鏡平と弓折岳【2588m】

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2007年8月12日(日)〜13日(月)、暑すぎるほどの快晴。
盆休みに北アルプスに登りました、花の百名山“弓折岳(2588m)”。
鏡平からの槍ヶ岳・穂高の雄姿、期待にたがわぬこの絶景とお花畑。

鏡池と槍ヶ岳 
槍や穂高が一番荒らしくみえるこの北アルプスの奥座敷
鏡池と槍ヶ岳の倒影の図、このコースで最も有名な構造です。
ルートマップ
初日:新穂高温泉〜左俣林道〜小池新道〜イタドリヶ原〜シシウドヶ原〜鏡平(泊)
2日目:鏡平〜弓折岳〜(上記ルート)〜新穂高温泉。
蒲田川の流れ
左俣林道は味気ない、2時間ほどの歩きが必要です。
右側に風穴があったり、夏の花が咲いてはいますが、工事用車両が通る林道です。
左側を流れる蒲田川は巨岩と深い緑を映し、美しい。
登山口
ここが実質上の北アルプスへの登山口
真ん中奥に弓折岳、その奥には北アルプスの峰峰が広がっている。
秩父沢 登山道から約1時間で秩父沢です。
この夏は本当に暑かった、ここも蒸し暑く、ここまでで相当ばてています。
笠が岳の秩父平を源流としてこの流れ。
雪渓と山から下りる風があいまって、たいへん涼しい。
イタドリヶ原
標高もこのあたりから相当上がってきます。
景観も北アルプスの雄姿が見え始めます。
槍ヶ岳 東鎌尾根
あこがれの槍ガ岳が見え始めます。
疲れながらも感動の一瞬です。
それも、いつかは行きたい双六岳から伸びる東鎌尾根。
初めてみるこの尾根は本当に長い、本当に1日行程らしい。

焼岳と乗鞍
振り向けば、焼岳とその向うに乗鞍がくっきりです!
梅雨が遅かった分、快晴がこの時期まで続き、天気は安定しています。
シシウドヶ原 標高も2000mあたりとなり、相当高度感を感じることができます。
ここで、身体も相当へたばっています。
休み休み登ります、日陰もあまりなく、休む場所探しもたいへんでした。

ミヤマシシウド
これが、ミヤマシシウド!
たいへん立派で、高さはたぶん1mを超えます。
照りつける太陽にすっくと伸びるこの大型の草。
可憐な高山植物が多い中、たいへん目立つ草木です。

急高を乗り越え鏡平へ
山を右に巻き、最後の急登りを登ると湿原にでます。
ここが鏡平です。
鏡平山荘
西に抜戸岳〜弓折岳、北に双六岳〜西鎌尾根、東に槍穂高が一望です。
池と湿地帯や花が豊かな平原状の台地です。
テント泊は取りやめて、この山荘泊まりとします。
二人で布団一枚、食事は4回に分ける混みよう!
イビキがうるさくて、良く眠れませんでし。

鏡池と穂高連峰
先頭写真に槍ガ岳と鏡池を撮りましたが、穂高もよく見えます。
秋の槍穂高と投影が有名らしい。
それでもたくさんのカメラマンが写真を撮っていました。
夕日を浴びる槍ガ岳
夕日で赤くもえる槍ガ岳も有名な一こまらしい。
アルプスの少女ハイジもアルムの山が夕日に染まるのに感動した「ペーター!山が燃えれる!」と叫んでいたことを思い出しました。
私もそんな感動をできるかと、他大勢のギャラリーと薮蚊と戦いながら待ちましたが・・・。
ここ数日、夕方になると雲が湧いてきて、雲で隠れてしますらしい。
この日もやっとこさ顔を出した槍ガ岳を撮りました。


朝日に輝く槍ガ岳
翌朝は弓折岳へ登ります。
山頂からの槍穂高の絶景の様子は、田中澄江さんの“花の百名山”が秀逸なので引用させていただきます。
「槍から穂高の峰々が峨々たる峻嶺を重ね、鳥も通わぬと昔の山の民をおせれさせた滝谷の、息をのむばかりの険崖もすぐ眼の前に、容易に人を寄せつけぬ鋭さを誇っている。」

朝日を浴びる焼岳・乗鞍
朝日を浴びたばかりの焼岳と乗鞍。
眼下に左俣谷を見下ろすことができます。

ハクサンイチゲ
たくさんの高山植物を見ることができました。
代表的な群落を造る高山植物。
花弁に見える白は実はガク。
こんな群落(実際はもっと広い)は初めてで感動した。
イワトギリ
岩弟斬、オトギリソウの高山型です。
蕾の赤と花開いたときの黄色が同時にあり、なにか印象的でした。
イワギキョウ
形の良い紫色が印象的です。
キオン この黄色い花も房状で高原に映えます。
ヤマハハコ
白い小さい花の集合体です。
ぱっとみはいまひとつですが、一つ一つは美しい。
クルマユリ
深山に生える多年草。
思ったより小さく、特に艶があり、とても艶やかでした。
こんなにつやつやしているなんて、実物を見て初めて知った。
ミヤマキンポウゲ
これも群落を造っています。
金属的な光沢が特徴。
ミヤマリンドウ
小さな花ですが、形良く咲いています。

チングルマの実
白い花弁と黄色い雄蕊の花が有名ですが、花のあとはこうなります。
子供の風車ににていることから、“稚児車”から来ているらしい。

コバイケイソウ
これが一番の群落を造っていました。
葉の形成の仕方もユニークです。

ミヤマクロユリ
ユリ科バイモ属。
朝日を浴びた花弁が透き通って美しかった。
透けた花とバックの穂高を撮ろうとはいつくばって挑戦しましたが、ここどまりでした。

ウサギギク
でかいタンポポの花か!と昔は思っていました。
昨年、千丈ヶ岳で見かけ、覚えた花です。
高山植物らしくなく、ぱっちりした花です。

ミヤマトリカブト
高校時代に覚えた花トリカブト。
紫色と毒持ちであることが印象的。

ヨツバシオガマ
これは知らない高山植物でしたが、アルプスでは良く見かけるらしい。
紫色と鳥のくちばしに似た花弁、稜線に風に負けずにすっくと立つ姿はたいへん気に入りました。
すっくと空に縦にのびる花は高山植物には少ないように思うので、一度見たら忘れません。
バックに穂高がいて、これは絵になる自慢の写真にしようと挑戦しましたが・・・。
そこはデジイチ初心者のはかなさ、ぶれてしましました。

カラマツソウ
カラマツの葉っぱに似たいることが由来。
さわやかな風に吹かれ、なびくさまは夏の花であるが、秋の風情がある。
弓折岳から笠が岳方面
弓折岳はそこがピークとは分かりにくいほど、なだらかな山頂です。
南側へは笠が岳へと続く稜線が続きます。

双六岳方面を望む私
北側は三俣蓮華岳・黒部五郎岳と双六岳と数時間内で到達できる山々がたくさん。
今回は時間切れで下山しますが、いつかリベンジを誓う私です。

新穂高温泉
ここは北アルプスの西南側の登山基地です。
関東・近畿や中部からのバスターミナルであり、アルペン浴場なら温泉もあります。
登山者はタダという、さすが歴史と文化を感じます。
風呂場は歴史もあるだけに、相当ひなびた感じでした・・・。

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