花の御池岳(おいけだけ)

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鈴鹿山脈の最高峰 御池岳。1,247m。
2006年4月20日(金)曇り。
花の鈴鹿の中でも北部の山域は石灰岩質で日本海の影響を受ける複雑な環境にある。
その為か“花の鈴鹿”の中でも藤原岳と共に可憐な花々が路傍を彩る。
GWあたりで、新緑と花たちを同時に楽しめるかもしれない。

コグルミ谷登山口
数年毎に登ったのと同じコース。
あの時は花には無関心だったが、今回は気合が違う。
いきなり登山不可との看板、2年前に斜面の崩壊があったらしい。
根性で崩壊場所を乗り越えいってやる!と思っていたら、
地元の方が、この登山道の左5m(谷の対岸)に迂回路があった。
もう少し親切な案内版がほしい、これで帰ってしまう人もいるはず。
コグルミ谷
この山は石灰岩の塊です。
谷底には白い石が多く、伏流水と化しているのか、流れは見えない。
入り口から人工林はなく、落葉広葉樹帯にはいります。
新緑前は太陽光を遮る葉っぱはなく、たいへん明るい谷です。
四十雀など春の野鳥のさえずりがたいへん心地よい。
コグルミ谷の山道
山道も石灰石の巨石の上を通ります。
この石は風化の影響を受けやすく、尖っていたり、くぼみがあったり。
結構、触るときは気をつける必要があります。
ヤマネコメノソウ
  たいへん鮮やかな黄色い小さい花が印象的。
山頂付近までずっっとたくさんの群落が続いていました。
ホクリクネコメノソウ
ネコメノソウの一種。
あまり自信が無い。ネコメノソウは10種類以上あるらしい。
濃い紫の花が特徴で、上のヤマネコメノソウと同じような場所にあった。
ハナネコメノソウ
  これもネノメノソウの一種。
白い花と赤い雄蕊がちいさくて一番かわいい種類でした。
ニリンソウ
イチリンソウとの違いがあまりわからない。
ニリンソウは2輪セットで咲く確率が高いのか。
まだ蕾のやつが、多く、この開き方がやっと見つけた。
ミノコバイモ
  美濃のバイモらしく、愛知・岐阜・三重に自生するローカル花。
倒木の陰にいるやつを、なんとか見つけ出した。
ユリ科の植物で花が下向き加減で、花びらに茶色の斑点が特徴的。
すっくと直立不動の姿勢が良い。
ヤマエンゴサク
  山延胡索と書く、花の形と付き方がたいへん印象的。
名前の由来に興味が沸いたが、調べ切れなかった。
ヤマルリソウ
名前の通り、瑠璃色がたいへん印象的。
花自信はお世辞にも私好みの花ではない。
これは兎に角写真を撮るのに苦労した、相当努力したがこの程度。
デジカメのミクロ撮影の限界を感じる。
カタクリ峠
名前の通り、カタクリの大群落がある。
このあたりは花が多いらしく、季節(たぶん今頃からGWあたり)は人でごった返しているらしい。
左に行けば藤原岳、右に行けば御池岳、ヤマシャクヤクも自生するらしい。
シャクヤクは一度見てみたい。
カタクリの蕾
タクリは氷河期の生き残りで、寒冷地でしか生きられない。
中部以北、特に北日本(豪雪地帯)にたくさん自生する早春花。
このあたりで、この規模は相当だと思うが、まだ早かった!
やはりGW頃が見ごろか!?
ミスミソウ(雪割草)
こんなに有名な花なのに、初めて実物を見た。
なにかと路傍でしゃがんでみていると、後ろを通ったお兄さんに教えれれた。
葉っぱが無かった為か、おもったほどかわいくない。
写真は上手く撮れましたが・・・。
エンレイソウ
でっかい葉っぱが3枚、小さい花びら3枚が印象的。
学名は「3を基数にしたユリ」だそうです。納得。
花が咲くのに15年もかかるとの記事もあったが…。本当か!?
そうかわいくない花だが、苦労して咲いているのだと知ってから感動した。
ミヤマカタバミ
これはかわいかった。
はっぱがもっと開くと、花と葉っぱとのバランスといい色相といい。
今回の中では、ぴか一でした。
苔むす石灰岩
登山道は深山の雰囲気となってきます。
風化していろんな形に変形した石灰岩が苔むしています。
あまり見かけた記憶のない、変わった風景です。
冬は豪雪で水気が多いことと石灰とはどんな関係があるのか。
最後の直登道
緩やかの尾根道から直登道へ。約30分で山頂です。
帰路は山頂から、日本庭園(池の平)を経由して右から帰ってこようと思っていたのだが…。
(コ)バイケイソウ群落
このあたりから大群落が始まります。
頂上まで山道の両脇はこの草だらけ。
花期は7月なので、さぞや立派な見ごたえがある景色でしょう。
真上からバイケイソウ
     花がないかと上から覗き込みましたが、何も見えず。
葉っぱも分厚くて肌触りも良く、料理したらおいしそう!
山頂付近の残雪
山頂近くはまだ残雪が残っています。
そうとうの人が歩くので、だいぶ汚れています。
鈴鹿北部は冬は日本海側の影響を豪雪となるので、本来ならもっと雪があるのでしょう
今年は暖冬なのでこの程度ですんでいる。
池の平方面で迷う
御池岳と北西の鈴北岳の間に池の平と呼ばれる高原状のおだやかな丘陵地帯がある。
池が点在し、御池(おいけ)の由来ともなっている。
そこに行こうと地図とコンパス片手に歩いたが、どうしても登山道が発見できない。
途中で諦めて、まよっている時にとった写真がこれです。
迷いながらも、カモシカに出会ったり、収穫もありましたが。
遠くに伊吹山や霊仙山が望めました。
今度は絶対いくぞ!
山頂と私
この山は2度目だが、1度目は登頂が目的だった。
今回は“花の勉強”が主目的なので、すごく時間をかけました。
歩いた時間より、立ち止まって花を見ている時間の方が長かった。
「花なんて」とか最初は思ったが、見たり触ったり、帰ってから調べたり。
相当の時間を割きましたが、それだけの価値はあった。
花の大きさ・色・匂い・分布域や名前など、たいへん奥が深い。
また一つ、山歩きの魅力に触れた気がします。
平日にも係わらず、この山で20人弱の人にあっている。
カメラ片手に明らかに花目当てのおねえさんやおじさんおばさんもいました。
それだけ人を惹きつけるものがあるということの証明です。