にゅう【2,352】〜中山【2,496m】

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2013年6月6日、空梅雨の日曜日。麦草峠〜にゅう〜中山〜麦草峠をぐるっと回って北八ヶ岳を堪能してきました。

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出発は麦草峠、すでに標高は2,094m、さわやかな高原です。
亜高山帯特有にオオシラビソやコメツガの森の世界。
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15分ほどで白駒池に到着します。
まだ朝の八時前、ひっそりとしていて湖面もとても静か。
テン場の人が朝餉の準備をしている音だけが聞こえる。
この湖の向こうは…原生林が広がり、これから歩く北八への期待感が高まります。



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この山上湖は、八ヶ岳最大のもので、水深8.6m 
八ヶ岳が噴火していたころの溶岩流の窪地に水がたまったものだそうだ。
こんな静かな山と湖が昔は溶岩流が流れていたとは…

ここで大きく深呼吸、これからゆっくりとした登りだ。

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それこそ溶岩流の名残りでしょうか!? ゆるやかな登りが続き、亜高山樹林帯と朝の野鳥の囀りの中を歩きます。
先行組は二人のみ、下りてくる人はまだいません。

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白駒湿原
季節に訪問すればなにか命の息吹がみることができるのか、
溶岩台地の上の湿原は興味深いが、今日はなにも咲いてない。

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湿原を越えると徐々に登りの傾斜が強くなります。
稲子湯の分岐を南へ取ると、にゅうの北側の斜面を高度を上げて登る。
はぁはぁ、ふぅふぅと息を整えながら歩く。これがまた良い。

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白駒池から、ゆっくりで1時間半 山頂です。
標高 2,352m !











視界が、突然に360度展開するので、見る人には劇的な景色となります。
北西方面の眼下には、いままで歩いてきた原生林と白駒池が。
確かに窪地に水がたまっているように見えます。成立ちも頷ける。
その北の向こう側には、縞枯山や北横岳、されに向こうに北アルプスの槍穂まで見える。

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東側にははるかに関東の山々を見渡せます。
いったい何層の山が奥へ奥へと連なっているのだろう。
一二・・三・・・八九…日本の山深さを感じる風景

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南側は八ヶ岳の主要部が豪快です。
手前が稲子岳、その向こうに天狗・硫黄と続く。
実は、今回この目で観たかったは、この稲子岳なのです!!

八ヶ岳で一番最後に火山活動をしたのは、硫黄岳で、約1,000年前
水蒸気爆発で山体北側を吹っ飛ばしました。

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にゅうから中山分岐までは崖沿いですが、1km以上 常に東側に稲子岳を見ながら歩きます。
実は、硫黄岳の水蒸気爆発の煽りで、稲子岳の山体が崩壊して、稲子岳が山ごと東側にずれたのです!
なんという、自然の力!! 
稲子岳との隔たりに崩壊の凄さが分かります。
あの谷がこの路と繋がっていた!?

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分岐までの路はほぼ崖沿い、
  一千年前のでき事の証拠を左側に眺めつつ、

ゆっくりゆっくり歩く 













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中山分岐を過ぎると中山への尾根道となりコメツガやシラビソの森を歩きます。
南面のゆるやかな斜面で、とても明るい。
新緑はとてもあかるい緑で新鮮で、触るとすこしひやっとする。
時折、陽のあたる身体にはそれが心地よい。

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途中、縞枯れの“縞”部分を通過します。
縞枯れは強風などの理由で樹木がなぎ倒され、そこに日が当たり乾燥してまた風が当たり倒木となり木々が枯始める、そんな連鎖反応の繰り返し。

その現象が長い年月にわたり、上へ上へと波のように伝わり、遠目から見るとまさに“縞”のように見える。
何十年単位で景観が変化しています。
ここ北八ッ岳では大規模なこの縞枯れ現象を見ることが出来る。



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中山はあっという間に通り過ぎ、中山展望台にて昼食。
岩がごつごつしていますが、とても広い溶岩台地となっており、北側と西側がとても開けている。

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台地の北端の岩に腰かけて、おにぎりにかぶりつく。

風が新緑の匂いと一緒に山肌をなぞってここまで吹き上がってくる。
野鳥の囀るがこんな広いなだらかな山山に反射してここまで、ここちよく聞こえてくる。
こんなに気持ちの良い昼食は久しぶりだ。
標高 2,496m 緑の風、溶岩台地



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中山から高見石へは北面の斜面を下る。
雪がまだ残っており、ちょっとひんやりした山面。
雪を踏み抜くと、岩の間や小川の縁にはまってしまいたいへんなので、一歩ずつ確実に歩く。
小一時間で、高見石。
ここは以前、訪れたことがある。
大きな岩を慣れた?足取りで、頂に立つ。
もう、出発点の白駒池が指呼の間だ。

梅雨の合間、最高の山歩き

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