チャートの山 各務原アルプ

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岐阜の各務ヶ原に東西に連なる低山がある。
愛知の犬山辺りから、岐阜市の金華山まで東西に、日本昔話に出てきそうな、ポコポコ可愛い山波がある。
「各務原アルプス」と呼ばれる東西40kmにも及ぶ山地。
幾度か訪れているが、今回は中央部を縦走をしてみた。
6km程度・・・

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稜線が標高350mぐらいなので、標高差は200m。ヒサカキやアセビなどの常緑低木とすでに葉っぱを落とした落葉樹とマツなどの常緑高木の間を縫って稜線へ。
展望は開けないが、道は整備されていて迷うことはない。
ざらついた石と時折現れる露岩が目を引く。

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この岩の正体は「チャート」、2億〜1.5億年前のジュラ紀に付加した。
飛騨から美濃にかけて、飛騨帯という地質帯がある。層状に東西に広がるチャート層もその一部。
チャートは放散虫というプランクトンの遺骸が海底に沈殿して長い時間をかけて作られた堆積岩の一種だ。
放散虫の殻は二酸化ケイ素からなる石英質なので、非常に硬い!
放散虫が大量に生息する時期と激減する時期を繰り返して層状のチャートが形成される。
チャートが赤色なら酸化的環境、黒色や緑色をしていれば酸欠状態の還元環境であったことが分かる(日本列島5億年史)らしい。
石英質なので透明感があるのも特徴・・・写真のは黒っぽいチャートかな。
ちなみに、
電子顕微鏡により放散虫による時代決定方法が確立したのは1980年代のこと。「放散虫革命」と呼ばれる。

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何度かのアップダウンを繰り返し、双子岩なる爽快な展望場所で昼飯を食べた。
思ずのこの景色に記念写真を撮る。
やっぱり山は尖山、アップダウンは何度も繰り返せば疲れるはずだ(笑)
なぜ、尖山になるかというとやはりチャートが関係している。この山地の山頂付近はずっとチャートなので風化に強い。
山頂部が風化に強いとこんなお山の連続となる。層状のチャート層とダブる。
下から見上げるとそびえたつこの双子岩もきっとチャートで風雪に耐えて露出したに違いない。

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違う角度から見てみる。秋の風景は東側から西に向いた角度。
白い反射板があるのが、金山で今回の最高所348m、山並みは遥かに岐阜の金華山まで続く・・・
遠望の写真は、春日井の弥勒山から北を向いて、この山地を南から眺める。
ある意味、凸凹の曲線が美しい。  チャートが作る美しい山波。
今回たったの6kmの縦走だったが、帰りは平坦な道を戻ってた。距離にして12kmぐらいか・・・右ひざの古傷がいたんだ。
とても西から東までの40kmを歩くのは無理だろう。

東西に延びるこの山地は稜線歩きコースが多く、展望は抜群。南に濃尾平野、北に美濃や飛騨の山々、西に岐阜
冬に歩くと、その展望の良さだけでなく、冬の凛とした空気感、アップダウンによる適度な疲労感でリフレッシュできる。これもチャートのお陰か。

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2024年1月27日[登山日]  1月28日[記]

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