伊吹山 敗退

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2012年3月19日(月)は待望の快晴! 久々のお休みをいただき、山へ。
先日の東谷山から望んだ伊吹山の雄姿が脳裏を横切り、笹又ルートからアプローチすべく家を飛び出しました。
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伊吹山は、関西と中部の境目にあり、東は濃尾平野、西は琵琶湖(すぐ日本海)にあり、両方の平野から見ることができるため、そう標高はないのですが、りっぱな高山に見える秀峰です。
濃尾平野の住人はいつも西側に眺めることができる愛しの山でもあります。

歴史は古く、712年(和銅5年)に古事記の景行記で、伊吹山にまつわる日本武尊の伝説が伝えられております。
槍ヶ岳を開山した播隆上人も麓に住まれたことがあるようです。

3億年前の海底火山で、全山石灰石の山です。
植生も豊富で、植物の種類は約1200種で、高尾山に次ぐ多さです。
(日本全土で約5300種、高尾山は約1600種、鈴鹿の藤原岳も約1200種。出典:「自然を読み解く山歩き」)
薬草が豊富なことで知られ、織田信長も麓に薬草園を造ったとか。

威風堂々の山容だけでなく、歴史的もに地質的にも魅力的な山なのです。
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さて、登山ルートは伊吹山の東側の笹又ルートから歩くことにしました。
上の写真の右側の尾根を回り込んだ裏側が笹又となります。 冬のメインルートは南側の関ヶ原からスキー場を経由した直登ルートなのですが、裏側のひっそりとしたルートを選びました。
このルートは通常なら伊吹山スカイラインを歩かねばならないルートなのですが、まだ開通していないこの時期だからこそ一度歩きたかったのです。

出発は、さざれ石公園(昨年ご紹介)だったのですが、ここまで車で到達できず。林道の日陰に雪が残っているためです。
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登山口に到着して、まともな山道を歩き始めます。最初は植林の道で、雪もなく楽勝ムード。
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春の雰囲気も セリバオウレン 初春のかわいい花 雌雄同株と異株があるようです。(追記)
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ところが、植林地帯を抜けると雪の斜面にぶつかりました。
(当たり前です。伊吹山は日本海側の影響をもろに受ける豪雪の山です)
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ここまでは想定内でしたが、今日はアイゼンはありますがワカンもスノーシュー(そもそも持ってない)も持ってきていません。
その上、昨日の雨で雪の上はぐちゃぐちゃで、一歩踏み込む毎にひざ上まで雪にはまり、思うに進みません。
私の壺足
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カモシカの壺足、カモシカも歩きにくいだろうな〜。
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標高を300mぐらい稼いだところで、もう疲れ果てて、今日も(あっさり)撤退することとしました。
準備不足もはなはだしいので、「撤退」と呼ぶほど歩いておらず・・・敗退です。
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それでも、展望の良いところまで戻って、お湯を沸かして、大休止。人っ子一人歩いていません。
伊吹山の北尾根がみえる。上高地から奥穂を見るがごとく気分で、まったりと過ごしました。
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今日はこんなんに天気が良いのに、なんてことだ
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山襞を縫うように走る県道を、名残惜しく振り返りつつ、帰路へ。
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帰宅すると、妻が「あら 早いわね〜。伊吹山はまだまだ雪が深かったでしょう(さすが愛知出身者 するどい)」
私 「(準備不足とは言わず) 戦略ミスによる敗退だ」と強がっておきました。

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