鈴鹿 高畑山【773m】

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2020年1月13日(月)成人の日、鈴鹿の南端にある高畑山を歩く。
鈴鹿山地は大坂・京・近江と伊勢・尾張の間にそびえている。古来より峠越えの路が幾つかあるが、
鈴鹿峠は江戸時代までメイン街道である東海道が通っており、今日の登山口はこの峠。

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現在でも国道1号線が、この峠を越えて、近江へ伊勢へ。
尾張と京を結ぶ線に近い(最短)ということ、鈴鹿の中では標高が低い峠であること、で東海道同様にこの国道が通っている。
ただ、箱根峠に次ぐ「国道一号線の難所」(byWikipedea)と言われる。
東海道もさぞや、苦労して通したことだろう。

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道路はトンネルを通るが、鈴鹿峠は今は整然とした植林帯の中。
ポツンと「万人講常夜灯」があるのみ。石燈籠は重さ38t、高さ5.5mもある巨大なもの。
四国の金毘羅参りの人々への夜の灯りだった。
伊勢側の坂下宿や近江側の甲賀谷の人々が管理したそうだ。
今はひっそりとここに佇む。

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登山道は、植林帯を抜けると、冬枯れの二次林や自然林が美しい。
落葉樹と常緑樹の混成エリア
尾根沿いは落葉しているのはリョウブ、ツツジ類か、春は美しいだろう。
常緑樹はソヨゴ、カシ、アセビ(馬酔木)…

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高木はシイや粒々の皮目があるのはタブノキか
はっとするような大きな樹に出会うと、なにかなぁと立ち止まってしまう。
なかなか図鑑に載っているような典型的な樹皮や葉っぱでないと判別に困るものはまだまだたくさん。
地形と地質と樹形と葉っぱ(落葉樹の場合は落葉)から、類推する。
まだまだ、修行が足りませんと一人呟く。

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この山は、花崗岩。鈴鹿は中央部以南は花崗岩の山。
風化に弱いので、マサ化が進み。「ナイフエッジ」なるコルもある。
ところどころに崩落地もあり、こんな岩肌をいつくか通過。
山頂に向かって、軽いアップダウンを繰り返していると、伊勢側の展望も開けてくる。
暖温帯にはいるのか、やはり照葉樹林が多いことが良く分かる。
写真にはないが、もうちょっと右(東に)には伊勢湾がキラキラ光っていた。

一時間半で、山頂。773m。
山頂にきて初めて近江側(琵琶湖側)の展望が開ける。
ちと、天気が悪いが、三上山や琵琶湖が遠目に見える。近江側はなだらかだ。
真南には鈴鹿の中央部が続く。凸凹凸凹凸凹…(笑)
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この山は花崗岩、鈴鹿の最南から北側を眺める。
山波はすべて花崗岩の山が累々と続く。有名どころの鋭角に突き出す鎌ヶ岳や武平峠を挟んだ向こうの御在所岳も花崗岩。
どこも岩がむきだしの岩山が続く。アカヤシオやシロヤシオなどツツジ科の名所が続く…

眺めていると、改めて
鈴鹿峠が標高が低い(357m)のは、山脈の南部で標高が下がってきたこともあるが、花崗岩が故に崩れてきて低くなって事もあるのかと思う。
この南は布引山地が続くが、近畿と伊勢・尾張につなぐには距離が遠くなってしまう。この峠が最初のチャンス。
名神高速も新幹線も東海道本線も実は、この峠の難工事を避けて、遠回りして北側の関ヶ原ルートを取った。
東海道と国道一号線は頑張った! 技術が発達した為か、実は新名神高速道路はここを通した。
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いつかは鉄道がこの峠を通る日がいつか来るのか…  なんて云百年の人や物資の往来の歴史に一人思いを馳せる。

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