伊吹山北尾根 御座峰【1,070m】

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久々の山歩き。梅雨入り直前に伊吹山北尾根を歩く。6月6日(土)。
伊吹山は南側からの景色が有名だが、北側には長〜い尾根が続く。同じく石灰岩の山塊。
アップダウンが続くが、この季節、風が吹けば気持ちの良い道。
歩く前に、全貌が見えるのも、高揚感を高める。
稜線の曲線美も美しい。

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地質は石灰岩なのでカルストの大地を歩く。
カレンフェルトのゴツゴツした道が多い。
こんな道もまた、普段と違う雰囲気を楽しめる。
ただし、足下注意。

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この季節は、初夏の緑が日に日に濃くなり、その量に圧倒される。
伊吹山は1377m、この辺りは1000m前後だが、日本海側の気候の影響を受けて、
気候は冷温帯に近い。
樹木も落葉樹が多く、ブナ科、ムクロジ科(カエデ等)、ミズキ科・・・
写真はトチノキ、大きな葉っぱが、冷温帯を感じさせる。
谷側から風が吹き上げてきて、気持ちが良い。秋は紅葉がひときわ美しいだろう。
思わず口笛を吹きながら、歌を口ずさみながら一人歩く。
気持ち良かったのもあるが、先週 クマの目撃情報もあり、「一人賑やかし」もある(笑)

さて、日本百名山、花の山、伊吹山。その北尾根も気候も地質も同条件なので花がたくさん。
白くて大きな装飾花と大きな葉っぱ、レンプクソウ科ガマズミ属 オオカメノキ:冷温帯の山に入るとよく見る。
写真を撮ろうと崖気味エリア分け入っていたら帰り道を迷った(笑)。スイカズラ科タニウツギ属タニウツギ:日本海側の谷沿いや急斜面に多い。色がね美しい!
岩場の隙間に咲く白い可憐な花。
アジサイ科ウツギ属ヒメウツギ:白い1?ぐらいの元気な花が咲いていた。陽当りの良い敵湿地を好む。
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フタリシズカ・・・センリョウ科チャラン属多年草
日本全国の山林、少し暗めの場所に咲く。確かに尾根道を逸れて林内に入ると群生したいる。
ヒトリシズカは糸状の花、楚々とした静御前に例えれる。フタリシズカは、2本の花序を、能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿に例えた。文化と結びついた風流な名前が良い。
同じく穂状花序だが3個の雄しべが丸く子房を抱いているので丸っこい。
2本が多いらしいが・・・1本、2本、3本
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足下の野草も豊かで、
黄色い花、ベンケイソウ科マンネングサ属ヒメレンゲ(別名コマンネングサ):関東以西の谷沿いの湿った岩に自生。名前がね。面白い。
白い小さな花、イラクサ科ヤマハタザオ属ハクサンハタザオ:小さな花が花弁の展開の形が蝶々みたいで印象的。名前がやっぱり面白い。
黄色い光沢のある花、キンポウゲ科キンポウゲ属ウマノアシガタ: この光沢でキンポウゲだということは分かる。根生葉が馬の蹄に似ているらしい。山野の日当たりが良いことろに生える多年草。
それぞれが小さくかわいい花・・・野草は名前がユニークで楽しいがなぜそんな形とかどんな文化背景かを知りたい。
名前覚えるだけでなく、それが分からないとね・・・わかると更に面白い。
画像 ハクサンハタザオ 画像


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小高木ではミズキ科ミズキ属ヤマボウシ:裏山にもあるがことのほか美しい! ハナミズキが米国原産の仲間。
最近は街路樹でよく見かける。丈夫で病気に強いのかなぁ
北尾根とコラボするのはレンプクソウ科ガマズミ属ガマズミ:山腹にポツリポツリと花を添えている。明るい林や草原に生える。
雑木林を代表する落葉低木、秋の赤い実は鳥が好み、果実酒や漬物の着色料、衣料の染料としても利用される、人との関係も深い。

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花が多いとなれば、虫も多い。
ウスバアゲハ(ウスバシロチョウ)、北方系の蝶々で西南日本では分布が限られるらしい。初めてみた。
白と黒、羽が薄い・・・飛ぶ姿がフワフワと優雅に飛ぶ・・・というか舞うって感じ。写真にとれなかったが、あのアサギリマダラもいた。フワフワと。
蝶の中でも原始的と言われるアゲハチョウ科の中で、特に氷河期の生き残りとされるウスバアゲハ族のチョウです。蝶の中で繭を作って蛹になるのはこの仲間くらい。(昆虫館HP)
結構たくさん見た。最近は低山にも拡大域を広げているらしい。

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この伊吹山山系はあなどれない。
ドライブウエイで山頂付近を散策するだけでも花や展望は十分に楽しめる。
ちょっと観光内を離れて、
静かな山歩きを、優美な曲線の稜線歩きも楽しめる。
山歩きでなくても、
樹木でも、花でも、虫でも、鳥(実はたくさん鳥屋さんがいる)狙いでも、十分に興味深く歩ける。
近くにこの山があることを幸せに思い。季節を変えて歩きたい。

2020年6月7日<記>

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