哲学者の道

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■2009年5月21日(木)はキリスト昇天祭で、金曜も休みとなり4連休でした。
気候もよいので、ドイツ南西部、フランクフルト南 約100Kmに位置する「ハイデルベルグ」に宿泊して、周辺の街歩き(少し山歩き)を楽しみました。

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ハイデルベルグはライン川の支流、ネッカー川に沿ってひろがり、ライン河川盆地の入口を押さえる古来から交通の要所です。 街の高台にはハイデルベルグ城がそびえています。赤色砂岩のりっぱなお城です。 13世紀にプファルツ伯の居城として城としての拡大がはじまり、ゴシック、ルネッサンス、バロック様式と様々の様式の建物が時代とともに増築されていきます。

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その後、30年戦争やプフアルツ継承戦争で廃墟と化し、居城は西のマンハイムへ移築してしまいます。

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もともとは、こんな姿だったようです。

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一部で修復が始まっていますが、この火薬塔など1693年のフランス軍の攻撃により大破したとか。

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廃墟というには、賑やかで城内のレストランでは音楽がなり、観光客(もちろん日本からも)も沢山で、賑わっています。 城内の蔵には、ワイン樽もあり、総量22万リットル!世界最大級のワイン樽とか。 ここはドイツワインの北限にも近く、ワインの産地でもあります。
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フリードリヒ館のバルコニーから見下ろす街は、すばらしく、この街が交通の要所であったことがよくわかります。

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ドイツ最古の大学もあり、若者も多く、なにか伝統的な文化の香りがまだまだ漂います。

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風光明媚なこの街は、多くの哲学者や芸術家が愛し、この街を称えています。 ヘーゲル、カント、ベンダーリン、ショパンそしてゲーテ。 旅情あるれるこの街を眺めながら、思索に耽ったことでしょう。 「哲学者の道」と称して、山道と遊歩道が、お城の対岸、ハイリゲンベルグという445mの山を縫うように整備されています。 京都の東山琵琶湖疏水沿いにも「哲学の道」がありますが、こちらがオリジナルのようです。 雰囲気がよいのは同じですが、高低差は京都とは比較になりません。 それなりの険しい山道を歩くので、観光客 (特に団体さん)はここまで足を伸ばすのは無理ですが、山歩きが好きならばここを歩くことをお奨めします。 街を見下ろしながらの、散策(というより山歩きに近い)はなにかノスタルジックな思いに駆られます。

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特にゲーテは十数回この地を訪れ、恋人のマリアンネとのロマンチックな物語は有名なようです。 ゲーテ66歳、マリアンネ24歳の恋です。

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彼らの言葉を引用しつつ 「ここからの橋(テオドール橋)の眺めは世界のいずれの橋も及ぶまい」−恋する男!?の至福のひと時

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イチョウの葉を「片方は詩的、片方は人間的…」むむ、難しい!流石ゲーテ!?

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マリアンネ「彼は虹のようにここを去り、ゲーテとの出会いは虹のように儚かった」
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夕日にそまりつつあるハイデルベルグを眼下にしながら、何百年も前の芸術家や詩人の息使いを想像しつつ、ぶらぶら歩くにはもってこいです。( ここまであがるにちょっとだけ苦労しましたが) それにしても、66歳の“恋”か!!!????  まったく想像もつきませんが、詩人ゲーテに少し近づけたような思いの山歩き(散策)でした。
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