウ)
大きいのと小さいのが並んでいるが、メスとオスだろうか・・・仲良く越冬?!
緋縅(ひおどし)とは戦国時代の甲冑の肩の部分に似ているのが由来らしい。
これも見た目から名付けられた。 タテハチョウの仲間は表と裏のギャップが大きい種が多いらしい。 
これも、裏はまるで老木のような擬態。表は、紫の縁取りに明るいオレンジと黒斑・・・越冬したのか翅はボロボロ・・・だが美しい。
越冬後は山頂や稜線でよく見かける(日本のチョウ)
大きいのと小さいのが並んでいるが、メスとオスだろうか・・・仲良く越冬?!
緋縅(ひおどし)とは戦国時代の甲冑の肩の部分に似ているのが由来らしい。
これも見た目から名付けられた。

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タテハチョウ科「ヤマウラギンヒョウモン」:白樺湖の東側 姫の木平、標高1300m辺り。
サトウラギンヒョウモンもいるが、標高が高いのでこちらだろう。 絶滅危惧種IA種「オオウラギンヒョウモン」にも似るがきっと違う・・・素人には違いがわからん。
裏が地味で表は「ヒョウ柄」なのでこの名前がある。これも名付けは分かり易い。

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タテハチョウ科ジャノメチョウ属「ヒメキマダラヒカゲ」
8月中央アルプスの烏帽子岳への尾根道途上、結構見かけた。標高は1600m辺り。
本州では標高1000m以上のササの生える落葉広葉樹〜常緑針葉樹に生息する。
いわゆる「ジャノメチョウ」
翅の白丸が蛇の目に似せている!? 捕食者がそれでひるむのだろうか?

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タテハチョウ科「アサギマダラ」:蝶々深山の麓、1700m辺り。ヒヨドリソウと。
スジグロカバマダラ」:タテハチョウ科、八重山諸島黒島、海岸近く、キク科の野草と。
アサギは「浅葱色」、マダラは「黒い斑(マダラ)」が由来、相変わらず 名付けは分かり易い。
最大の特徴は、アサギマダラは在来種で唯一の「渡り」チョウだということ。 春に北へ、南方から北へ、2000kmを飛ぶこともある。「チョウ道」は半端なく長い!
夏に山地の樹林内で滞在・発生、頂上付近に集まる。秋に南下する。(「フィールドガイド日本のチョウ」)
1980年代よりマーキング活動が活発になっているが、なぜそんな長距離を渡るのか等、謎はまだ解明させていない。
温度が24度辺りを狙って北へ南へ移動しているとの説もある。そういえば、蓼科で見たのも盛夏、昼間は24度だったかもしれない。
スジグロカバマダラは八重山に土着しているが、稀に迷チョウとして吸収や本州の海岸沿いで見られるらしい。移動性が高いらしいが…「渡り」はしない。

チョウの住みかは、森の縁、疎林、草原、明るい場所に多いらしい。
幼虫は基本的に決まった植物を食べる。これを「食草」という。
モンシロチョウのイメージがキャベツやブロッコリー畑に多いのはその為、アゲハ類はミカン科、国蝶のオオムラサキはエノキらしい。
大きな樹木より若い樹木が好きなようだ。意外にも、ナラ枯れは大きな樹が枯れるので、チョウへの影響は少ないとの意見も。(FIA講座 小野先生)

「アゲハチョウの幼虫は、祖先種が生まれた時から偏食で、特定の科の植物しか食べなかった。
原始的なアゲハチョウの種は、ウマノスズクサ科植物を食べていたが、その後クスノキ科に移ってアオスジアゲハ族が生まれ、
ミカン科に移ったものはアゲハチョウ族として発展。最後にミカン科からセリ科植物に食草転換し、北半球に大発展を遂げたキアゲハ亜属が出現した。
食草を変えることは、生息環境や産卵行動、さらには世代交代の時期や時間までを変化させ、元の種との間に性的な隔離を生じさせて、種分化に至ると考えられている。」(「森と水の郷 秋田」HP)
植物とチョウの進化についての興味深い情報だ。

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ご紹介していない「科」はあと3つ。簡単にご紹介。
シロチョウ科:白や黄色が基調の色、幼虫はイモムシ、和名には最後にチョウとつく…「スジグロチョウ
シジミチョウ科:小型のチョウ、幼虫はワラジムシ型、アリとの共生関係がある…「ツバメシジミ
セセリチョウ科:全体的にずんぐりした体型でガと間違われる…「ヒメキマダラセセリ

最後に、チョウマニアのお目当てにゼフィルスという種類のシジミチョウ科の一群がいる。
ブナ科の樹上で生活しているらしく、成虫期間も1ケ月、簡単にはお目にかららない。よって、遭遇したこともないし、写真もない。
美しい花同様に、美しチョウ。それほどに人を魅了するなら、ぜひ見てみたい!

チョウは、分布域を決める緯度と地形、植物との密接な関係と・・・勉強をはじめると底なしに深い。
底なしだが、摩訶不思議なチョウの世界をもっと覗いてみたくなった。

2022年2月20日[記] 2024年10月4日[ヒメキマダラヒカゲ追加]〜FIA講座「蝶と森林について」に触発されて

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