伊那 小八郎岳 【1,470m】

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梅雨明け10日は晴天という、夏が到来。
お盆に北アルプスに繰り出すので、その前に登山靴の靴慣らしをしようと伊那の松川町にあるこのお山を歩く。
奥は烏帽子岳、あそこまで4時間、手前が小八郎岳 1時間。
・・・烏帽子は秋に歩くとして、今回は小八郎までゆっくりと歩こう。

小八郎とは、片桐小八郎という鎌倉時代の武将の名前、源頼朝の父親である義朝に仕えた勇猛な武将らしい。
避暑のため夏城として滞在した山が小八郎岳であったことから名付けられたと言われている。(YamaReco記事)
夏はここで避暑できるのか、なるほど。1時間で行けるし、選んで正解かも(笑)

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登山口、標高1100m、この雰囲気がまたいい。
明るい森の入口、涼やかな風、これから知らない森に入るというワクワク感がなんとも言えない。

ふと見上げれば、見かけない実と葉っぱの樹木あった。
「フサザクラ:キンポウゲ目フサザクラ科フサザクラ属」、本州から九州の冷温帯に自生、谷沿いの明るい斜面に普通。
一属一種でコウヤマキやヤマザクラに同じ・・・ヤマグルマやカツラと同様に導管がなく仮導管からなる・・・
自生地は水分の多い谷筋や崖地など不安定な場所であり、崩落に備えて根元から多くの「ひこばえ」を出すことが多い・・・(樹木ウイキペディア)
実がふさふさと葉っぱも特徴的で・・・初めて見る樹木は楽しい。
そんな登山口。

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登山道も冷温帯の雰囲気、植生が少し違う。やっぱり夏の山歩きには冷温帯に限る。
朝早めなので、人があまりいない。
人一人が歩けるちょうどよい幅の道を行く。
左右の低層、中層、高層域にそれぞれの樹木があって、全体が緑で覆われている。
すっくと林立する針葉樹がカラマツ。
カラマツかあ、マツ科カラマツ属。
日本の北は蔵王、南は静岡、西は石川・岐阜が自然分布域で、
長野県内を中心に浅間山、草津白根山、八ヶ岳、甲武信ヶ岳などの各山々の周辺、また飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈などの日本アルプス周辺などに天然林がある。
多くは火山性土壌のにあるらしい(Wikipedea)。北海道のカラマツはすべて人工林。
このお山も中央アルプスの端っこにあるので花崗岩(=火山性の岩盤)で出来ている、それで立派な林があるのか。

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「コハハクウンボク:ツツジ目エゴノキ科エゴノキ属」、関東から九州の冷温帯に自生。
登山道を通じて、この樹木が目立った。面の木平などで見たことがあるが、幼木から大きな成木まで取りそろってみたのは初めて。
短枝に3枚づつ葉がついて、真ん中らはアメリカのキャラクターに出てきそうな先端に鋸歯がある可愛い葉っぱと両端に小さい葉っぱ2枚で1セット。
葉っぱが特徴的なので一度見ると忘れない。
この種類の冷温帯の樹木が多いので、普段歩く低山とは雰囲気の違う森となる。

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そんなことを思いながら、ゆっくり歩いて2時間(標準1時間)で山頂到着。
山頂には整備された東屋と東側(伊那谷と南アルプス)の山座同定版と広場がある。
西側には烏帽子岳とそこに続く稜線が見えるはず、東側は眼下に伊那谷、その向こうに南アルプスがど〜〜〜んと見える好展望のはずだが、雲がかかって見えない。
一人この松川町の方がいて山談義と地元談義。
北岳への登山バスが崩落して行けない、中アも良いが南アルプスの烏帽子岳も展望が良い、息子も孫も山を歩くとか…話題があうので話が尽きない。
子供の頃からいらっしゃるらしく、「良いところで過ごされてますね〜」というと「移住してくればよい」とおっしゃる。
「移住は地域との付き合いとかいろいろ難しいそうですよね」とい返すと、「この伊那は古い人もいるけで、開拓で入ってきた人が多い、(伊那谷が見えてきて)この谷も果樹園が多いが、多くは戦後に開拓して果樹園を作った」らしい。
昼のラーメンを食いながら、笑顔で話してくれるおじさん(76歳とおっしゃってた)との会話も楽しい。
おじさまはこの先の烏帽子岳へのコースも教えてくれた。ここから3時間でちょっときついが行けそうだ。
秋の黄葉の時期にまた来よう。


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2023年7月23日[登山日]  29日[記]

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