美女平

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2018年10月22日(日)全国的に快晴と聞いて、立山へ飛び出しました!
それも、室堂とか阿弥陀ケ原ではなく、「美女平」! 
往復約600kmの遠征!
でも、どうしても、晴天の下 「タテヤマスギ」が見たかったのです。(笑)

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室堂から広大な溶岩台地の最後に「美女平」があります。 
山に入った許嫁を追って、この山に来た美しいお姫様が、タテヤマスギに祈願したところ、願いが成就したいという。
この美しい伝説があるように、見事なスギが濃い密度で林立している稀有な場所でもある。
スギは夏の平均気温が24度に達しないと花粉を生産できないらしい
・・・この辺りは今はその温度に達しない。

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なぜ、この地に巨大なスギが生存しているのか、幹回り6m以上が147本もある。

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ちなにみ、ブナ林地帯もあり、黄葉も見事で見ごろ!

「日本の森列伝」によれば、
溶岩台地ができたのは10万年前、1万年前から温暖な時代となり、3500年前にはもうスギやブナの花粉が泥炭層から出てくる。
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その温暖な時代に、スギは侵入してきて今に至る。 その後の寒冷な時代となり、この地のスギの生きるすべは実生ではなく、伏状更新という、枝が地面について発根する。雪国での樹木の知恵。                           【不老杉】
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              【火炎杉】                  【おんばスギ】
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冬は4〜5mの豪雪地帯、厳冬期は−10度にもなるという。 すっくとスギらしく伸びている巨木は1本もない。
幸い、水には恵まれている 年間降水量4000mm、おかげで、巨木は千年は生きられる。
水はこの台地に小さな沢を形成して、また湿度が保たれる。 今日も前日が前で、道はぬかるみビジョビジョ。
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  玉座(天蓋)の上に次世代が成長して、壮大な姿になっている。 
スギが千年以上もかけて培った、たくましく生きる知恵の結晶がこの地ではたくさん見ることができる。1本1本にそんな意気込みを感じながら、見ているだけで元気がもらえる
・・・美女平

この日は快晴で、たくさんの人が美女平に降り立ちましたが、99.9%以上はバスに乗って室堂へ観光へ。
あぁ、このマニアックな森歩きをしているのはほんの一握り・・・(笑)


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