サクラの種類と文化

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■サクラの種類と日本地史■
2018年4月8日 in 名古屋市東山植物園 森林インストラクター愛知

森林インストラクター愛知が主催する、「サクラ文化と日本地史」講演会とその後の観察会に参加。
森林インストラクターとしての初活動だが、ほとんど役にたたず組んでいただいた会長の後で、勉強させていただいた。
人生、毎日が勉強!勉強!

日本の野生原種は10種、観賞用に重要なものは6種類あるらしい。

<季刊SORA2014春号より抜粋>
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少し、体系的に!
1.エドヒガン:本州以南・大木になる・長寿…日本三大桜
2.ヤマザクラ:西日本・「吉野のサクラ」がブランド化・江戸時代まで主役
3.オオヤマザクラ:本州や北海道の冷温帯・別名「エゾザクラ」
4.カスミザクラ:本州日本海側:やや小ぶり
5.オオシマザクラ:伊豆/神奈川・鎌倉幕府のおひざ元・交配種の親
6.カンヒザクラ:台湾/石垣島・赤味が強い・全開せず・早咲き

エドヒガンは大きくなる長寿の樹木、この地方にも「根尾の薄墨桜」があります。
昔は、農耕歴(標準木)として、村々に植えられてそうで、薄墨桜もそだったそうだ。
なるほど、ポツンと独立してそこに構えるの桜の巨木はそういう意味だったか、そこになぜそれがあるのか、それぞれに意味があるんだなぁと感心。

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あの超有名に桜がないですが…そうソメイヨシノ
この桜は、オオシマザクラとエドヒガンの交配種、江戸末期に出てきた。
染井町の「吉野桜」とうい名前でデビュー、吉野のサクラは当時から庶民の憧れであったからのネーミングのよう。
今や、桜の8割はこの桜になっています。あでやかで花色は色っぽいので、瞬く間に広まったのでしょう。
いかんせん、クローン種で実がならず、挿し木で増殖しているので、病気に弱い…いつか総倒れの危機が来るかもしれない。

オオシマザクラはソメイヨシノの限らず?サトザクラ?と呼ばれる交配種の親になっています。
遡ること200万年前、伊豆半島が本州に衝突した時に、大きな気候変動がありこの種が分化し、サクラを愛でる文化が公家から武家に移った鎌倉時代に、たまたま、その桜がその地にあり…
そんな背景の中で、交配が進み、なにげに眺める桜にもそんなDNAが流れていると思えば、美しく咲く花にもまた違う意味合いを見つけることが出来る。

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【普賢象(ふげんぞう)】…八重は豪華です:オオシマザクラ 交配種
雌しべが2本ある、普賢菩薩が跨る象さんの牙がすっくと2本あることが由来

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【御衣黄(ぎょいこう)】…三色の八重、やはり豪華:オオシマザクラ 交配種
白、赤、緑…見事です。花の緑では光合成もするという美しくも変わり種。

この二つは八重でしだれていますが、シダレにも理由がある。
普通、枝が枝垂れない理由、それは植物ホルモン(ジベリン)が枝の上部をひっぱる?引っ張りあて材?が形成されるようです。年輪もそこは詰まっている。
ところが、枝垂れサクラは、遺伝的にそのホルモンが弱いので、自重で曲がっていくらしい。なぜ、弱いのか…それはわかりません。
あらゆることには理由がある。枝垂れる理由は、「枝垂れない理由」からという目から鱗の話です。
参加者の方に、飛行機の設計をしていた人がいて、「飛行機も羽が?枝垂れ?ないように上部の鉄板は厚くなってるんだよね〜」とこコメント。
それぞれ、理にかなった説明に一同、関心。

サクラを通して、地史や歴史、物理・科学と学ぶことが多い。ちょっと寒かったけど、青空の下、勉強の一日、自分がまた少し成長したことを実感した。
人生、毎日が勉強、勉強。(笑)
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