マルメディトレッキング

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2008年2月10日(日)、晴れ。
ベルギー東部、ドイツとの国境近くにあるアルデンヌ山系へ行きました。
この辺りのトレッキングはMalmedyが拠点です。
はじめてのベルギートレッキングに心はわくわく。

マルメディ 
聖ルマクル(誰か知りませんが)が648年に築いた街で、トレッキングでは森と沼、春の謝肉祭(カーニバル)が相当有名な町のようです。
トレッキングの地図は、街の観光案内所で買います。
国土地理院の地図みたいなのはないようで、あれほど精緻な地図はありませんでした。
ここは、今は観光の街なので中心街もとてもいい感じです。
取り付き口
取り付き口がわからず、一人で右往左往していると、トレッカー達がいたので、後を付いていきました。
すれ違うときは、こちらでもやはり「ボンジュール(こんにちは)」とか「ハイ」とかいって必ず挨拶をします。
ところ変わってもやることは同じ、気分を良くしながら歩きます。
マルメディ大聖堂
取り付き口はマルメディア大聖堂という1776年に立てられた教会からスタートします。
日本でいうさしずめ、お寺や神社からのスタートでしょうか。
到着はちょうど11時、教会の鐘が鳴り響きます。
写真の奥の丘陵地を登っていきます。
キリストの物語
坂道に、キリストの物語がかられた石碑が続きます。
良く見るとキリストが十字架を掲げ、虐待されている姿が描かれています。
コースガイド 一応地図は持ってますが、道標はあまり期待できず、不安になりながら歩いていると、発見しました。
この木にある黄色の線が私が今日選んだトレッキングルート(約10kmほど)なのです。
所変わらば案内かわるなあ、見逃しそうなこのマークを頼りに歩きます。
奥の院
稜線の上に教会がありました。いわゆる奥の院でしょう。
この奥の院という考え方、万国共通なのでしょうか。なかなかおもしろい。
中にはキリストと彼を崇める使徒達が描かれていました。
稜線
ここから稜線歩きとなります。
牧場と森が交互に点在しています。
冬にしては、今日は結構あったかいし、以外に緑緑しています。
数kmあるくと今度は谷へ下りて行きます。

マルメディ虐殺
このあたりは、1944年第二次大戦末期、連合国側でバルジ作戦とよばれた激戦地区で、ドイツ武装親衛隊によりアメリカ軍が捕虜となり、後方へ連行中に偶発的に捕虜が殺された場所でもあります。
彼らは森へちりじりに逃げたそうですが、結局約80人の方が死んでいます。
いまはのどかな、この地もそんな血塗られた歴史があると思うと、のんびりと歩ける今は幸せです。
渓流 谷へ下ると渓流へ出ます。なだからな流で、ほっと一息。
日陰では温度は低くなり、木立もさみしいので、以外に寒い。
こういう風景はどこもそうかわらないなと思いながら、渓流沿いに歩きます
苔むす渓流沿い
渓流沿いのせいか、苔むす林(ヒノキににた葉っぱでした)や左右からながれこむ小川を眺めながら歩きます。

キャンプ場!
途中にキャンプ場がありました。
これはたぶん管理等だと思われますが、やっぱり建物は丸太造りでなくレンガ造り。
このあたりなら、レンガより木材の方が手に入りやすいと思うのですが、きっとなにかあるのでしょう。
滝?
滝というほどではないですが、小さな支流がこの渓谷に流れ込みます。
植林の道
植林ルートを抜け、雑木林の中を登っていきます。
渓谷を望む
ひとしきり歩きとまた稜線を登り、上からさきほどのルートを眺めます。
この渓谷ルートは植林それもヒノキの仲間の林を縫う道でした。
まだまだ目新しいのでおもしろかったですが、季節によるおおきな変化は期待できないと思いました。

牧場
稜線を登りきる(といってもせいぜい標高差200m)、と馬の牧場がありました。
なんの馬からと思いますが、きっと乗馬用でしょう。
途中、乗馬をする親子も見かけましたし、馬はまだまだ身近な存在なのです。
牧場の廃屋にちっちゃな兄妹がいて、みんなちゃんと挨拶をするのです。
「ムッシュー」と可愛く謂われ最初はちょっとどきっとしましたが、良く考えたら「おじさん」といっているだけですから
街を見下ろす
稜線が終わりに近づくとマルメディの街が眼下に見えます。
大きな町は水が集まる谷側にあるのでしょう、丘陵地に隠れるようにあるこじんまりした街であることがよくわかります。
街を少し歩きました。
カーニバルの祭りの後
どうも有名のカーニバル(謝肉祭)が終わったばかりのようで、まだちょっと華やかな雰囲気が残っています。
もともとはゲルマン民俗の春の祭りにキリスト教が融合した祭りのようですが、春の祭りははややかでいいです。リオのカーニバルなどその典型。
これからあったかくなることを喜びそれを祝う、なんとも素朴ですが季節を感じることができる行事です。
日本の春の祭り(もうちょっと後ですが)も、人々の暖かさを迎える気持ちがこもったものが多いのでしょうか。
マルメディ地図
このマルメディという街、ベルギー唯一?の山地にあるトレッキングの拠点。
なにげなく訪れた街とコースでしたが、車で通りすぎるだけでは知りえない、歴史と文化と自然が交錯する街でした。
やっぱりゆっくり歩くのはいいなと思います。
来年はどこかの春のお祭りを見に行こうと思います。

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