屏風連山【794m】

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名古屋から中央道を走ると、瑞浪インターの次に屏風山パーキングある。山の名前を冠するパーキングなので気になっていた。

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グーグルマップで瑞浪市から東を見ると、遥かに木曽山地と最南端の恵那山。
そのラインと平行して南北に走る山波がある。その中心が屏風連山。たしかに瑞浪市からは屏風のように見えることだろう。
東からプレートの圧力で木曽山地が出来たが、その余波の“シワ”の一つに違いない。

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登山口は、笹平という南側。みどごとな植林地帯。
一般的には植林地帯は、手入れがされないと暗くて歩いていてもあまり気持ちよくないが、この山はよく手入れされている。
林床には、クスノキ科シロモジがたくさん。
特徴ある丸い切れ込みで、一目でわかる。

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稜線に出るまでは植林地帯が続く。
起伏の鍋底みたいな場所に、「エコーの森」とあった。
地形からすると、コダマするにちがいない。
誰もいないので「ヤッホー」と叫ぶ・・・見事にエコーするのでほれぼれ。
せっかくなので、動画と音声に残しておこうと記録するも、自分の声しか入っていない。本当は見事に山にエコーしているが、その音をスマホでは拾えない。
よって、恥ずかしい(笑)。動画を再生すると音が出るので注意。

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ちょっと登山道を逸れた、笹神山のピークを越えたところに、「大栂(おおきいツガ)」があった。
樹齢約300年とある。江戸時代後半。瑞浪市の天然記念物。
目通り周囲約3.6メートル、高さ約20メートル(瑞浪市HP)、枝ぶりもなかなか立派。
昔は、ここからは瑞浪市を眼下に見えたことだろう。今は植林で見えない。

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黒ノ田山が最初のピークだが、その東側には湿原が広がる。下りに立ち寄る。
黒ノ田湿原、東濃で最大らしい。2.5Ha。「看板にはこの環境を永遠に守る為にご協力ください」とある。
湿地は仮の姿でいつかはなくなるのが自然の理だと思うのだが・・・
トキソウが花盛りだった。

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稜線に出ると、自然林が増えてくる。風良くて気持ちが良い。
ちとお腹の調子が悪い朝で・・・父の日にもらった登山用のシャツが通気性に優れていて、お腹が冷えて・・・登山道を離れて「大雉を撃ちにいった」(笑)
ちなみに、田部井さんの『山の単語帳』によると、「雉撃ち」は山の隠語で、男性が山中の屋外で排泄することです。その姿が雉を撃つ猟師が薮に潜む姿に似ていることから。大便を大雉、小便を小雉といったりします。女性の排泄は「お花摘み」といいます。花を摘む姿に似ているからですね。」・・・大雉、小雉は知らなかった。

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笹神山、馬の背山、八百山とピークを越えて最後4つ目のピークが屏風山。
屏風の曲がり角のピークを歩いたことになる。
山頂からは南東側が開けていて、眼下に瑞浪、その先に土岐、その先が多治見・・・ちょっと左に行くと瀬戸、盆地状の地形に町があることが良く分かる。
いずれも、陶磁器の一大産地で国内生産の半分を占める。
良質の粘土が取れる。長い年月に花崗岩が風化、長石と珪石はアルミナとシリカを含み、それが溜まる条件がこの地にあったに違いない。
長い年月をかけて、水と混じりあると良質の粘土となるらしい。
驚くほどたくさんの窯元と陶業会社がこの地にある。山沿いを走ると良く分かる。
地形と地質と人との関わりを考えるに良い機会の山だった。

2021年6月26日[登山] 7月3日[記]

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