大空からの雲
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日本やアジアはもちろん、欧州、北米、南米、アフリカ…世界中の空を仕事で飛んだ。
私にとって飛行機はただの移動手段だ。
食事は栄養分の補給にすぎず、スクリーンのエンタメですら時間つぶしに過ぎない。
唯一の楽しみは、窓からの景色を楽しむこと。
普段は見れない窓からの異空間を眺めることが、最高のエンターテイメントだ!
飛行機は高いところで約1万メートル上空を飛ぶ。10Km。
地球を取り巻く大気は、約120km、
熱圏、中間圏、成層圏とつづき、地表に一番近いのが対流圏
高さにして中緯度辺りで約11km。名前の通り、この圏内は大気の動きが激しく、「雲」が出来る。
ほぼ飛行機の高度と同じ高さ
たいていの雲は眼下またはほぼ同じ目線位置にみえることのになります。
それも地表からの視点でなく、まったく正反対の裏の位置から見ることができる。
大気の状態で様々な姿となり…これが楽しい!
<積乱雲>
東南アジア上空、雄大な積乱雲、すさまじい上昇気流が雲を発達されて成長、
時々にカミナリが光りとどろき、中の通過は危険なのだろう飛行機も避ける。
真横を通ったが、まだまだ見上げるほどの大きさで大迫力。
言わば「天空の城ラピュタ」で呼ぶ「竜の巣」か
気象学的には、上昇気流の限界で雲の上部が水平に広がる。あの面が対流圏界面、成層圏との境。
この辺りは低緯度なので、その高さは17kmもあるという。
<高積雲>
地上から見える雲の上にも雲はある。中層つまり2km〜7kmに出来る。
低層に雲があるとき、中層以上の雲は飛行機からしか見ることができない。
うっすらと白い層状の雲に浮かぶ綺麗に見える高積雲の群れは
大空の雲に浮かぶ、白い島のよう。
地上からは見えない上空には、こんな世界もある。
<積雲>
時には海がキラキラと輝が見えることがあります。
きっと上空は安定しているのでしょう。
良く見ると一つ一つの雲が隊列を組んでいるのはわかります。低層に広がる積雲。地表から2km辺りに出来る。
風が流れる方向に雲もゆっくりと動いているのです。
撮った季節は夏ですから、洋上から眺めている人もいたに違いありません。
積雲は通称、わたぐも。飛行機からは離れていてそうは見えないが、
どんな風に見えていたのか…想像するのも楽しい。
<層積雲と積雲>
雲の層のように積み重なり層積雲、積雲も巻き込まれているの違いない。
きっと地上からは真っ白な雲が層状に敷き詰められて見えている。
空港へ向かい下降中、紀伊半島の上空辺り、陸上に入ると雲が出来ることが多い。
この日は上空の風が強いのだろう
太平洋の水蒸気が紀伊半島の山にぶつかり、雲を造りそれが折り重なっているのかなぁ
なんて想像する。
風が強い証明か、奥の積雲の雲状にレンズ雲が出来ている。
雲の山にレンズ雲。珍しい。
<前線の積乱雲>
天気図を見ていたら、飛行線上は寒冷前線が通過中。
これはまさに、前線の真上!?
暖気の上に寒気が乗り上げ 積乱雲が面上に昼がっている!?
そう思えば、積乱雲が黒っぽく見えるのも納得
雲の下は豪雨
雲の形状も風任せ…興味深い
佐渡沖、雲の流れが湾曲してS字になるもの、流れる空気のスペードが違うのか!?
ヨーロッパの平原上空、山も何もないこの地にどうやってこの雲ができるのか!?
なにかの理由で雲が詰まって、雲のエリアとないエリアがクリアに分かれている。
雲の下の畑の感じが中欧らしい。
空気の流れの不思議が作る雲といえば…
こんな真一直線の気持ち良い隊列にも出会いました。
積雲も流れたいが、左右の空気が動かず、一方向に流れたか
朝日をあびる瀬戸内、あまりに綺麗にまっすにに伸びる雲、どこまでも…
正月、ハート型の祝島を横切ります、新年から気持ちよくなる そんな雲です。
風に流れる大きな積乱雲。
大きなジェットストリームがあるのか。
積乱雲の上部が風になびいています。
左側から巻層雲も同じく、大きな風に流されている。
垂直方向にも風に流れに差があることが非常によくわかる風景です。
ダイナミックな見えない空気の動きが分かって、面白い。
その時々の心の持ちようで、印象に残っている雲景色もある。
東北へ向かう飛行機からみた富士山と雲です。
まだ残暑が厳しいのでしょう、松尾芭蕉のいう「雲の峰」を突き出て富士山が望めます。
結構、気に入っている写真
「雲の峰 孤高の富士の 雄大さ」
巻層雲による対流圏界だろう、飛行機とほぼ同じ高さ
対流圏と成層圏の境目。ゆらゆらと雲が流れる。
飛行機はその雲の上を船の様に音もたてずに滑るように飛ぶ。雲も手ですくえそうな、そんな感じ。
ドライアイス上を飛行機は滑走し、昇華した二酸化炭素が流れる…そう、そんな感じ。
気温は−50℃、空気は地上の五分の一。どんな世界だろう。
この上は雲が存在しえないエリア。
濃厚な色の成層圏は、宇宙へ繋がっていることを意識させてくれる。
疲れた海外出張、夜を飛行機で過ごす。
乗客は皆夢のかなで、飛行機のエンジン音が静かに響く。
シベリアの上空。
ふと、窓を見上げると、朝日が正に今、高層のうすい層雲から昇ってくる。
濃紺の宇宙、朝日、朝日に染まる層雲の赤から紫のグラジュエーション
カメラはヘボいデジカメ、ヘボいカメラマン、よって写真はしょぼい。
ああ、あの東に故郷があって、そこに帰る。
生涯忘れぬ、朝日と空と雲。
2013年11月3日<記> 2020年1月11日<改>
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