霊峰 白山
空と雲と山歩き
>
山歩き
>白山
■2009年7月30日(木)〜31日(金)、日本への一時帰国を利用して、あこがれだった
霊峰 白山
を自分の足で歩きました。
麓(標高1260m)に泊り、頂上(標高2702m)まで、
標高差1442m!
です。 本当に疲れた、でも
本当に、高山の深山の雰囲気を堪能
できました。
一昨年の秋、尾張の低山から眺めたこの白山はそれはそれは神々しく、いつかこの山へと思いを強めた山です。
夕日を浴び、遠いようで近い、なにかしら淡い、そして神々しいこの山。
8世紀に開山、万葉集や古今和歌集に詠まれ、義経が弁慶をつれ、松尾芭蕉が加賀を通る時みたであろう。
一年の半分以上が白い雪に覆われるこの山、古来信仰の山としてあがめられ、
富士山・立山とともに日本三名山のひとつ
。
石川・岐阜・福井・富山の四県にまたがる広大な山域でありながら、独立峰であるこの御山は、きっと遠く離れた街から望むと、
霊験あらたかな山
であったことでしょう。
この山より西方に2000mを超える山はなく、
高山帯を有する山として日本の最西端の山
でもあります。
東海北陸自動車道の荘川ICでおり、国道156号を北上。
御母衣湖にでます。
国道沿いには、有名な樹齢300年を超える荘川桜があります。
前泊で、岐阜県側の大白川にはいり、林道を13kmも走った山の中の、白水湖畔ロッジに泊ります。
白水湖を望む露天風呂(もちろん温泉!)もあり、すでに奥山のムードたっぷり。 お客は私一人!!です。ロッジのおにいさんと”白山”談義に花が咲きました。
周辺にはエメラルドグリーンが美しい
白水湖や、白水の滝
(旧?日本三大瀑布)などの豪快な景色も楽しめます。
登山道は、岐阜県側から平瀬道を使います。尾根沿いを左右の展望を望みながらひたすら登り続けるルートです。
登りはじまからつづら折りで、ほんとうに
見事なブナ林
をゆっくりゆっくり歩きます。
左に白水湖を望みながらの、快適な登りです。
高度を上げるにつれて、眼下に見下ろす山波の雄大さや奥深さは、ベルギーでは味わえない。
1700mを超えるとブナ林を抜け、ダケカンバなどが目立つようになります。 風雪が強いのでしょう、枝が踊っているようです。
いくつかの峰を超えると、標高約2000mあたりにある大倉山避難小屋に到着。
そからはまたいくつかの尾根をまいたり、登ったり。地図を見ながらもいつまで続くことやらと少々ばて気味。
途中のガレ場、肝をひやします。落ちれば数百mは滑り落ちます。
このあたりから、夏の高山植物がどっっと出てきます。おもな奴だけ。
イブキトラノオ、チングルマ
キヌガサゾウ、エゾシオガマ
(初めて見た!)
イワギキョウ?、カニコウモリ
カラマツソウ、キオン
マルハダケブキ、タカネマツムシソウ
登り始めから約3時間、右手に白山が雲の合間から見え始めました。
日当たりの良い斜面にはニッコウキスゲがゆれています。
ハクサン○○という花はたくさんあります。 前日のロッジで花の本を読んでいてしったのですが、ハクサン固有種はない。 古くからの山で研究者もたくさんこの山にはいり、はじめて発見されたのがこの山だった。18もあるらしい。
ハクサンフウロ
:このピンクは写真ではあらわせないほど、目立った色で、好きになりました。
ハクサンシャクナゲ
:この季節に咲く珍しいシャクナゲです。おもったより小さくかわいかった。
ハクサンコザクラ
:群落していて絵になります。
ゴゼンタチバナ
:これ白山の最高峰(御前峰)から来ています。やはりたくさんあった。
雪渓も出てきました。
大カンクラ雪渓
です。
さて、本峰の頂が手の届くところまできました。
室堂が見えてきました。ここまで約4.5時間、天上の楽園のようなところです。
室堂からの最後の登りです。40分、標高差約300m。
晴れたり曇ったり、午後からの天気は雨なので、はやく登らねばと、動かぬ足を動かします。(笑) 中間地点の高天ヶ原、雲が出てきてしましました。途中の花たちにも励まされながら。
山頂です。標高2702.2m。
白山比メ神社の奥社が鎮座なさり、白山神社約3000の総本山で信仰を集めております。
養老元年(717年)に越前の僧、泰澄が改善してからの信仰の山
ですから、重みがちがいます。 この山の北側には7つの火口湖をはじめとする本来の火山の姿があるのですが、雲にか隠れまったくみえません。
山頂で、ロッジの弁当を開けます。おにいさんの心にくいお言葉。おにぎりもおいしかった! 左下にある花の絵、この山を選んだ2つ目の理由です。
ミヤマクロユリ
です。
白山は
日本最大級のミヤマクロユリの群落
があるのです。 この山頂部も立派ですが、中宮道のお花松原はほんとうにすごいらしい。
あちこちにこの規模の群落がありました。 黒くてそう華やかな花ではありませんが、ここまであると大迫力。 アイヌでは幸せをよぶ花だとか。
歴史の深さ、花の見事さ、温泉のすばらしさ、やっはり 単純に日本の山はいいな〜。
帰路のひたすらの下りで足をやられ、えらく時間がかかりました。 でも、ロッジの人の計らいで、温泉にまたつかることができ、幸せ〜でした。
▲←空と雲と山歩きへ
■ご覧になった感想などを
こちら
の掲示板に書き込みいただけるとうれしいです。