藤原岳 孫太郎尾根

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花の百名山 藤原岳、南側からのアプローチに「孫太郎尾根」がある。
今回は、この尾根を歩く。 山頂を目指すというより、花を愛でに行く「大人の山歩き」ね。

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春の花は、見ているだけで元気をもらえる。
味気ない土色に咲く色鮮やかな花、尾根を歩きながらの胸をすく展望を眺めるだけで幸せになる。
山頂に立つことの達成感はもちろんこだわりたいが、この尾根は「花」と「展望」
それでも、それを満足させる為には、花咲くタイミングx天気x自分の自由時間の3要素が揃わねば。それがこの今日。

さすがに、3月上旬だが早春の花が咲き始め、改めて歩いて気づくが、まだまだ知らない花がたくさん。 トウダイグサ科ヤマアイ:地下茎で増える多年草、まだほとんど蕾だが、1〜2輪咲いている。
イラクサ科カテンソウ:群落するらしい。あまり目立たない。
ジンチョウゲ科オニシバリ:常緑の低木、樹皮が強くて折ってもちぎれない事から「鬼縛り」。確かに花はジンチョウゲに近い。
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次は、花好きがこの山でこの尾根でお目当てにする花々。かわいくて華憐なので鑑賞だけで十分楽しいが、私にはそれぞれの花の生きる戦略が興味深い。
キンポウゲ科フクジュソウ:スプリング・エフェメラルの代表格。石灰岩質を好む。テカテカした花弁を広げ太陽光で温かく、虫を集める。戦略家。
キンポウゲ科セツブンソウ:これもスプリング・エフェメラル、石灰岩質を好む傾向。蜜腺が黄色。
キンポウゲ科セリバオウレン:セリのような葉っぱ複葉で効率的に光合成をする。なんといっても華憐。これはまだ葉が出ていない。
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この日は、午前中は晴天だった。
登山口から喘ぎ喘ぎ尾根に出ると、そこからは尾根筋を歩く。
山全体が花崗岩なので、白っぽい石がゴロゴロ、足下には小さなかわいい花。
樹木は、常緑樹は暖温帯でも生えるモミ、低木ではシカの食害に合わないアセビが多いが、基本は落葉樹で新緑の季節までは視界は開ける。
晴れた日に、展望が良くて、お日様を浴びていると気持ちが良い。
スプリング・エフェメラルがなぜ咲き始めるのは分かる気がする。
風にが吹いて、ちょっと寒くなるのがまた良い。

南側は大きな谷を挟んで竜ヶ岳を望み、鈴鹿の大きさを体感。
北側は石灰岩の砕石場が足下にみえ、その向こうに養老山地、掲載していないがその向こうには御嶽、乗鞍、穂高まで見えた。
東側は尾根で藤原岳への登山道、西側には伊勢平野と伊勢湾が広がる。
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草木(834m)が今日の尾根の最高点。あと一時間ほどで藤原岳山頂だがここで満足して、戻って展望の良い丸山にてランチ。
お日様が出るとあったかく、ちょっと風が吹くと寒い。雲が出始めたが、展望はとても良い。

お湯を沸かして、非常食であるアルファ米の非常食にお湯を注ぐ。お湯で10分・・・想定外に時間が必要だが、気持ち良い景色を眺めていれば時間なんて気にならない。
味は、これも想定外にうまいドライカレー。たべながら、景色を眺める。
ゆっくり、まったり、大人の山歩き
2021年3月7日<登山日>

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