御嶽 噴火に想う

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2014年9月27日11時52分、御嶽が水蒸気爆発を起こしました。
秋口で天気も良く、昼前だということもあり山頂付近は人がたくさんいたそうです。
噴石などによる死者と行方不明者を含めると60人を超える被害者が出てしまいました。
戦後最悪の火山災害だそうだ。


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御嶽は尾張地方には身近な山で、私もすでに4回山頂を踏んでいます。
第1回目の予定は、私が大阪の高校時代、昭和54年(1979年)でした。 
初めての3000m峰への遠征登山が計画でもあったのです。
この時は、御嶽がほんとうに久々の爆発となり、計画が没になり、乗鞍岳に変更になったのです。
その後、尾張に引っ越してきて、1999年、2002年、2005年、2006年と定期的に歩いており、毎年のように夏山の計画には候補として挙がり、今年も、濁河温泉から剣ヶ峰をコース選定しているほどでした。
3,000m峰で、雄大で、独立峰で、山上に美しい火山湖を抱え、地域の信仰を集め、親しまれ・・・
そんな山は富士山かこの”お山”しかありません。



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山頂からの景色はまさに360度の大展望で、最初の写真の奥には乗鞍岳がまじかに望むことができます。
山頂の火山湖では、二ノ池が美しく、いつも湖畔にたたずんで、飽きることなく眺めていたものです。
エメラルドグリーンの神秘的な色は、それほどに魅力的でした。



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2005年秋には紅葉を観に歩いたこともあります。
活火山ですが、以外に植生が豊かで紅葉もきれいなのです。
さすがに2500mを超えると森林限界となり、ゴツゴツした岩山となってしまいますが、麓に広がる広大な裾野は、たくさんの原生林を抱え、魅力がいっぱいです。


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山岳宗教の聖地でもあり、御嶽教は特に印象的です。
山頂をはじめ周辺には立派なお社や銅像があり、今でも活発な祭事が行われています。
山小屋も大人数が収容できる建物が多数ありますが、始まりは登山者用ではなく、御嶽講でお参りする方々の施設であると思われます。
こんな高山にこれだけ立派な施設があることに驚かされます。
大滝口や黒沢口などの登山口を向かう途中にも、数えきれないほどの石碑が立ち並び、この宗教の歴史や規模を感じることができるのです。

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最大の特徴は、やはり活火山であるということでしょう。
八丁ダルミという場所にはいつも噴煙が昇り、風向きによっては硫黄の匂いがしました。
噴煙は大なり小なり、必ず見ることができ、ここが活火山であることをいつも認識させられたものです。
今回の水蒸気爆発はまさにここで起こってしまいました。
おそらく、一番人気であろう田ノ原コースはこの八丁ダルミを通るコースなのです。
秋の週末のこのコース、その上ちょうどお昼頃、まさに一番登山者が多いタイミングでした。
3,000m級の山ですからそれなりの装備で皆さん登っておりますが、誰も噴火や噴石対策をしている方はいなかったでしょう。
山頂のあの場所で何人が発見された、あの登山道で何人が噴石に倒れた・・・自分があるいたその場所が手に取るようにわかるだけに、その怖さが自分に迫ってきます。
噴火した日の晩は、迫ってくる噴煙に恐怖する夢を見るほどでした。

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私の住処は尾張の北のはずれです。 
おそらく御嶽取材に向かうとだろうと思われるヘリが毎日通ります。
今日の午前だけでも、3機が上空を通りました。
いまだ、不明者が見つから、被害者はまだ増えるかもしれません。
名古屋の高層ビルから御嶽山が遠望できました。 窓ガラス越しで安物カメラで撮っていますが、それでも御嶽山とまっすぐ上に立ち上る噴煙を見ることができます。
いかに、尾張にとって身近な山であることか・・・ ちょっと小高い山をあるけば、簡単にこのお山を見ることができるのです。
御嶽に向かって、思わず手を合わせ、犠牲者の冥福をお祈りさせていただきました。






2014年10月12日(日) 【記】

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