【朝日の壮観】

空と雲と山歩き>山で思うこと>朝日の壮観


■「山がくれた百のよろこび」 9■


 朝日の壮観 


画像


山頂からの朝日は人生を変える…

そんな体験をしたのは、晩秋の北岳から朝日を眺めた時だった。

ここまでは重たいザックを背負い、苦しい急坂を登り、一歩一歩の末に到達したこの世界、
10月末の南アルプス、標高3,000m、とにかく寒い。
まったく音の無い世界に、満点の星が輝いている。
生物の気配のしない、宇宙に放り出されたようだった。
ともかく、どんなに着込んでも数分いるだけで、”死”という文字が浮かぶほど、寒さが体の芯にしみてくる。

画像


南アルプスの東側は太陽が昇る方向でもあり、そこには富士山もある。
この孤高の高山が、また凛として 存在感があるのだ。

地球が回転して、太陽が近くなると、朝焼けで空が・・・美しい
何色と呼べばよいのか、漆黒から藍色、紺色、茜色・・・
どんな写真の色も映像もCGもきっとこの色は出せないだろう
 程に美しい。


画像

 
雲海の美しさがピークになった。

そして、
太陽が登り始めるその瞬間、 さっと風のような物が体を通り過ぎる。
風ではない、太陽風だろうか・・・ともかく体を透過して過ぎていくのだ。
その後、なんとも暖かいエネルギーが体を満たしていく。

いままでの死んだような世界が、急に息を吹き返したようなそんな感じ。
その太陽のエネルギーは圧倒的です。
地球は 自分は この太陽のおかげで生きていることが分かる瞬間。

それが故に、
その壮観は、ほんとうに 素晴らしい。
2014年12月14日〈記〉


現在地:空と雲と山歩き>山で思うこと>朝日の壮観