木曽の御嶽山 黒沢口

木曽の御嶽山。尾張の私には一番身近な高峰です。
標高は3067m、3000m超の21座の一つ。
北アルプスから少し離れた、広大な裾野を持つこの山は独自の風格があります。
南北に3.5Kmの頂上部には6つの峰と5つの池を擁し、極めて変化に富んだ自然と風景があります。
霊峰としての御嶽教の神山でもあり、われわれの想像を超える霊神碑などが各登山道に続く。
昭和54年には大噴火を起こし、私が高校時代の御嶽登山計画がつぶれたことも記憶したいる。
登山ルートは岐阜県・長野県側合計で5つ。
いままでは最短の田ノ原ルートしかしらなかったので、黒沢口ルートを選ぶ。
1785年に覚明行者が開いた最も古い登山ルートで、頂上部の池を回るバリエーションも選択ができる変化に富むルートです。
2006年10月30日(月)。晴れ。
七合目の原生林、八合目からの大展望、山頂部の二の池。
久々の御嶽はやっぱり雄大であった。

四合目付近から御嶽全貌
御嶽の頂稜部の全体が見える。
左から継母岳、剣ヶ峰、大滝山頂、麻利支天、継子岳。
南北に3.5Kmの雄大な頂上部です。
強大な山域を持つ独立峰が故に裾野も広大で、このポイントもその一部です。
上部の紅葉は既に終わり、いまはこのあたりが良いはずなのですが・・・。
あまり良いポイントがありませんでした。
七合目雰囲気
ロープウエイを使うと七合目。
黒沢口の登山道口は6合目ですが、最近はロープウエイを使う登山者が多いらしい。
シラビソの原生林が迎えてくれます。
北岳肩の小屋で最近の熊の話を聞きき、熊対策で初めてラジオを付けながらの山歩きです。
七合目の登山道
木の階段がしっかり付いています。
夏の登山者や御嶽教の信者の方々が整備するのでしょう。
沢を渡る橋もすぐに直された後があり、そのフォローのすごさを感じます。
その必要があるだけ、人が多いのでしょう。
八合目 女人堂辺り
八合目で森林限界を超え、視界が広がります。
ナナカマドを始めとする木々の紅葉の名所でもあるらしいが、今はその時期は過ぎている。
おびただしい霊神碑が並ぶ、覚明行者関連が圧倒的だ。
八合目から展望
北アルプスの展望は抜群。
本来は東側に中央アルプスが見えるのですが、この日は少し雲がかかっていました。
その変わり、北側に北アルプスの勇士が。
中央に乗鞍、左右に北アルプスの主峰がよく見えます。
雲ひとつ無い!
田ノ原ルートはその良さがあるのですが、こことの違いは北アルプスの眺望です。
九合目 風景
九合目からはもう溶岩石や砂礫のみの荒涼とした風景。
山頂も真近に迫ってきます。
白装束の修験者
田ノ原ルート上で御嶽教の修験者を稜線に見ました。
御嶽ではあまり、珍しくはない風景です。
稜線を黙々と山頂目指し、歩く信者。
宗教が自然と一体となっている風景に思えました。
山頂 誰もいない
七合目から約3時間で山頂。
今日の様に、天気が良ければ、3000m超のこの山もほとんどハイキング気分で登れます。
雲が太陽にかかり、日差しがなくなると一気に寒くなる。
やはり高山、気を引き締めなおして、フリースを重ね、昼食です。
しかり、ここまで1人として会わなかった。
平日の午前中だからだろうか。
こんな経験もめったに無いなと思いながら、360度の眺望を独り占め。
頂上直下

頂上直下には一の池と二の池があります。
その先には北アルプスが見えます。
登った人にはわかりますが、その二の池が美しい。
頂上から白山

頂上北西側には白山も望めます。
一度登ってみたい。
白山も日本三大霊峰の一つです。
富士山もそうですが、霊峰と呼ばれる山々は、人里みえる独立した雄大な山なのでしょう。
王滝側と八丁ダルミ

南側は田ノ原ルートが見えます。
王滝山頂と噴気を上げる八丁ダルミが見下ろせます。
人の声が聞こえますが、現認できません。
風向きにより、硫黄の匂いが鼻を突きます。
二の池

二の池まで下りました。
ここは2900mあたり、日本最高所の湖です。
近くによって見ると本当に美しいコバルト色です。
硫黄分が入っている為、こんな色が出るらしい。
太陽光があたりと、本当に美しい。
二の池と私

二の池と私。
美しさに見とれている図です。
10月上旬の低気圧が降らせた雪がなだ残っています。
この06年10月の社会人、最大にして最後の大休みも終わりかと思いながら、いつまでも美しい二の池を眺めていました。

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