■私版「山がくれた百のよろこび」11 ■
長い夜
「こんな長い夜は初めてだ」
…決意を胸に北穂を目指す中小企業社長が眠れる夜を過ごす場面があった
山歩きをしていて、テントや車中泊をしているとそんな夜に出くわす。
明日への期待と興奮、未知なるものへの不安、焦燥
眠らねば明日に影響するからと無理やりシュラフや毛布を冠るがそれでも眠れない
そんな時はテン窓から外を眺める
暗いが広い視野、星空、月夜、山影、風の音…
遠い過去の記憶、家族の笑い、友人とのバカ話、記憶の山道 …
時間はたっぷり有る 眠れないだけだ
うつらうつらしながら、思考が巡る
数時間もすればしらじらと白明の時がやってくる 必ず
長い夜 眠れない夜 でも悪くない夜
2015年9月6日〈記〉
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