越美山地 金草岳【1,227m】〜緑のコリドー

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遥か向こうに金草岳、
梅雨の晴れ間、爽やかな五月晴れの中、稜線を歩く。
細々と人一人がやっと通れる登山道、
新緑が、その樹間を吹き抜ける風が、本当に心地よい。

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美濃の奥、越後との県境、
公共交通機関はない、バスも走らない林道の峠、冠山峠。
5月末なのに越後側からは冬季閉鎖。そんな深山の峠が出発点。
それでも人は集まるが、多くの人は東側の冠山というピラミダルな山を目指す。
西側のこの山は“一つ隣の山”。
このエリア、林野庁は「緑の回廊(コリドー)」として生態系の保護地域に指定していて、
北は知床から南は四国まで、全国24ケ所の内の一つになる。どのエリアも人里離れた山の中。
立派なブナ樹林、冷温帯のカエデ属など植生も豊で、新緑が眩しい。

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1時間ほど軽いアップダウンの樹林帯を歩くと、山頂までの稜線歩きなり、視界が開ける。
見えるのは山また山、奥美濃と奥越後の緑のうねり。

大きな自然の中を歩いていると・・・自分の存在が「点」になる。
生態系の一部であることを体感している・・・そんな感じ。
多種の植物、それを糧とする昆虫、鳥のさえずり、
長い時をかけた地球のうねりの大地、風雪が作り出す山谷の起伏、
都会とは違う非日常の世界に身を置くと、
人一人、そんな世界にポツンと存在すると、思考がそうなる。
そうなるのは、一人のせいか、歳を重ねたせいか。

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2時間半ほどで山頂に到着、
誰もいない山頂で、歩いてきた稜線を ボ〜っと眺める。
延々に続く緑の起伏を ほれぼれと眺める。緑のコリドー。
青い空と白い雲。

おもむろにガスバーナーを取り出し、お湯を沸かす。
ガスが噴き出る音が、久々の人工音で、ちょっとびっくり。
お湯を「高タンパク低糖質のカップヌードル」に注ぐ。
3分間、また山頂からの景観を楽しむ。

こちらへの稜線上に二人組の若者の姿が見えた。


2021年5月30日[登山] 6月5日[記]

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