伊吹山 上平寺コース

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伊吹山を初めて、斜めから攻めた。
朝方は雲がのこっていたが、天気は回復傾向にありすぐに快晴に、風が強い日だった。
スキー場からの木陰のない直登ルート(正面登山口ルートという)を避け、上級者向?の樹林帯を横切るコースを歩く。
上平寺コース。戦国時代にこの辺りの有力な大名だった京極氏の居城跡や弥高山を巡りながら歩く。

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山頂までは約6kmだが、5kmは樹林帯を歩く。 
今は新緑の季節で、美しい緑は太陽の直射日光を遮ってくれる。
風は強かったが、樹林帯にある山道は風が弱まり、爽やかな風となり気持ち良い。
遠くから近づいてくる・・・樹冠のざわめきが風の来る方向を教えてくれる。
遠くで「サワサワサワ」と樹冠が揺れ新緑が騒ぎ始め、頭上にくるとザワザワザワザワザワ・・・通り過ぎると、「サ〜〜〜」・・・遠ざかっていく。
宮崎駿さんがが風をネコバスに例えたパートを思い出す。本当に、今日は頭の上を時々ネコバスが走っているようだ。
ネコバスを楽しみながら、ゆっくりと高度を稼いでいく。

広葉落葉樹も種類がたくさん、アオダモ・ハウチワカエデ、冷温帯の樹木もある。大きなハート、非対称・・・きっとシナノキだ。
大きな葉っぱがザワつく音は迫力がある。ガサガサ、ザワザワ。
時間帯が早いのか、マイナーコースなのか、ほとんど人がいない。時々に大きな幹や葉っぱを眺めたり、目を閉じて音の変化を楽しんだり、「大自然の中の一人」を楽しむ。
森のシャンデリアと呼ばれるエゴノキや、ミズキの白い花が緑の世界に彩を添えてくれる。
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弥高山を越えて等高線沿いに歩きだすと道が狭まる。

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人一人が通れる程度の道。赤テープがあるので迷うことはない。
正面登山口ルートほど整備はされていないのだろう、いくつかの谷を横切り、崩落地もある。
注意は必要だが、危険な道ではない。
湿度の高そうな谷筋の道で「山ヒル」にヤレれる。ここに詳細を書くのは止めよう(笑) この季節、早朝の湿気が多い谷筋は要注意。
さておき、伊吹山にもこんな自然道に近い“素敵な山道”もある。
悪くない。

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最後の谷筋を超えると突然に広場に出て、伊吹山山頂部が現れる。劇的な景色の変化。
悪くない。
正面登山道の五合目。登山道の合流前に、シカだろうか全身の骨があった。
肉食獣はこの辺りには居ないので、病気かけがで倒れたか・・・整備されている場所でもないので自然の姿で残っている。
快晴の青空と伊吹山と新緑とのコントラストが印象的なショット。

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五合目からは正面登山道、樹林帯のないジグザク道を山頂目掛けて歩く。
凄い人。季節よし、天気よしの週末、さすがメインルート。花の山なので可憐な花を愛でながら石灰質の山道を歩く。

展望は最高だ。東に琵琶湖がはっきりと、眼下には伊吹山スキー場、その向こうに鈴鹿山地が60km続く、西側には歩いてきた樹林帯とその向こうには関ヶ原。
「胸をすく景色」とはこれをいう。
この山を目指す人のほとんどは、この景色を見たいはず。
日本武尊が落命した山、奈良時代以前から荒ぶる神の支配する山、平安時代には薬師念仏が隆盛、中世には修験道の山。
山頂には伊吹山寺というお寺があり、お薬師様がいらっしゃる。手を合わせて、この大自然を健康に安全に楽しませていただいたことに感謝した。

2022年6月12日[登山] 6月18日[記]

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