【山の空】

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■私版「山がくれた百のよろこび 5■


 山の空 

初めての3,000m峰は乗鞍岳だった、高校時代の夏休み。
中腹の山荘に泊まった。そこはもう標高が2,000mを越えた雲上の世界。

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翌朝、未だ霧で視界はきかず、風が強い。
山頂近くで、友人の帽子が飛ばされて、延々と続くはい松と砂礫のかなたへ吸い込まれた。
山頂に到着するが、祠があったこと以外は覚えていない。

ふと真上を見上げると、空。
覚えているのは、上空の空の色だった。
濃い青色、濃紺というのが正しいのか。濃い藍色。

しごく魅力的な色 人を引き付ける底知れぬなにかがある。
その背後に広がる漆黒の宇宙が見えていたのかもしれない。
永遠に続く宇宙を。

あの時から、私は空を見上げるのが好きになりました。







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