二ツ森山【1,223mm】

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美濃は西濃と東濃に分けられる、東濃の中津川の西側にある「二ツ森山」。
双耳峰、二ツ森山と東森山。麓から見るとコブが確かに二ツある。
森は、由来は「盛る」から来ている説があるが、盛り上がって「山」を意味する。
左奥、正に、二ツ森山、麓から眺めればなかなかの雄姿に見惚れる。
中津川や恵那周辺だと、恵那山が有名だが、西側にある笠置山とこの二ツ森山が独立峰然として目立つ。
今日も残暑で下界は35度を超えるという、前回の反省を生かして早朝を目掛けてこの山を歩く。

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最短コースを選んだ。林道は整備され登山口には休憩小屋や手洗い足洗い用の山水も用意されている。
山道も整備され過ぎず、自然を適度に残したとても気持ち良い登山道。
取り付きは谷沿い歩き、狙い通り天気の良い早朝、さわやかな風が吹きあがる。
なにやら、とても気持ち良い。
登山口に至るまでのアプローチも良かった。
中津川市街を抜けて中津川を渡ると、徐々に高度を上げて里山域に入る。
これから歩く二ツ森山山系を望みながら、田園地帯と集落をいつくか横切る。
車で走る視界がとても広く、その風景がとても良い。
まだ早朝なので人影はあまりなく、家々からは朝餉(あさげ)の煙が上がっている。
どんどん高度を上げながら、視界を広がながらのワインディングロートが気持ちよかったに違いない。

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谷沿いなので、河畔林が多い。
標高は1000m辺り、東濃辺りなので、暖温帯〜冷温帯の樹木。
低木ではシロモジが目立ったが高木ではトチノキ、シデ類、カエデ類と。
夏の緑と快晴の青、幾重にも重なる様々な形状と太陽を浴びた緑の彩(いろどり)、
そんな見上げた時に見えるその「絵」が美しい。
そうか、ここにハリギリがあるか〜、あの夏に咲く白い花は遠めだがリョウブだな、
あれは冷温帯に多いハウチワカエデだ、秋は綺麗かろう…などど樹木に少しばかり詳しくなった。
それを独り言ち楽しんでいる自分が楽しい(笑)

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山頂に出て初めて展望が開ける。これもドラマチックで好い。
その展望がまた良い。北側は山また山の飛騨が見える。抜きんでて、御嶽。
写真は南側。東濃の代表的な山、恵那山が左に、麓が中津川市街、右に笠置山、恵那市。
また9時半、朝もやが市街を覆う。
山頂は広い一枚岩でその上に一人立って、この大展望を見る気持ちよさ。
地質は笠置山を含めて約1億年〜6500万年前の火成岩であるデイサイトか流紋岩らしい。
噴火して急速に固まった岩石なので硬い。一枚岩なのでどっしり安定感があるのは気のせいか。
とにかく爽快な風景。思わず大きく息を吸い込んで深呼吸。

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印象的な風景に出会った。
登山道を歩いていると遠くに巨石が見えた。この山は大きな石があちこちに転がっているが、この大岩は違った。
立っている、立石というのか。
樹林帯の高木に囲まれて、すっくと立っている。
樹木よりよほどの以前に、転がって運よく立って停止したのだろう。
岩頭には樹木が根を張っている。
たまたま、私が通り掛かった時に、太陽光がスポットライトのようにその岩を照らしていた。
名もない立石に「精神性」をみたのは、そう感じさえる条件が揃ったのか、私の心象心理が影響しているのか。
人は無機質な物に精神性を見いだす事がある、そんな世界を一瞬垣間見た。 そんな不思議な体験だった。

2021年8月29日(日)[登山] 8月31日[記]

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