高見山2023

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紀伊半島を南北に縦断する台高山地北端の「高見山」を山仲間と歩く。
高校ワンゲル分の仲間と恒例の正月登山から始まり、長年をかけて何度となく歩いた山。
2013年には超ひさびさに一人で歩いたが、それ以来、再びの久々。霧氷を眺めならたの山歩きは仲間と歩くと、より楽しい。

一人で歩く山は、物静かに山を思い自分を顧みる。
仲間と歩く山は、苦労を半減させ感動を倍増させてくれる。

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高見山の標高は1248m、「台高山地」の「高」にあたる。ちなみに「台」大台ケ原。
近畿のマッターホルンと呼ばれ、特に冬の霧氷が有名な山。
たかすみ温泉から山頂までの往復コース、標高差850mとなかなかの高低差。
植林地帯を抜けて、山頂への稜線に出ると自然林となる。

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温暖化が進んでいるのか、たまたまここ数日が温かいからか雪は少ない。
いわゆる「根開き」が目立つ。
すれ違った子供が親に、「どうして木の根っこあたりだけ雪がないの?」という観察眼の鋭い質問をしていた。親はスルーしていたが・・・(笑)
根開きには2つの理由がある。
雪に比べれば樹木は色が濃いので太陽光を吸収して、温かい。さらに、雪の照り返しも重なり、さらに熱を帯びて雪が溶ける。これは知っていた。
樹木は水分を吸い上げる、地中の水は温かいので樹木は暖かくなり雪が溶ける・・・らしい(北海道ファンマガジン「学ぶ」)
やはり、ここ数日の温かさがこの根開きを加速させているのか

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最大のお目当ては霧氷だったが、ちらほらとしかない。
霧氷は、寒さで空中の水蒸気が樹木にまとわり着き、氷となるわけだが、やはり暖かくて溶けたか。
前日に雨が降り、積み重なった氷を落としたらしい。なるほど。
確かに、歩きながらも、その氷がバサバサと身体にあたり痛かった。
それでも風が吹けば山頂は寒く、山頂小屋の中での昼食となる。
ちょうど団体さんが下りて行ったので、空いたスペースでゆっくりと昼食が出来た。

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霧氷は少なかったお陰!?で樹木の観察ができた。
ブナが多かったが、目立った樹皮が印象的
ヒメシャラ・・・ツバキ科、関東から九州の冷温帯に自生する。
「日本三大美幹」
そうかことなところにブナと混生するのかと、思わず つるつるの幹を撫でてしまった。
見上げて青空と眺めると、思わず「美しい」よつぶやいた。
因みに、美幹の後の2つは、「シラカバ」「アオギリ」・・・でもここのヒメシャラをこの地で見てしまうと、こいつが一番美しい。

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山歩きはしんどかった。標高差850m、ピラミダルな山容はそれなりの傾斜が続く事を意味する。
一人では、あっさり「止めた」と言ってしまいそうなお山も、仲間が居たおかげで山頂まで辿りついた。
年齢を重ねてくれば体力が落ちるのは仕方がないが・・・あれっこんなにしんどかったっけという思い。
「山頂で霧氷が待ってるから!」とか、「しんどい〜」、「ここからの景色は綺麗だ〜」とか言いながら仲間と歩くからこそ、たどり着くことが出来た。
遥か昔にこの山を「古い仲間」と共に歩いて以来の「新しい仲間」との山歩き。
しんどいといえば、苦しさは半減
すばらしい景色を共に眺めれば、感動は倍増
きっと、若いころは気づかなかったこの「真理」を実感した山歩きだった。


2023年2月11日[登山] 2月12日[記]

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